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第30話 観光

遅くなりました。

温泉から出て部屋に戻るとまだミルは寝ていた。


「おかえりなさい。ラセツさんは大丈夫でしたか?」


シズノもラセツが温泉の事を知らないであろう事に気づいたらしい。


「うん、大丈夫だったよ。温泉に飛び込んだけど幸いにも人は居なかったし。」


「そうですか、ならよかった…今、なんて言いました?」


「温泉に飛び込んだけど人が居なかったから大丈夫だったよ。」


「あの…それだと一緒に入ったように聞こえるのですが…」


シズノが恐る恐るといった感じでそう言う。


「うん、入ったよ。流石にラセツを1人にするのは心配だったからね。」


「おいおい、俺だって1人で温泉くらい入れるぞ。」


「えー、体も洗わないで入ろうとした癖に?」


「それは最初だったからだよ!」


ラセツとくだらない言い合いをしているとシズノが急に肩を掴んで来た。


「な、何をしているんですか!ラ、ラセツさんと一緒に入ったと言うことは混浴の方に行ったという事ですよね!?」


「そ、そうだけど…どうしたの?」


び、びっくりした〜、急にどうしたんだろう?


「そうだけど、じゃありません!確かここの混浴はタオルは禁止ですよね?」


「うん、そうだよ。」


「いいですか!?男は皆、獣なんです!唯でさえシルは美人なのに裸でいたりしたら襲いかかられちゃいますよ!」


シズノがすごい剣幕で怒ってる。

正直怖いです…


「え、いや襲いかかられてもぶん殴っちゃえば良くない?それにラセツもいるし…」


「そういう事ではないんです!それにラセツさんだって男なのですから獣なんですよ!」


「ん?俺は妖鬼だぞ、獣じゃあない。」


「ラセツさんは黙ってて下さい!!」


あ、ラセツが怒られてタジタジになってる。

ふふっ、魔王が一般人に怒られてやんの!


「シル!なんで笑ってるんですか!」


うっ…私に矛先が向いてしまった。


「ご、ごめんなさい…」


そのままミルが起きるまでお説教は続き、もう2度と混浴には行かないと言うことを約束して何とか怒りを収めてもらえた。


そして今は甘味処にいる。私達が店についた時はお昼頃だったのだが既に5人近く並んでいた。

お昼頃に餡蜜を食べるのはどうかと思うだろうけど、私は餡蜜が食べたい。他の皆も賛成してくれたので大丈夫だろう。

そんな事を考えているうちに私達の順番が来たようだ。


餡蜜を5人前頼み、少しすると美味しそうな餡蜜が来た。アイスクリームは無く、寒天に粒餡と果物が乗っていて蜜をかけるというシンプルな物だが美味しそうだ。


ラセツとミルは不思議な物を見る様にしていたが私とシズノが食べ始めるとそれに習って食べ始めた。


「お、この黒い変なの木の実より甘くて美味いな。」


「甘くて美味しいですね!」


「それはアンコと言うものです。小豆という豆の一種を加工したものなんですよ。」


そんな話をしながら次々に餡蜜を口に運ぶ。

この世界に来てから初めてアンコ食べたけどやっぱり美味しいなぁ。どっちかと言えばこし餡派だけど餡蜜には粒餡が合うね。


「そういえばラセツさんはなんでこの街に来たんですか?」


「3日前の夜中にこの近くの森で大きな魔力を感じたんだよ。」


ん?私も3日前の夜中に眠れなくて森に散歩に行ったっけ?


「大きな魔力ですか?」


「ああ、その魔力を出してる奴と闘いたくてこっちに来たんだが、俺が着いた時には森の奥の方が破壊されているだけでそれをやった奴には会えなかったんだよな…」


そういえば散歩の途中でゴブリンの村らしいの見つけて焼き払ったんだよね。一応、音が街に聞こえないように防音の結界張ったけど大丈夫だったかな?


「そうだったんですか…」


「まぁ、シルヴァと闘えたのはラッキーだったけどな!」


うーん、もしかしなくてもラセツが来た原因って私なんじゃ…

まぁ、いいか。この事実を知っているのは私だけだし、バレなきゃいいんだ!


「シル、どうかしたんですか?急に頷いたりして。」


「え?いや餡蜜美味しいなーって思ってね。」


「確かに美味しいですよね。昔の勇者のお陰ですね。」


「そうだね。」


あぶない、あぶない…怪しまれるところだったよ。話題を変えなきゃ


「あ、そういえばこれからはラセツも一緒に来ることになったからね。」


「え、そうなんですか?」


「おう、よろしくな。」


「戦闘狂だと聞きましたが大丈夫なんですか?」


「シルヴァとやり合えるんだから他の奴らとはやらなくても大丈夫だ。」


「はぁ…言っても無駄でしょうけど程々にして下さいね。」


「おう、任せとけ!」


「鬼さん一緒に来るんですか?」


「そうだぞ、ちびっ子。」


「む、ミルはちびじゃないです!」


「そうか?」


「そうです!ミルは9歳だからもう大人なんです!」


え、ミルって9歳なの?7歳くらいだと思ってた…

ステータスには年齢とかは書かれてないから気づかなかったな。

それにしても9歳の割には少し小さい気がする…もう少しご飯を食べさせた方がいいのかな?


「そうなのか?よろしくな、ちび!」


「むー!ちびじゃないです!」


うん、ミルとも上手くやっていけそうだし良かったかな?


餡蜜を食べ終わった後はゆっくり観光をする事になった。歩き回っている途中に巡回中らしき騎士に話しかけられ、銀髪で黒のドレスを着ている女性を知らないかと聞かれたが何とかバレずに済んだ。


広場の様なところに行くと人だかりが出来ていたので近くに寄ると、なんとエリスが居た。

どうやら怪我をしている人達を治療しているらしく邪魔にならないようにその場を離れた。エリスと目が合った気がしたけど気のせいかな?


色々と回り少し暗くなってきたところで宿に戻りダラダラしていると


コンコン


「すみません、聖女様がお客様にお会いしたいと仰っているのですが…」


エリスが?どうかしたのかな?


明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

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