主人公の始まり始まり
プロローグだけでは短いので1話も投稿します。
誰か読んでくれるかな?
この世界では魔法、冒険、魔物、騎士、魔王、勇者っていうようなものが童話の中だけでなく、ちゃんと実在するらしい。
でも無いね。
いや、あるんだろうけどさ。
ここには無いのよね。
自分が住んでいる村は大陸の外れ。
数えるほどしか人がいない村で
1年に1度魔物が出れば良い方ののどかな村で僕はいつも田畑を耕していた。
大きい都市とかだと冒険者がいて、
魔法とか使って、
魔物とか狩って、
ギルドとかで評価されてランク上がっちゃったりして…
あるところにはあるらしいんだ。
ここには無いのよね。
少しだけ不幸自慢をさせてもらえると物心つく頃には父親は居ないものだと教えられ、
実の母親も僕が9歳になる頃には「あー…」とか「うー…」としか喋れない状態だった。
困ったもんだ。
そのせいというかなんというか、今養って貰ってるのが母親の姉である叔母になったわけなんだけど。
なんとこの叔母、この村の村長である。
そして叔母村長曰く、
「お前と母親の面倒見てやってんだから私に貢ぎな。さもなきゃ村を出て行くんだね。」
ということである。
こんな素敵な叔母に養ってもらって私は幸福です。チッ やったね!
他の子供達が遊んでいようが何のその。
田畑を耕す、耕す、たがやす、たがや、たが・・・やす・・・
そう、僕は叔母のために働く家畜、つまり 叔母畜よ 叔母畜。うん 響きが最悪だ。
その日、その日を生きるために必死に働いていたら叔母畜歴5年のベテランになっていた。
給料はないが、やりがいしかない仕事です。
うん・・・泣いてないんだから・・・
だが僕には夢が! そうです皆さん!夢があるんです!!!
こんな村でも唯一の楽しみが、たまに来る商人や旅人の噂話になる。
その中でも興味が引かれた話が冒険者になれば、魔法を使えるようになったり、ドラゴン狩って一攫千金も夢じゃないんだってさ・・・!冒険者パネェ!!!
もう少し大きくなったら母親をこんな所から連れ出してもっと大きな都市で冒険者になって、
稼いで稼ぎまくって、なんとかいい医者みつけてお母さんを治してもらって、
そして魔法とかで龍とか倒して、可愛い女の子達にちやほやされて・・・うふふ
「お、いいとこにカモはっけ~ん~!よぉ、叔母畜」
「うわっ。まだ村にいたんですね。 叔母畜のクセに」
「オデ ニク スキ ヒト タベルノ スキ」
そして絡まれて。
誰だ!人の妄想を邪魔するやつは!
畑でこんなに真面目(?)に働いているのに。
オチオチ夢も見てられない。世知辛いね。
「おぃ、聞いてんのか?」
うむ、やばい、
主人公はいつあらすじの設定に辿り着くのだろうか?
他の作者様の凄さが分かる。