異世界で恩恵
召喚された『異世界人』の少女。
彼女と、共に召喚された『鞄』が世界に『恩恵』をもたらす。
「つ、疲れた」
そう言って、オレは手を止める。
「この寒さが終われば、オレも国の政治に関わらないといけなくなる。わかってはいる、わかってはいるんだ。
だが、腹が空いたし、眠い」
太陽が昇ってから、今まで、ずっと部屋で勉強。どれくらいか、とにかく長く勉強してることは、わかる。
窓から見える外は、白い。
雪が吹雪いている。
暖炉があるから、暖かいことは、暖かい。
「学校は休み。というのに、なぜオレだけ」
王子だから、だろう。
『ぐるるるる』
みじめに腹から音がする。
「何か、ないものか。
腹を満たす。かつ、眠気もなくなる」
そんな、便利なもの。
むむむ。
「あの居候に聞いてみよう」
異世界人の居候に。
「また、本を読んでいるんだろうな。
何のために召喚したかは、知らんが」
そして、
「高度な技術、美しい袋。
カフェオレ、か。なぜか読めるぞ、オレにも」
眺める。
『カフェオレ』と書かれた、小さな袋。
中には恐らく粉が入っているんだろう。
『異世界人』と共に、こちらに来た『異世界人の鞄』、その中に入っていた。
「カフェオレとか、いいですよ。けど、飲むなら夜はやめて下さいね、眠れなくなるので」
と、言われたが。
「なになに、お湯を沸騰。
面倒臭いな。だが、腹が満たされ、眠気もなくなるなら」
カフェオレ、か。一体どんなものだ?
「白い粉、白い飲み物か。
お湯を入れ。
なっ、色が白くないっ!? 魔法か?」
そして、一口。
「あ、甘い。なめらかな味。苦いが、甘さが強い。
おっ!? 眠気がなくなった!? 頭が爽やかになった!」
「よし。
再び勉強を頑張れる。
異世界は凄いな、呼んでよかった」
カフェオレ、というものか。
作り方を教われば、国民をもっと幸せに。
今度聞いてみよう、あの異世界人に。
だが、夜。
「異世界人!」
「はい。何すか?」
「眠れんぞっ!」
「あげた後、すぐに飲みました?
あ、そうなんすか。
初めてだから、かな。知らんけど」
「異世界人~!」
「眠れなくても目を閉じてたらいいですよ、眠るのと同じなんで」
「異世界! 流石だな!」
ありがとうございました!




