第5話 救出
女性が捕まっている部屋は案外すぐに見つかった。
その部屋には牢屋の様なものがあり中に人が倒れている。
「眠ってるのかな?」
牢屋に手をかけ力を込める。すると人1人が通れる隙間ができた。
女性に近づき体を揺すり、声をかける。
「大丈夫ですか?」
すると、女性はすぐに起きて
「んぅ??…っ!だ、誰ですか?」
「いや、怪しいものじゃないんだけど。一応、君を助けに来たのかな?」
「た、助かるんですか!でも…男達は?」
「ああ、彼等はもう居ないよ。それよりも、君もしかして日本人?」
「は、はい。そうですが。そういえば、ここ何処なんですか?」
「ここは多分異世界…かな?」
「い、異世界ですか?」
「うん、説明は後でするから。ところで君はどうやってここ来たのかな?」
「それは…」
話によると、彼女は放課後教室にいて帰ろうとした矢先、床に魔法陣の様なものが現れて光り出したそうだ。そして、気づいたら森にいて、人里に向かおうとしていたら男達に捕まってしまったらしい。
「それは大変だったね。」
「はい…でも、もう大丈夫です。助けて頂きましたし。」
「そう?ならいいんだけど。」
あ、そうだ。異世界ってこと知らなかったんだからステータスも知らないんじゃないかな?
「あの、突然で悪いんだけどさ。ステータスって言ってもらってもいいかな?」
「ステータスですか?…!なんですか、これ?」
「それはステータスって言ってこの世界での君の能力が書いてある板の様なものだよ。少し見せてもらってもいいかな?」
「は、はい。」
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【種族】
普人族 (異界人)
【名前】
高嶋静乃
【ユニークスキル】
料理人
【スキル】
短剣術
弓術
千里眼
鑑定
偽装
言語翻訳
【称号】
異界からの訪問者
巻き込まれし者
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「ユニークスキルが料理人?」
「趣味が料理なのでその影響だと思います。」
「なるほど、じゃあ弓術も?」
「はい。弓道部に入っていて。」
「へぇー、それじゃあ鑑定と偽装は?」
「それは…分かりません。」
「じゃあ調べてみようか。」
・鑑定・・・人や物を鑑定する。鑑定すると対象の詳細が分かる
・偽装・・・鑑定された時の情報を偽装する事が出来る
「えっと、思い当たる節は無いです。」
「そうかぁ。じゃあ次は称号を調べてみようか。」
・異界からの訪問者・・・異世界から来た者に贈られる称号(スキル 言語翻訳を覚える)
・巻き込まれし者・・・召喚された者の近くにいた為に巻き込まれてしまった者に贈られる称号
「召喚ってもしかして。」
「多分、床に現れた魔法陣だと思います。」
「だよねぇ。でも巻き込まれたってことは、他の人も来てるんだろうね。」
「そうですね。」
「あれ?あんまり気になってない感じかな?」
「まぁ、話した事の無い人達でしたので。」
「ふーん、そっか。ところでさ、これから少しやりたい事があるだけど、着いてきてくれる?」
「え?わ、分かりました。」
「じゃあ行こっか。」
そう言いつつ牢屋を後にした。
ようやく日本人が出てきましたね。
彼女は今後の仲間になります。
次回は遂に街に到着しますよ!