Last Case-4+自殺屋
「ただいま」
「おかえり。遅かったわね。どこに行っていたの?」
「……わからない」
「え?」
「でも、なんだか凄く胸のつかえが取れた気分なんだ。……母さん。俺、ちゃんと生きるから。母さんと親父に辛い思いはさせないから」
どうか生きて下さい。
私のような後悔をして頂きたくありません。苦しみに負けそうになったなら立ち止まってください。少しだけ休んでください。
休むことは罪にはなりません。
それを咎めることは誰にも出来ません。
ですが、そこで終わらせないでください。必ずまた立ち上がって前を向いてください。
人間は誰でも皆弱いものです。それでも、生きることは出来る筈なのです。生まれてきたということは、生きる権利を持っているのです。
どんなに苦しくとも、それを越えた先には必ず何かがあります。
生きることを辞めないでください。決して諦めないでください。
もしも貴方が地に伏してしまったならば、一人で立ち上がれなくなったなら、私が立ち上がるお手伝いを致しましょう。
生きることが辛くなったのなら、自殺をなさる前に少しだけこの店を思い出してみてください。
私は貴方の力になりましょう。
ああ、いらっしゃいませ。
此処は自殺屋です。
私ですか?
私は、自殺屋の店主です。
自殺をするのですか?
Last Case+end
今までご愛読ありがとうございました。
これからも小説を書いていきたいと思いますので、こんな作者ですがよろしくお願い致します。