第29話 新たな仲間
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皆様これからもよろしくお願いします。
ミルが泣き始めてからおよそ10分、ようやく収まってきたと思いのぞき込んで見るとどうやら泣き疲れて寝てしまったいみたいだった。
ミルをゆっくり離して布団に寝かせる。風邪をひかないように毛布をかけてからシズノの方に向く。
あれ?何の話してたんだっけ?
「甘味処にいきませんか、という話をしていましたよ。」
おお、流石シズノ!私が言いたい事を分かってるね。
「でもミルが寝ちゃったし先に温泉入ってきていい?流石に2日間も寝てたから汗を流したいし。」
「あ、俺も汗を流してぇな。」
「それじゃあ私は待っているので行ってきて下さい。ラセツさんも行ってきて大丈夫ですよ、旅行券は4人まで大丈夫だと女将さんが言っていましたので。」
へぇー、妖鬼はラセツって名前なんだ…ってそうじゃない!普通に溶け込んでるけどなんで拘束が外れてるのかまだ聞いてなかった!
「シズノ!なんで妖鬼の拘束が外れてるの!?」
「それはですね、シルが倒れている原因を教えてくれる代わりに拘束を解いてくれって言われたので解いちゃいました。」
解いちゃいましたって…シズノ、危機感とか無さすぎじゃない?相手は仮にも魔王なんだよ?
「危ないとか考えなかったの?」
「えっと、その、拘束されてる時にラセツさんの角をミルが掴んで振り回していて少し可哀想だったのもありますが、シルが心配だったので…」
…ミル、多分魔王の角を振り回したのは世界でミルが初めてだと思うよ?
それに流石に私も可哀想だと思う…
「そ、そうだったんだ。大変だったね…」
「ああ、俺もあんな事をされたのは初めてだったぞ…」
微妙な空気になったので温泉に行くことにした。
服は勿論着替えてある。
「ところでよ、オンセンってのは水浴びとは何が違うんだ?」
「ん?妖鬼はお風呂に入った事ないの?」
「おう、いつも水浴びはしてたぞ。それと俺はラセツでいい。」
「そうだったんだ、よろしくラセツ。私もシルヴァでいいよ。」
さて、それじゃあ温泉の入り方とかも分からないだろうしどうしようかな?
あ、そういえばここは混浴があるらしいからそっちに行けばいいのか。
「よし、じゃあ着いてきて。私が温泉の入り方を教えてあげよう!」
「おお!ありがとな!」
混浴は脱衣場は別なので一旦別れて中で落ち合うことになった。一応、脱衣場の使い方も説明したら案の定使い方を知らなかった、まぁ今までこういう施設を使う事は無かったらしいので仕方ない。
混浴は大きな露天風呂のみだった。ラセツはまだ来ておらず先に体を洗う事にした。
石鹸は意外としっかりしており、ちゃんと汚れも落ちてスッキリする。
体を洗い終わるとようやくラセツが来た。
「遅かったね。何してたの?」
「厠に行ってた。」
かわや?ああ、トイレの事か。
「そうなんだ。じゃあ私は先に行ってるね。」
「ん?俺も行くぞ?」
そうだった、何も知らないんだった。
「湯船に浸かる前にまずは体を洗うんだよ。」
「そうなのか?」
「うん、この石鹸をよく泡立ててから体を洗ってね。」
「おう!」
なんか心配だな、終わるまで付き合うか…
案の定、石鹸が目に入り騒いだり背中を洗わなかったりしたので時間はかかったけど何とか洗い終わった。
「体を洗っただけなのに疲れた…」
「?そうか?それより早くオンセンに行こうぜ!」
「ラセツのせいで疲れてるんだけど…あ、あと温泉には飛び込まないでね?」
「分かってるって!」
ラセツはそう言って先に進んでいく、そして
ドボーン!
「ぷはぁ!おお!これは気持ちいいな!」
「ラセツ!飛び込んじゃ駄目って言ったじゃん!」
幸いにも他の人は居なかったから良かっけど…さっき言ったのに!
「そうだっけか?」
この野郎聞いてなかったな!?
「言ったの!」
「まぁ、いいじゃねーか。それよりよ、シルヴァって魔王なんだろ?何時からなんだ?」
「え?うーん…何千年か前かな?一番最初の魔王だしね。」
実は昔の事は少しだけなら分かる。記憶があるって言うよりも情報として知ってるって感じだけどね。
「はぁ!?嘘だろ!?」
「本当だよ、ほら。」
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【種族】
吸血鬼(始祖)
【名前】
シルヴァ
【ユニークスキル】
覇者の威圧
【種族スキル】
魅了
超再生
血液魔法
霧化
【スキル】
覚醒
無詠唱
痛覚無効
双剣術
体術
言語翻訳
見切り
【称号】
・最初の魔王
・魔導を極めし者
・転生者
・毒草に愛されし者
・仮面の英雄
【所持奴隷】
・ミル
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あ、スキルが増えてる。
見切りかラセツと戦った時に増えたのかな?
「おいおい、マジじゃねーか…」
「だから言ったじゃん。」
「ああ、ところでよ。この毒草に愛されし者ってなんだ?」
「それは聞かないで…」
「お、おう。」
「私も見せたんだからラセツも見せてよ。」
「いいぜ、ほらよ。」
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【種族】
妖鬼
【名前】
ラセツ
【ユニークスキル】
死合い
【種族スキル】
妖術
怪力
【スキル】
覚醒
刀術
大剣術
槍術
体術
魔闘術
気合い
【称号】
・魔王
・脳筋
・戦闘狂
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「す、すごいね…」
完全に近接戦闘向けだね。称号にも脳筋ってあるし…
ん?この妖術ってなんだろ?
「ねぇ、この妖術って何?」
「これか?あんまり使ったことねぇんだよな。」
ラセツはそう言いながらスキルを調べる。
・妖術…魔力とは異なるエネルギーである妖力を使用し魔法と類似した術。
「魔法に似たようなものなんだ。」
「魔法かぁ、俺はコマけぇ事は苦手なんだよな…」
まぁ脳筋らしいしね。
そうだ、いい事考えた!
「ねぇ、私達と一緒に来ない?」
「は?何でそうなる?」
「あのね、私がラセツに魔法を教えてあげるから代わりにラセツが私に武術を教えてくれない?それに一緒に来たらいつでも私と闘えるし楽しいと思わない?」
「いつでもシルヴァと闘えるのか…いいなそれ!」
「よし、決まりね!これからよろしくね!」
「おう!よろしくな!」
こうして、この世界最大級の戦力である2人が仲間になったのであった。
今年の更新はこれが最後になります。
来年も「魔王だからって侵略も虐殺もしませんよ?」をよろしくお願いします。
 




