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第5話 復讐という名の地獄落とし 前編 その1


 一夜明けて実行当日。

 その日の太陽はこれでもかというくらいに照りつけていて。

 それはまるで俺たちの復讐を応援してくれているようだった。


「おはよう、政信」

「おはよう、千春。今日も随分と元気だね」

「だって、朝から政信と話せるんだもん」


 おえぇぇ。

 こっちは朝からこいつと話す羽目になって吐き気がするよ。

 どうしてこいつはこんなに笑ってられるんだ?

 いったいこいつもいつまで笑ってられるかな?

 おまえら、笑ってられるのも今のうちだからな。


 という心の声はがんばって抑え込み。

 学校に近づいたので、肝心の質問をぶつける。


「そうそう、千春、昼休みって開いてる?」

「昼休み?開いてるよ、もちろん」

「じゃあさ、12:40に体育館に来てもらってもいい?」

「いいけど、なんかあるの?」

「いや、ちょっとね……」

「そ。じゃあ40分に合わせていくわ。じゃあまた後で」

「じゃあまた昼休みに」


 そう言って千春と別れ、自分の教室へ。

 すぐさまスマホを取り出し、メッセージアプリを起動。


『千春の誘い出しは成功した。未だに浮気がバレてないと思ってる模様。』


 送信後わずか2秒で既読が付き、その5秒後。


『邦彦の誘い出しも成功。こっちも気づいてない様子。二人の破滅まであと4時間。』

『マジで?』

『マジの話。』

『じゃあ想定通り過ぎて怖いくらいじゃん。』

『そのとおり、いまだ気づかないとかアイツラの頭の中はお花畑なの?』

『まあいいでしょ。とにかく、こっちも作戦通りでいいのか?』

『いいわよ。ただ、うちの姉腹黒だから気をつけてね。』

『はいよ。』


 なんということか。

 二人して気づかないとかかなりやばいわ。

 浮気なんてとっくに気づいてるっつーの。

 今に見てろよ、お前らのような社会のゴミは消し去ってやるからな。

 

 


 結局その日の授業はろくに頭に入らないまま午前中を終え。

 さっさと弁当をかき込むと、俺は体育館に移動した。

 まずはスマホを取り出し、Me Tubeを起動。

 さらにライブ配信を開始。


「皆さんおまたせしました。ピアノ以外では初のライブ配信のです。というわけでですね、簡単に言うと、私の彼女が堂々と浮気しやがりましたのでそれをとっちめてやるというわけです。ほんとはこんな配信しないんですけどね、協力者の要請もありますし、なんか暴走しそうなんでもし暴走したら抑えて欲しいという意図もあります。てなわけでやっていこうと思います」


 そんな宣言をしつつ待つこと3分。

 ようやく待ち望んだ瞬間がやってきた。


「政信、で話って何?」


 遅れてくるなり謝罪の一言が出てこない千春に、即座に言葉を返す。


「時間に遅れてきて謝罪の一言も無いのか?」

「急にどうしたの、政信?いつもはそんな事言わないのに。なんかあったの?」

「なんもないのにただ喋るために彼女をわざわざ体育館に呼び出すようなバカなやつがいると思うのか?」

「じゃあ何なのよ」

「そのくらい自分で分からないのか?」

「分かってるなら聞かないわよ」

「じゃあおまえはバカだな。自分がやってることに罪悪感がないとかホント最低最悪のクソ女だよ」


 とたんにキレる千春。


「何がクソ女よ。あんたの方がよっぽどクソじゃない。彼女の私を放って置いたのはあんたでしょ」


 さて、これに俺はいい加減ブチギレそうなんだけどキレていいかね?

 と、ちょうど体育館の入口にちとせの姿が見えたので、即座に攻めの姿勢に入ることにする。


「お前のような浮気するクズ野郎には言われたくないね」

「はあ?私が浮気したですって?それはあんたでしょ。そんなに私が浮気したって言いたいなら証拠を出してみなさいよ」


 ほんとに我慢できず、思わず怒鳴り声がほとばしる。


「証拠がなかったらこんなことしねえよ。てめえがしでかしたことがどれだけのことかちゃんと理解しろやカス!」


 瞬間、体育館の中の時間が一瞬凍りついた。


復讐開始!

あれ、ちとせはどこだ?

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