Case1-4+返
かなり前回から間が空いてしまいました汗
またここから頑張ります。
少年が自殺屋に出会って半年。
遂にいじめは暴力へと姿を変えた。
「お前うざいんだよ!」
人気の無いところに呼び出され、突然胃に強い衝撃を受けた。
圧迫された胃は中身を全て外に押し出した。
嗚咽を洩らしながらうずくまる少年を更に追い詰めるようにクラスメイト達は暴力を続ける。
指一本すら動かせない程弱った少年に、残酷な言葉が投げつけられた。
「お前なんか死んじまえ!」
そして、煙草の火が容赦なく少年の手に襲いかかる。
少年は泣き叫ぶことなく歯を強く食い縛った。
こんなに辛い思いをしてまで
なぜこんなにも生きようとしているのだろうか
本へと向かっていた少年の意識は
一気に元の考えへと引き戻された。
もう死んでしまおう
自分が死んで悲しむ人など
たかが知れている。
こんな苦しみに耐えて生きるのは
馬鹿馬鹿しいことだ。
少年は荷物も持たずに学校を飛び出した。
まだ全身が痛む。
それでも少年は探した。
自分の死に場所を。
「…あ」
歩いている途中で、ポケットの中の冷たい感触に気付いた。
「…返しにいこう」
自殺をするときには返す必要がないとは言われたが、なぜか少年は返しに行かなければならないような気がした。
それに、彼にならば死ぬことを告げてもいいように思った。
一度は引き留めてくれた彼にだけは。