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第24話 リハビリ中のイチャイチャ禁止なんて法律はない その2

 午後のリハビリはなく、勉強と車椅子での散歩くらいである。

 まずは勉強から取り掛かることにする。

 なにせ2学期のまる1ヶ月分を受けれないのだ。

 数学Ⅱ、数学B、コミュ英Ⅱ e.t.c...

 Ⅰヶ月も受けてないとなると、普通に考えて授業についていくのが難しくなるものばかり。

 しかしそこはやはり頭のいいちとせ、教え方もわかりやすい。

 ただし問題は一つだけあって。


「で、ここで微分して増減表を書くの。そうすると極大値と極小値がでるから、ほら、答えでたでしょ?」

「……大変わかりやすくてありがたいんだが」

「だが?」

「どうしてそんなにくっつくんだ?」

「だってこのほうがやりやすいもん。それにちょっとでもくっついてたいんだもん。だめ?」


 上目遣いで見られたら断るのは困難である。

 だが、俺の右腕ではちとせの左腕にガッチリホールドされ、その魅惑な果実の間にむにゅりと入り込んでいる。

 さらに肩から足まで右隣から密着されており、ちとせのほのかな香りとともに俺の理性に攻撃してくるのだ。

 このままでは集中できないなんていうレベルではない。

 

 どこぞの千春とかいうクソ野郎と違って、看病してくれるわ勉強教えてくれるわと優しさ全開である。

 おまけにどうやら独占欲が並大抵ではないらしく、ちょっと看護師さんと仲良く喋ろうもんならぷっくり頬を膨らませて拗ねる。

 逆に、四六時中イチャイチャしてられるわけで。

 したいときにしたいだけできて、いくらでも甘えられて、甘え返されて。

 こんな理想の彼女ができるなんて思ってもみなかったが、いざ出来てみると歯止めをかけるのが難しくなる。

 しかもちとせがいっつもアクセル全開だから自分の理性が持たない。

 いちおうまだ高校2年生だし、そういうのはまだ早いだろうし、何よりまだ未成年で、俺は入院患者である。

 だから心を鬼にしてでもそういうことは拒否しているのだが。


「ちとせ、だもんじゃないから。俺の理性が持たない」

「いいじゃん、そこにベッドあるし、襲ってくれても構わないんだよ?」

「そういう問題じゃないでしょ!」

「え〜、でもそのほうが嬉しいんだけどな〜」

「ダメなものはダメです。場をわきまえてよ、場を」

「じゃあ退院してからね?」

「だから俺達まだ高2だっつーの」

「でもいいじゃん。だってさ、お姉ちゃんが子供いるのに、私達はいなくていいの?もし私達に子供できればパパもママもおじさんもおばさんもさすがにもう子供は出来ないだろうし」

「確かにそうだけどさ。でもまだ駄目です。せめて結婚可能年齢になってからね?」

「……分かった、じゃあその前にその気にさせればいいんだね?」

「…は?」

「覚悟しててね、政信♡」


 相変わらずくっつきを緩めずにニコッと笑ったその笑顔に、妖艶さをまとわせているのを感じ、俺は冷や汗をかくのだった。

四六時中イチャイチャして甘えられて甘え返されてとか、最高だと思うんですよね。

自分で書いておいてなんだが、政信が羨ましい。

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