Episode1「少女」
日曜日の朝になった。今週は夏休み明けだったので、いろいろな行事があり疲れていたので、この日曜日は体を休められる絶好の機会だった。
そして、目が覚めた俺の前に。一人の少女が座っていた。え? こいつが誰かって? そんなん知るか。俺が聞きたい。
少女の特長は、そう、とにかくきれいだ。美人とかそういうのではなく、きれいなんだ。まるでアニメやマンガから出てきてみたいな顔だった。
うっすらとした透けるような空色の髪の毛が長く腰の辺りまでとどいており、まだ幼さの残る顔に光る黒く大きな瞳。思わず抱きしめてしまいそうになる華奢な出小さいからだ。
とにかくだ。とりあえず……どうしようか。
寝起きだからなのだろうか、頭がまだうまく回っていない俺にどうしろと?
「私の名前は雅」
唐突に少女が話し始めた。
「今からあなたをT.Eに連れていく」
……? 俺は黙って聞くことしかできない。
「起きて」
いきなりベッドの上から蹴落とされた。え? いきなりどんなプレイですか?
「ちょっとまてや。おい。雅さんとやら。おまえは誰なんだ。なぜ俺の部屋にいる。そして、T.Eというのはなんだ」
まだまだ聞きたいことはたくさんある。
「私は地球外生命体。あなたをT.Eに連れていくため。行けばわかる」
うわー。やべえよー。電波キター。え? どうしろと? 地球外生命体? おいおい。じゃ、こいつは宇宙人てか? いやいや、おかしいだろ。
「なぜ俺が連れて行かれなきゃいけない?」
「あなたを待ってる人が居る」
「俺を待ってる……」
今日は日曜日の朝だってのに。俺はいったいどうなるのだろうか。
「出発する」
「え?」
「次元移動-テレポート-」
一瞬世界がひっくり返った気がした……。