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第123話




「お主らはどうする?さくらは起きておるぞ」


ドリトスがセルヴァンが起こしている『惨劇』を一瞥してから窓を閉める。

2人は顔を見合わせるが「「会います」」と声を揃えた。




庭園では、セルヴァンが息子たち相手に手加減なく怒気を放って殴り飛ばしている。

それは『仕方がない』だろう。

『他国の王城内』で強力な魔法を放ったのだから。

此処は自国(セリスロウ国)ではない。

『自国のルール』は通用しないのだ。


はじめは父親に誉められると思っていた息子たちだったが、父親の怒気で『間違い』に気付いた。



何より、この王城敷地内では『魔物への攻撃は禁止』されている。

それはさくらが『魔物とココロを通わせている』可能性があるからだ。

もちろん、今回の魔物がさくらに『助け』を求めて現れたかは分からない。

しかし、『魔物の最期の(さけび)』がさくらに届いていたら・・・

助けを求める魔物に手を差し伸べる優しいさくらだ。

自分が(のち)に倒れて熱を出して寝込むことになってでも『浄化』し続けるような(さくら)だ。



・・・『最悪な結末』を迎えていただろう。



今回はハンドくんたちと女神のおかげで『魔物の声』はさくらへ届かなかったようだが、毎回『守られる』とは限らないのだ。

ちなみに『前回』の時は、その事にドリトスが気付いて兵士たちに「一切の攻撃をするな!」と指示を出していた。

もし『魔物とココロを通わせている』時に魔物の生命が奪われていたら・・・


さくらのココロも壊していただろう。




それを思うとセルヴァンの怒気が更に強くなり、抑えることは出来なかった。

『鬼』と呼ばれた『先代族長(セルヴァン)』の(いか)りは凄まじく、ジタンは近付くことも叶わず。

さくらが見ていたら『君子危うきに近寄らず』『触らぬ(セルヴァン)に祟りなし』と笑っただろう。




この『惨劇』は、ヨルクが『セルヴァンを探してさくらが泣いている』と耳元で囁くまで続いた・・・





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