鑑定 IS VERY VERY BLACK
鑑定士はブラックである
超絶ブラックワーキングである
朝から夜までずっと…ずーーーーっと仕事である
労働基準法くそくらえなブラック仕事、鑑定
そしてそのブラックに選ばれたのが俺
何でブラックワーキングをすることになったかって言うと、まぁよくある話だ
ある日、日本にダンジョンが出来た……というか世界中なんだけれど
いきなり神と名乗るヤツがのたまいやがった
「ごっめ~~ん、調整ミスって人間界と魔界をつなげちゃった☆
コレ消すの面倒なんで人間界の皆、頑張って☆
代わりに一部の人にはチートを上げるから
めんご☆」
全世界の人という人の脳にそんなメッセージが流れたんだわ……もうそんなことされたら神と認めざるを得ないわ
そしてこの事態で、政府はダンジョン攻略に取り掛かったんだわ
ただまぁ、良くあることに、そのダンジョンに現れるモンスターは通常兵器では太刀打ちができなかったんだ
1人を除いては
その彼女は射撃が得意な女性だったため、当初は当たり所が良かったのかと思っていたのだが、違っていた
神が言っていたチート勢の1人だったっぽい
彼女はスキルを貰っていて、そのスキルを使うことによって太刀打ちが出来たんだと後々になってわかった
さて、俺なんだが人を色々と値踏みしたりとかしていたせいかもわからんが、神と名乗るヤツからチートを貰った1人である
そう、ブラックワーキング、鑑定である
この鑑定、異能関連であるならば、何でも鑑定ができた
ただし、異能が関連しない普通の人の場合だと何も見えない
コレを言ったが最後、ブラックワーキングに足を突っ込んでしまった
先ずはヘリで日本中を回った
そう、チートを貰って異能に目覚めた人間を集めるためだ
そして集まった人間が約1000人
コレによって、日本の防衛線は余裕ができた
そして、次に日本の同盟国に行って来いといわれた
俺は泣き叫んだ
向こうは銃が乱射される怖い国だ、死んでまう
そしたら、政府のお偉い人に言われた
「最高の防弾チョッキをあげよう」
いらねーーーーーーーーーーよ
だが抵抗むなしく、ドナドナされた
鑑定……力ないんだよ………………
そしていろんな国へ飛んだ
1年ぐらい
1年ぶりに日本で米を貪ろうとしていたら、今度はダンジョンに来いと呼ばれてしまった
何やら、宝箱が見つかって、開けたはいいが、中身がわからないと……ってことで鑑定の俺が呼ばれた
こめぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーー
1年日本にいなかったツケは大きかったね
何か一杯あったよ、アイテムが
ふははははは
仕事をしてもしても終わらない、インフィニットワークの始まりだぁぁっぁ
そして鑑定をしていると面白いものが見つかる
スキルを覚えることができる巻物だ
覚えることが出来る内容は「並列思考」
コレで俺は2倍の鑑定をすることができるようになる
つまり仕事が早く終わると思って、交渉したね
俺は仕事が片付く、皆は早く安全にアイテムを使うことができるということで、交渉の結果、俺が使用することになった
やったぜ、コレで仕事が増えても大丈夫、ブラックに磨きがカカッタヨ
……はい、右目と左目で2つ鑑定ができるようになった、倍速間違いないと思っていたらそんなことはなかった
結局使用方法とか書かないといけないから、時間は余り変わらなかった
ちくせう
そして、また巻物があった
両利きになるスキルである
当然交渉して、使用した
コレで倍速、仕事怖くない……そう思っていた時期がありました
鑑定したアイテムでダンジョン攻略が進むわけでして……仕事がまーた増えました
しくしくしく
そんななか、また巻物が……今度は自動書記
当然交渉の末貰った
もう完璧である
両目で鑑定して、それを自動書記で両手で紙に書く
もうひたすら、心を殺して仕事をしていましたよ?
1日18時間ほど
もう飯も食べながら働くという、鑑定isブラック
何でもう1人か2人は鑑定を持った人いないんだYO!??
おかしいんだYO!??
いかん、働きすぎで頭がおかしくなった
とにかく、ひたすら働き続けた
仕事を何とか効率よくなるようにスキルも色々と貰う
疲労回復、速記、ショートスリーパーetc.etc.
ひたすら仕事を減らして、休みを増やそうと奮闘した
だが仕事が減らない
増える一方である
ある日、鑑定中にこんな声が聞こえた
「俺、今日ダンジョンアタック5時間したぜ~」
「すげーなお前」
へー、5時間で凄いんだー
俺、24時間365日ほとんど休み無いんだよねー
ってそんな黒いことを考えてはいけない
早く仕事を終わらせなきゃ
そんなある日、ある食材に目が留まる
鑑定結果は名前はレベルアップライス
米だよ米
後名前がレベルアップだよ
詳細を見ると……超うまい!!!!レベルが上がる……ただし食べ過ぎると死ぬ
………………死ぬって…………ちょっ…………
食べ過ぎるってどの程度??
ってことで、誤って食べたらいけないということで俺が引き取る
まぁ、死ぬ可能性があるものは向こうだっていらんわな
それから能力上昇系アイテムが色々と落ちてきた
聞き耳をたてているとどうも30階からそのようなアイテムが落ちてくるらしい
まぁ全部食べすぎたら死ぬの文言つきなんだがな
ってことで、謝って食べたらいけないということで全部俺が引き取る
ラックエッグ
パワーバター
スピードマッシュルーム
インテリオニオン
……なんか一杯増えてきた
どーしよーーー
なんか……………………むっしょーーーに………………炒飯を作りたくなってきたぁぁぁぁぁっぁ!!!
………………まぁもしかしたら?調理をしたら、死ななくなるかもしれないし??
うん、腐らすのももったいないし、うん、日本の心、もったいなーい
し、仕方ないよね?
バターを熱し、みじん切りにした玉ねぎとざっくばらんに切った茸を投入
良い感じに炒めたら、卵にお米を投入
じゃじゃーーん、完成
……………………やってしまった
やべぇ、超良い匂いだ
さて、鑑定だ
まぁ、十中八九即死アイテムのような気がするんだが……あり??
無敵炒飯??
匂いだけで即死
食べれば相手がなんだろうと旨さで死ぬ
匂いで即死???あれ????生きているよ?????
何で????あ……前鑑定していたとき、デザインが髑髏だからダサいという理由でいらないとか言われた首飾り
……そういえば、過労死で死ぬのはやめろよ?とか言われてもらったわ、これ……即死耐性あったよな……
ってか……過労死による即死やめてって思うなら仕事減らせよ、ちくせう
いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも仕事どんどんどんどん
……………………落ち着こう
いかんな、ブラックな俺が出てきそうだった
しかし、この即死耐性があるなら、この超うまそうな炒飯……いけるか???
ぱくりんちょ
………………………………………………………………う、うめぇ
あーーーーー、何この多幸感
やべぇ、もうダンジョン産以外のもの食べられる自信が無い
暫くは、食材はもつけれど、これなくなったらどうしよう
まぁ、鑑定に持ち込まれるよね??
その時に全部引き取るか…………
あ、気が付けば仕事の時間だ
ダンジョン産の食材こないかなーーー
……………………………………………………
……………………………………
…………………………
………………
………
それから1ヶ月…………ダンジョン産の食材がこなかった
そして案の定、ダンジョン産以外のご飯を食べようと思ったが……ダメだった
仕方が無い、食材を自身でとってくるしかない
もう食材がほとんど無い
うん、最近全能感がありふれているから、完徹しても平気になったし……まぁ全然終わらないんだけれどな
ってか1人で1000人が集めてきたものを鑑定するというのがそもそも間違っている
うん、ってことで、仕事は放り投げよう
文句来る???知るか!!!!
1日16時間ぐらい仕事して、残りはダンジョンだーーーーー
食材~~~~、食材はいねが~~~~~
お??兎ちゃんじゃぁないか??
次々と襲い掛かってくる兎ちゃん……が、無敵炒飯を食べまくった俺の敵ではない
無敵炒飯で俺の基礎スペックが上がりまくったからな
鑑定!!!!!
……肉がドロップする!???って、0.0001%ってほとんど出ねぇじゃねぇか!!!!
|S(Satiety)|P(Per)|E(Effort)(労力に対する満腹度)が悪い、悪すぎる
チョーップ
襲い掛かってくる兎ちゃんを避けながらカウンターを叩き込みながら前へ進む
階層主にスライムが出てくる
鑑定!!!!!
ほーーーん、スライム寒天がドロップ……って、0.005%って道理で俺のところにドロップ報告になかったわけだ
SPEが悪い、次だ次
お、黒い水だ、水が流れているぞ
鑑定!!!!!
って、ダンジョン産原油じゃねぇか!!!!コーラじゃないのか?
ダンジョン産のコーラ飲んでみたかったなー
まぁいい、次だ次
猪が現れた
鑑定!!!!!
猪の肉……ドロップ率は……お、5%ってそういえばコレ山ほど鑑定に出されていたけれど……確かまずいって鑑定結果にあったぞ?
パーンチ、よし、次だ次
あ、あれは林檎のなる木だ
やったぜ
ってか何で今まで鑑定に林檎が来なかったんだ?
まぁいいや、ちょっとその林檎を俺にくれぇぇぇぇぇ
ぬ??林檎の木が立ちふさがる
そうか…………そうやすやすと俺に食べられる気は無いというわけか
だが、この無駄に高い基礎スペックで乗り越えてみよう
ぬ?葉っぱカッターか
だが、この基礎スペックになすすべが無いぞ?傷一つ付かないぞ??ふははははは??……あり??
林檎の木が見当たらないぞ??
くっ、葉っぱカッターでダメージを与えるのではなく、目くらましか!?
ぬぅ、ぬかったわぁぁぁぁ
ええい、次だ次
トマトです、トマト様を発見しました
いやっふー、赤いみずみずしいトマト様です
コレはいただくしかありません
「こんにちは、はじめまして」
おっと?トマト様から挨拶がきました
なんか笑顔です
素敵な笑顔です、ヤダ何コレ、このトマト、光属性??ブラックな仕事をしている俺には何か染み渡る
食べてもいないのに
って気が付いたらトマト様に仕事の愚痴を吐き出しまくっているぅ??
コレは……食べてはいけない気に…………
次だ次
かっけー狼ちゃんがいるよ???
鑑定!!!!!
肉ドロップなし……へいへーーい、踵落し
渋いヤツはほろびた、よし、次だ次……ってやべーーー、ブラックなお仕事の時間だ、戻れ戻れーーーー
そして俺の鑑定のお仕事と、食材ゲットの為にダンジョンへ潜るそんな生活が続いた
そんなこんなでさらに1ヶ月……なんかダンジョン攻略組みをどーも追い越してしまったみたい
明らかに俺が敵を倒して手に入れるドロップ品の方がいいものだ
……ほーん??おまいらは、片手間に食材探す俺よりも階層進んでいないとはどういうこと?
どうも会話から70階層ぐらいでうごうごしているみたいなんだが……ゴメン俺もう100階層越えているわ
まぁいいや、俺は食材を探す
最近は1日で1日分の食材をゲットできるようになったから、ありがたい
階層を降りれば降りるほど、どうも美味しさが増している気がする
結構はずれもあるみたいだけれど
さーて、今日も潜りますか
1000階層を突破
まだ終わらない
ここら辺でダンジョン産牛肉をゲット
あまりの旨さに涙が出てきた
攻略組みとかいう人間は100階層を越えたらしい……頑張れ
3000階層を突破
海産物がうめーーー
アンチエイジングにも最適
ちょいと若返った
攻略組み120階層で足踏み……俺より時間あるのに……まぁいいや
5000階層を突破
ここらへんから、見た目はひどいが中身がマジうめぇ食材が出始める
これ……鑑定なかったら絶対食べようとしないものばっかりだわ
攻略組み150階層で投げた
7000階層を突破
……食材が出ない
全然でない
ドロップ率とかの問題ではなくドロップテーブルに載っていない
コレはどういうこと??やる気が……
10000階層を突破
……結局5000階層以降ドロップテーブルに食材がなかった
食べれないものばかり落ちるが、いらね
そして、どうやらここが終着点らしい
ムキムキの悪魔っぽいヤツがいる
にやにやしていやがる
…………食材が出ないのに頑張った俺を嘲笑っているのか??
まぁいいや……お前に食材が出なかった悲しみをぶつける
……………………ふぅ、すっきり
さて、この地獄っぽいところの名物は何かなー??
……ってまた、マッチョか
マッチョはいらん
次だ次
……………………食材、香辛料ばっか
って、こいつら岩食べているの???マジで???
美味しいからどうぞ???………………香辛料の味しかしねぇ………………
目からしょっぱい水が出てくるぅぅ
なんで、辛いものしか食べるものが無いの???
甘味……甘味はどこーーー
ぇ??甘味は天界にある??
今、天界と戦争をしていて、甘味を掠め取っている???
OK!!!!俺も手伝おう
俺は魔王と手を組む
ひゃっはぁぁぁっぁぁぁ、甘味ぃぃぃぃぃぃ、甘味はいねがぁぁぁぁっぁぁぁっぁぁぁ
俺の甘味タイムを邪魔しようと数々の天使がやってくる
だが、俺は止まらない
サトウキビ、ゲットォッォォォッォ
元気1000倍!!!!!
「ちょっと、そういうのやめてもらえる?」
む??その声は聞いたことがあるぞ???
確か大分前に………………そう………………思い……………………だした!!!!!!!!!
「俺をブラック仕事に突っ込ましたやつだぁぁっぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁ
おめぇのせいで俺は人間的な何かを全てなくしたぞぉぉっぉぉぉ
ど~~~~こ~~~~だ~~~~~~」
「やぁ、「くたばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぇぇ」」
後ろに急に現れた何かに対して、俺は攻撃を仕掛ける……が、ガードされる
「ちっ」
「いきなりとは酷いねぇ」
「ブラックに突っ込ましたお前に言われたか無いわぁ」
「はっはっは、無駄無駄~♪」
俺はヤツに対して連打を放つが、全て回避される
ちくせう
基礎スペックも上回られてるわ
が、絶対ぼこる、何が何でもぼこる、このブラックに突っ込まれた恨み辛みを味わわせてやる
俺とヤツの戦いは5日間にも及んだが決着はつかない
完徹5日は流石に辛い
かなり眠いぞ
気が付いたら、魔王も天使も誰もいなくなっていた
まぁ魔王は仕方が無いとして、天使もいなくなるって……
「お前…………人望無いのか?」
「神様だからね」
「………………」
「何その嘘くさいって顔…………」
「言葉狩りをしている時点でもう、器が小さいことがわかるな
うん、だから天使からの神望がないのか…………ちいせぇ」
「なっ、失敬な」
「ってか、お前神様なのか………………無能なんだな神って」
「む、むのぅ…………よりにもよって、そんなこと言う??」
「調整ミスったけど出来ないからやらないって、のたまっていたヤツどこのどいつだよ」
「出来ないんじゃないんですぅ~~、面倒なだけですぅぅぅ~~~」
「それ出来ないやつの言い訳…………無能
ってか無能、お前5日間も俺と戦い続けていたけれどさ…………仕事しなくていいのかよ??」
「無能じゃないですぅ~~、部下が有能なんで仕事なんてないんですぅぅぅっぅ~~~~」
「…………あ~あれか、一応上司だから言葉に気遣ったんだな
人間界には素敵な言葉があってだな、無能の働き者って言葉があるんだよ
無能ゆえに動くと、碌なことにならないって人間を指し示すんだが…………まさにお前だな
だから天使はお前を働かせないように頑張っているってことか……うむ、有能だな」
「………………な、何だよその目は……」
「ん?憐れみの目だよ
無能で、神望なくて、でも力はあるから周りのおべっかに煽てられて舞い上がる神とか
………………憐れみ以外でどうしろと
…………あぁ、なんかもうやる気なくした
眠いし、帰るわ
お前もアンマリ有能な部下を困らせるな………………ってちょ、…………何泣いてんだよ!?」
「む、むのぅじゃないもんぅぅぅ~~~、じんぼぅあるもん~~~~」
「まー、お前の中じゃ、そうなんだろうな、お前の中じゃ
じゃあそれでいいじゃん、んじゃ!??」
何故か回りに天使が大量にいる
あれぇぇぇ?神望ないんじゃなかったの?????
「泣~~かした、泣~~~かした、神様泣~~~かした」
天使による大合唱
綺麗な声です……でも、ごめん、俺、このノリついていけない
冷ややかな目で見ていたら、一人の天使が前へ出る
「ということで、責任とって、神様を貰ってください」
「やだ」
「な、この可愛い神様の泣き声を聞いてなにも思わないんですか?」
「強いて言うなら喧しい」
「………………貴方それでも人ですか??」
「どこぞのだれやらさんに、急にブラックな仕事に突っ込まされたんで、人をやめました」
「………………どこぞのだれやらさんに責任を取らしましょう
ってことで、神様を貰ってください」
「断る」
「………………神様は色々と凄いですよ??」
「そしたら、俺はブラックな仕事をすることはなかったでしょう?はい論破」
「………………い、いまなら、特典をつけますよ??」
「いらない」
「………………そんなこと言わずに、ね??ね??」
「不要」
「…………」
「んじゃ」
ふっ、勝ってしまった
社畜故に、ブラックだったが故に、神に勝ってしまった
「……………………ということで、一緒に残業しようぜ?後輩君」
「やですよ」
「そんな~~~、ブラックは神に勝てるんだぜ?残業しようぜ~~??」
「神に勝つ必要が無いので、ホワイトがいいです」
「ですよね~」
「大体それ、先輩の嘘でしょ?皆、噂していますよ?嘘乙って」
「嘘じゃないよーー」
「ま、僕は彼女とデートの約束がありますので、絶対に無理です、それじゃお先~」
「おつかれ~」
神との戦いから、3年、俺は公務員になる
何やら、ダンジョン課なるものが出来て、そこへ就職したのだ
やる仕事は一緒、鑑定
本当はダンジョンを閉じることも出来たのだが、
ダンジョン産の原油が欲しいということを政府の偉い人が言ったのと、俺が餓死する可能性があったので、存続
ただし管理が必要ということで作られたのがダンジョン課
ぶっちゃけるとダンジョン関連何でも屋
ダンジョンで迷ったら、迎えにいったり、観光資源として案内したりとか
その中で、ダンジョン産のアイテムを鑑定するという前と同じ仕事をしている
ただし、完徹とかいう寿命を削るようなことはなくなった
ってか、最大で2時間の残業というホワイトっぷり
公務員最高ーーー
さて、誰も待ってくれている人はいませんが、ただいま~~~っと
「おかえりなさいませ」
……………………誰だ!?もしかして、部屋間違えた??
いや、鍵開けたよな?俺の部屋だよな??うん、あっているよな??
「どちらさん」
「神様です」
「随分とちっちゃくなっているんだが……」
「ちっちゃくなりました」
「なして?」
「その方がマウントを取れるということでしたので…………」
「???」
「ってことで今日からよろしくお願いいたします♪」
「…………???どういうこと???」
「その説明は私からさせていただきます」
「うぉっ…………ってあのときの天使か
…………で、どういうこと??」
「簡単に言うと、神様が貴方のことを気に入りました
ってことで、同居を薦めてそれが承認されました」
「こっちの都合は??」
「知りません」
「いい度胸だ、こら
……ってことで出てけ♪」
「断ります
マウントはこちらにあるので」
「は?」
「独身男の住処に美少女と美女が出てくる
これが何を意味するかわかりますか?」
「自分で美少女とか美女とか言うなよ
…………って、ちょ、お前…………まさか…………」
「K察……逮捕…………拉致、監禁、誘拐
社会的に抹殺出来る立場なのですよこちらは」
「はん、防犯カメラというものを知っているか?
勝手に入ってきたのがわかるんだぞ??」
「我々は天界の住人ですよ??
そんなものはどうとでも好きに出来るんですよ?」
「な………………ん…………だ……と…………」
「さぁ、信じるのも信じないのも貴方次第
信じなくて、我々を追い出そうとして社会的に抹殺されるか
信じて、我々と同居するか…………好きに選べばいいと思いますよ」
そういえば過去に鑑定した中にそんなものが有ったような気がする
もしくは、俺が気づいていなかっただけで、実は横にいて、鍵を開けたときに一緒に入っていた??
こいつらクラスになれば、腑抜けた俺の隣にいるけれど気配を断つことぐらい造作も無い気がする
…………幼女誘拐で逮捕…………ダンジョン課が回らなくなるなぁ
……くそぅ、社畜気質が恨めしい
「OK、確かにマウントはとられているっぽいな
社会的に抹殺されるわけにもいかないから、同居を認めよう」
「わ~~い~~~♪」
「賢明な判断ですね」
こうして、俺と神と天使の同居が始まった
まぁ、天界の重要人物の接待だと思えば…………まぁ??
まぁ経費は落ちないんだけれどな
全く、鑑定は本当にブラックだぜ