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仲直り?利害関係?

「僕は化け物じゃない」


ふー。駄目だね。最近怒りっぽくて。

変な女の人に勝手なことを言われただけじゃないか。

僕は化け物じゃない。


「訂正してください。僕は化け物じゃない」

「ふむ、まず確認したいのだがキミは怒っているということでいいんだろうか?」

「ふざけてます?」

「私なりの真面目で話している。他の人からよくふざけているとは言われるが真面目なんだ。まずそこから話をさせてくれ」

「人のこと化け物呼ばわりしといてよくそんなことが」

「そこだ。別にキミを侮蔑するような意味で使ったわけでもキミをからかう意味で使ったわけでも何かしらに悪意をもって発言しているわけでは無いのだよ」

「はぁ?」

「うん。だから。あーこれだから会話が面倒くさい。化け物と言ったのは一般人から見たらそういう定義になるんじゃないかと私なりに出来るだけ分かりやすい言葉を選んだつもりなんだ。キミに私から見た今現在の状況を出来るだけ分かりやすく」

「結局は僕が人間じゃないってふざけたこと言ってるだけじゃないか!」

「あー、あー。疲れてきた。こういうときはどうすればいいんだっけ?あーそうだ謝罪だ。私自身キミを怒らせるつもりが無かったんだがもし何か傷つけるようなことを言ったのだったらごめんなさい」

「あ、いや、その。僕もごめんなさい。カッとなっちゃって。でも僕は人間なんだ。今はこんなんでも元々は人間なんだよ」


やばい。本当頭冷やさなきゃ。難しいこと言ってるけどようはさっきのことに対してちゃんと謝ってくれたし。


「人間か。人間をベースにしたときどうやったらこのような構造に出来るのか私の専門分野と違うので詳しくまでは分からないが興味深いな。やはりここが異世界だと認識するべきか」

「あのー、異世界ってどういうこと?」

「あー、なんというかここじゃない遠いところから無理やりこっちに来てしまった感じかな?とにかくもしキミのそれがやはり病気なら人里らしきものを探すのがやはり一番いいのだろうな」


異世界、遠くから、なんか昔に呼んだ英雄伝説のおとぎ話に出てきたような...


「多分この山を下りたら人がいると思う。この前人がここを歩いてきたから」

「それでは一緒に行こうか」

「えっ?」


そう言って彼女は手を僕に伸ばしてきた。


「キミの病気を治すのだろう?そして私は今の状況を認識するためにこの世界の住民からも話が聞きたい。でも山の下り方が分からない。案内してくれ」

「いや、でも、僕化け物に見えるんでしょ?やっぱり怖くないの?」

「先ほども言ったがキミの今の外見よりもっと酷いものを見てきて慣れている。怖い怖くないと言っていたら研究者などやってられん」

「研究者って何?」

「研究者とは世界のためという大義名分のもと、自分の趣味を楽しむ者達のことだ」

「最悪じゃないか!」

「あー、また正直な私の意見を言ってしまった。世間一般的な建前を忘れていた」


さっきから話してて分かったことだけど。

この人僕以上に人と話すのが苦手なんだ。

どんな生活してたんだろう。


「そういえばキミの名前を聞いていなかった。こういうときは相手の名前を確認しなければいけないんだろう?」

「名前?僕の名前?」

「そうだった。自分の方から名乗るのが礼儀だった。私は高橋だ。下の名前は存在すると面倒なので切り捨てた。よろしく」

「よろしく、えっと名前・・・」

「どうした?もしかして無いのか?」

「いや、ちゃんと母さんから貰ったはずの名前が」


あれ?なんで思い出せないんだ?

僕の名前、僕自身の名前。


「彼の名前は『霞の化け物』(ミスト・フリークス)だよ。賞金のかかった化け物さ」


そう男の声が聞こえた瞬間。

僕の体を炎の剣が貫いた。

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