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第22話 奇跡の生還の褒美

 抱きついてきたかと思うと、俺の胸に顔を埋めてすすり泣くちとせ。

 俺が倒れたときからずっと心配で気も張っていただろう。

 俺はちとせの耳に口を寄せた。


「心配かけてごめんな、ちとせ」

「辛かったんだからね。もうこれからは政信の彼女だし、遠慮なく言ってくれていいんだよ?」

「ああ、遠慮なく頼らせてもらうさ。彼女だもの。その代わり俺もちとせの彼氏だからな、遠慮なく接してくれて構わないぞ」

「そうする。でもこれだけは約束してね、ちょっとでもなにか体調が悪かったり、疲労が溜まったりしたら絶対に隠さないで私に言って」

「もちろん。……1個聞いていい?」

「なぁに?」

「その……、しょっちゅう甘えてもいいか?」

「そのくらい言わなくてもいいのに。なんなら今でもいいんだよ?」

「じゃあお言葉に甘えようかな」


 そう言うと、ちとせは一旦俺から離れると、ベッドに腰掛けた。

 そして。


「はい、膝枕どうぞ」


 差し出されたのは、おそらく全世界の男子が一度は夢見るであろう膝枕。

 せっかく許可を得たんだしということで、そのまま頭をすぽっとはめる。

 つるつるで、だけどむちむちな極上の柔らかさの太ももを堪能していると、ちとせが頭を撫で始めた。


「ふふっ、政信の頭気持ちいいね。このまま触ってていい?」

「別にいいけど……、俺寝ちゃいそう」

「寝てもいいんだよ?好きにしなよ、今は甘えていいんだから」


 ありがたいお言葉に、しばらく膝枕を堪能する俺と、頭を堪能するちとせ。


 すると唐突に彩希さんが声をかけてきた。


「おふたりさんや、付き合い始めて嬉しいのも分かるけど、唐突に膝枕始めてイチャイチャしないでくださいな。一応ここ病院でしょ?しかも政信くんは入院患者でしょ?私達は我慢してるのになんで始めるのさ」


 そのからかいに口をとがらせて拗ねるちとせ。


「むぅ、でもやっとお付き合いできたんだよ?」

「でもじゃないの。多少なら目をつぶるつもりだったけど、ちとせちゃん達からもの凄い甘い空気がだだ漏れなの。これじゃ私達糖尿病になっちゃうよ」

「そこまでしてるか?たかが膝枕だぞ?」

「政信くん、膝枕って時点で付き合いだして1日のカップルがやることじゃないから。お医者さんも『これなら大丈夫だな』って言ってさっさと帰っちゃったし」

「そっか。でもこのくらい彩希さんもやってるけどな」

「政信、俺たちは流石に人前でそこまではしない。せめてふたりきりのときにしろ」


 学校一のバカップルに何を言われたってそう簡単に信じるわけには行かないが、まあそこまで言うならということで多少甘えを減らしてじっとしていた結果。


 まだ目覚めたばっかりで体力もあまりない俺はすぐに寝てしまい、さらにずっとつきっきりで看病していた疲れもあったのだろう、膝枕をしながらちとせも寝てしまったようで。


 そのときの写真を武弥たちに撮られた俺たちは、俺が学校に復帰する頃までにものすごい勢いで学校中にばらまかれ、一躍有名カップルと化してしまったのだった。

さあて皆さん、ブラックコーヒーの準備はできましたか?

ここからはもうひたすらに甘くいきますよ〜

まずはリハビリ編からどうぞ。

病院?入院中?それごときでこのカップルのイチャつきを止められるとでも?

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