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獲物に飢えた狼

「僕は、そうだねぇー......『愛の狼』、とでも言っておこうか。」



+♥+:;;;:+♥+:;;;:+♥+:;;;:+♥+:;;;:+♥+:;;;:+♥+



いっぱい殺した。

とにかくいっぱい。

学校の人たち全員。



あの『赤くなった』パーカーは、捨てた。

今までなんとなく好きで着ていた黒いパーカーは、血の色ですっかり『赤くなって』しまった。

一応ちゃんと洗おうと試みたのだけれど、なぜだか鮮やかな『赤』が洗い流されると、そのまま元の闇のような『黒』も洗い流されるかのように、また綺麗な『赤』へと戻った。


だから仕方なく、学校を出る前に、自分の椅子にかけた。

自分がいた『証』ってやつ。



でも、いつも着ていたものがないというのは、違和感がありすぎる。

だから、学校からは少し遠かったけれど、一旦家に帰ろうと思った。


二階建ての、それなりに広い家。

あいつは、まだ家にはいなかった。

その間にわたしは、制服を着替えた。

でも、『赤』や『黒』のずきんの下にはどんな服が似合うのだろう?

やはり白い服なんだろうけど、あまりなかった気がする。


クローゼットの中を見て、ため息をつく。

やはり、黒い服ばかりだ。

しょうがない、まずは服屋さんだ。



そんなわけで、いつもの黒い服を着て、街へと向かった。

あまり人通りのない場所の服屋さんへと入る。

お客さんもあまりいないお店だった。


とりあえず服に着替える前に、店員は全員殺した。

一応これから服を(もら)わなきゃいけないから、スピード勝負になってしまった。

もっとじっくり殺したかったけど、仕方がない。



とりあえず『赤い』ずきんに似合いそうな、白のブラウスと赤いキュロット。

キュロットってあの、中は短パンで外見がスカートみたいなやつ。


それから『黒い』ずきんに似合いそうな......白いブラウスはそのまま。

黒いスカートを一応選んだ。

そして『血』のついた黒い服は脱ぎ捨て、手近な黒のワンピースを着てから、服を手に持ち、外に出た。



それからおばあちゃんの好きな紅茶と、粉末タイプの『風邪薬』を買っていった。

電車で5駅ほど行ったところが、おばあちゃん家の最寄り駅。

そこから3分もしないうちに、着いてしまった。


一軒家のインターホンを鳴らしてみる。


「あら、久しぶりじゃないの!」


「うん、久しぶり。おばあちゃん。」


何の疑問も持たずに、おばあちゃんは家の中へと入れてくれた。

なにせ、家族で唯一わたしを可愛がってくれるから。


「おばあちゃん、作ってほしい服があるんだ。」


赤と黒のリバーシブルのずきん、全く同じのスカート。

スカートは難しいかと思ったけど、できるらしい。

わたしが持ってきたスカートも役に立つようだ。

その日は金曜日だったから、そのまま泊めてもらうことにした。


あの家の電話線を切っておいてよかった。

おばあちゃん家に電話がかかってくることはなかった。

日曜日には服ができたので、お礼にと買ってきた紅茶を入れてあげた。

一口飲んだ後、すぐに苦しそうにして、そのまま倒れた。


おばあちゃんは薬剤アレルギーで、どんな薬もだめ〝だった〟。

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