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第18話 勇者①

途中にシズノsideがあります。

宿に戻ると案外時間がかかっていた様でもう19時を少し過ぎていたため夕食をとった。

部屋に戻ると改めて新調した武器を見る。


「それにしてもこの剣は手に馴染むなぁ、前まで使っていた物とは大違いだ。」


「私はもう少し慣れるのに時間がかかりそうですが、一々矢の心配をしないでいいのは助かります。」


「そう言えば短剣は買わなかったけど大丈夫なの?」


「はい、この短剣はまだ使えますしこの弓を買って貰ったので十分です。」


「それならいいけど…ところで明日はどうする?」


「明日はお休みにしませんか?1週間移動し続けたのですから。」


それもそうか…私は大丈夫だとしてもシズノ達は疲れが溜まっているだろうからね。


「そうだね、明日は休みにしよう。じゃあこれ」


シズノに金貨1枚を渡す。これだけあれば明日は1日遊べるだろう。


「えっと、これは?」


「明日1日宿にいる訳ではないでしょ?外に出たら何か欲しいものがあるかもしれないからね。」


「あ、ありがとうございます。その、シルは明日は何をするんですか?」


「そうだなぁ…明日はお昼まで寝ちゃおうかな。」


何時もは早く起きてるからこんな時くらいはぐっすり眠ろう!


「そうですか…」


あれ?なんか一瞬シズノの顔が恐ろしく見えたんだけど…気のせいか!


「じゃあ私はもう寝るね!おやすみ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜〜シズノside〜〜


王都に着いた次の日、私とミルは王都の観光をしています。

フェステよりも活気があって楽しいですね。


「ミル、そろそろ休憩しませんか?朝から色々なところを見て回って疲れているでしょう?」


「はいです!」


近くに丁度よくテラスのある喫茶店があったのでそこに入る事にしました。


「いらっしゃいませ!生憎、店内は埋まっていてテラス席なら空いているのですが大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫です。」


「ではこちらです。」


席につくとメニューを渡された。意外と種類が多い…

中には日本にいた時にも食べたことのある食べ物もある。


「私は珈琲とパンケーキをお願いします。」


「珈琲とパンケーキですね。」


「ミルはアープのジュースとパンケーキがいいです!」


「え、えっと」


「大丈夫です。」


「わ、分かりました。珈琲とアープのジュースとパンケーキが2つですね。少々お待ち下さい。」


やはり奴隷の扱い方が一般の方とは違うようで今日だけで3回はお店の方に変な物を見るような目で見られてしまいました。


幸いミルはそれに気づいてないから大丈夫ですが、やはり奴隷から解放した方がいいのではないでしょうか…

そんな事を考えていると頼んだ品が出てきました。


「シズねぇ!美味しいですね!」


「そうですね。ところでそのアープのジュースとはどの様な味なのですか?」


「飲んでみていいですよ!」


ミルがコップを差し出してくれた。1口飲んでみるとリンゴジュースと同じ味がした。


「なるほど、アープとはリンゴなのですか…」


「ミルもシズねぇの飲んでるやつ飲んでみたいです!」


ミルが珈琲を?


この世界では砂糖は高いので勿論この珈琲にも入っていません。


大丈夫でしょうか?


「えっと苦いですよ?」


「ミルは大人ですから大丈夫です!」


そう言って口をつけたミルですが


「けほっ、けほっ!苦いですぅ」


「だから言ったじゃないですか。」


やっぱり駄目だった様ですね。

ミルが口直しにアープのジュースを飲んでいると


「高嶋さん?高嶋さんだよね!良かった!無事だったんだね!」


そう叫ぶ声が聞こえてきた。

声が聞こえてきた方向を向くと神崎颯汰かんざきそうた橘楓たちばなかえでがいた。


「神崎君と橘さんではありませんか。お久しぶりです。」


余り関わりのない人達だがこちらの世界では数少ない顔見知りなので一応挨拶はしておく。


「お友達なのです?」


ミルがそう聞いてくる。


「ええ、一応。」


一応クラスメイトだし友達の範疇よね?


「そうなんですか!こんにちは!ミルです、シルねぇの奴隷です!」


ミルは上手く挨拶を出来て満足気な顔をしていますが少し不味いかもしれませんね。


「ど、奴隷って?それにシルねぇ?」


「あの、一体どういう事何でしょう?」


「シルはミルの主人で今私が一緒に行動している仲間です。」


「だ、駄目だ!!」


「一体何が駄目なのでしょうか?」


「な、何が駄目って、そんな小さな子を奴隷にする奴と一緒にいたら駄目だ!そうだ!その子と一緒に僕の所に来なよ!今、僕は勇者をしているんだ。高嶋さんとその子を養うのは簡単だから!」


はぁ、やっぱりこうなりましたか…


奴隷と聞くと日本人としてはやはり抵抗がありますし、正義感の強そうな彼なら尚更でしょう。


私も最初奴隷にされそうになった時は頭が真っ白になりましたし…


それにしても勇者を とは何のことでしょうか、それは気になりますがとりあえず…


「嫌です。」


「な、なんで!?まさか…そのシルって奴に弱味を握られているんじゃ…」


なんですか弱味って…どう考えたらその結論に至るんですか…


「おーい!シズノー、ミルー」


何でこういう時にシルは来るんでしょうか…


ハァ…大事にならなければいいのですが…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜〜シルヴァside〜〜


「うぅーん、今何時だ?」


今日は誰にも起こされることなくぐっすり眠れたな…


「もう12時か…シズノとミルはまだ外にいるのかな?」


私も外に行こうかな…お昼も食べたいし王都の観光もしてみたい。


「よし、行くか!」


その前に顔を洗って、着替えなきゃな。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今はお昼時だし、多分飲食店の多い方にいるだろう。

それにしても人が多いなぁ…ん?あそこに人だかりがある。なんだろう?


「なんで!?まさか……」


男女の言い争いか…ん?あれってシズノじゃないか?ミルもいるし間違いないな。


「おーい!シズノー、ミルー」


手を振りながら2人に近づくとシズノにため息をつかれてしまった。


「え、どうしたの?」


「シルねぇ!この人達シズねぇのお友達らしいです!」


友達?ああ、もしかして一緒に召喚された人達かな?


「お前がシルか!高嶋さんとこの子を解放しろ!!!」


「はい?」


か、解放って何のこと?

それにいきなりシルって馴れ馴れし過ぎじゃない?


一応、シズノの知り合いだしここはやんわり聞き返そう。


「あの、解放とは何のことですか?それに私はシルヴァと言うんですが初対面の方にシルって呼ばれるのはちょっと…」


「お前が高嶋さんの弱味を握って脅してるんだろう!」


脅してるって何のこと?話が見えてこないんだけど…


「どういう事ですか?」


「まだ認めない気か!こうなったら決闘だ!僕が決闘に勝ったら高嶋さん達を解放しろ!!」


えぇー、この人、人の話聞かなすぎじゃない?

しかもこっちに来て2回目の決闘なんだけど…


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