第19話 勇者②
予約投稿が何故か9時になっていので慌てて投稿しました^^;
今回は少し短いです。
私達は今王都の外に来ている。
何故なら、決闘だ!とか言ってきた神崎とかいう男が
「僕が全力を出すにはここだと危険すぎる」
とか言って勝手に移動を開始したせいだ。
因みに最初はついて行かないで帰ろうとしたのだけれど、一緒にいた橘という女の子が
「すいません、ソウ君思い込みが激しくて…多分、決闘をしないと付きまとってしまうので今回だけでもどうか付き合ってあげてください。」
と言ってきたから仕方なく決闘することになった。
流石に付きまとわれるのは嫌だし…
「おい!聞いているのか!?」
「ん?ごめん聞いてなかった。」
「このっ!僕が勝ったら高嶋さんとその子を解放しろと言ったんだ!大体、お前みたいな男と高嶋さんは釣り合わないんだよ!」
私とシズノが釣り合わない?何を言っているんだ?
あと私は外見上は女だ、フードを被ってるから分からないのかな?
「そんな事はいいからさっさと始めよーぜ!そっちのフードは何をかけるんだ?」
「かけるものじゃなくて私が勝ったら夕食奢ってくれない?」
「それでいいか?」
「ゆ、夕食?まぁいいけど…」
因みにこの決闘の見届け人は野次馬にいた適当な冒険者に頼んでいる。
「それじゃあ開始!!」
「来い!聖剣!!」
神崎がそう叫ぶと剣身が金色の剣が出てきた。
なんかあの剣、嫌な感じがする…
黒帝を構えて警戒する。
「行くぞ!光の矢!」
光の矢が飛んでくるがそれを叩き斬る。
その隙に神崎が斬りこんでくるがそれをいなして距離をとる。
「なかなかやるな」
その言葉には返さずに剣を構え直した。
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辺りを静寂が包み込む。
野次馬達が注目する中、2人が動いた。
剣がぶつかり合い火花を散らす
勇者と魔王の闘いはもはや一般人の目には映ることのない次元の速さだった。
10分くらいたった頃ようやくシルヴァが口を開く。
「その程度なの?」
「っ!ま、まだまだだ!」
神崎はそう言うが汗が吹き出て立っているのも辛そうだ。一方、シルヴァは汗もかいておらず、涼し気な表情で神崎を見ている。
「もう終わりにしない?立ってるのもやっとみたいだしさ。」
「う、うるさい!こうなったら!聖剣解放!!」
神崎の身体を白い光が包み込み、剣は黄金に輝く。
急速に剣身に魔力が集まり剣の輝きが増していく、それと同時に神崎の身体を包み込んでいた光も剣に流れて行く。
「ソウ君!それは使っちゃ駄目!!!」
橘の静止を聞かず神崎は件に溜まった全てのエネルギーを放出する。
「エクス、カリバー!!!」
光の奔流がシルヴァを襲った。
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「エクス、カリバー!!!」
うわっ、これヤバくない?避けたら野次馬達に当たっちゃうし、防ぐしか無いかぁ、痛そうだなぁ、嫌だなぁ。
あ、でもスキルのお蔭で痛みが無いんだった。これならいける!…多分!
「魔法障壁!」
魔力で障壁を作ったけど…もう壊れそうなんだけど…
そうだ、腕に魔力を集めてっと、よし!これでさっきの障壁よりは防御力が上がったな、あとは耐えるしかない!
「うおおぉぉぉ!!!」
少し時間が経ち光が収まってきた。
「耐えきったーー!」
いやー、危ないところだった。
うわ、腕が1本無くなっちゃったよ…肩の近くは炭化してるし…本当に痛覚無効があって良かった。無かったらどうなっていたかな?考えただけで恐ろしい。
「シル!大丈夫ですか!?」
「ジルねぇ〜!!だびじょうぶですがぁ〜!!」
あ、シズノ達だ。ミ、ミル?涙と鼻水で顔が凄いことになってるんだけど…
「ちょっと!う、腕が!大丈夫なんですか!?」
「ジルねぇ〜〜!!」
「うん、すぐに治るよ。だからそんなに心配しないで?ミルも、私は大丈夫だからね?」
そう言っている間にゆっくりだけど腕が生えてきた。なんか逆再生みたいで気持ち悪い。
野次馬達には見えないようにしないと。
「神崎め、絶対に許さない…」
「えっぐ、えっぐ、ひっく!」
シ、シズノさんが怒ってらっしゃる…このままでは神崎が死んでしまう…
「まぁ、落ち着いてよシズノ。私も無事だったんだしさ!ところで決闘はどっちの勝ちなの?」
「あ、ああ。あっちの男が気絶してるみたいだからあんたの勝ちだぞ。しかし、お前さん大丈夫なのか?」
「勿論!ぴんぴんしてるよ!」
「それならいいんだけどよ…」
「とりあえず帰ろうか。ローブも駄目になっちゃったし買い替えないとね。」
あ、そうだその前に
「橘さん?そっちは大丈夫?」
「はい、気絶しているだけなので大丈夫です。それよりもシルヴァさん、本当に申し訳ありませんでした。怪我はありませんでしたか?」
「決闘だったんだししょうがないよ。怪我も大したことないからすぐに治るし、それよりも今夜の夕食期待してるからね!」
「本当にすいませんでした。夕食はソウ君の全財産を使って美味しい物を用意しますね。それで夕食の前にお迎えに行きたいのですが…」
「私達は〈竜の息吹亭〉に泊まってるよ」
「分かりました。それではまた夜にお会いしましょう。」
「うん、じゃあね。」
なんとか無事に決闘を終わらせ宿に帰るのであった。




