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第15話 【悲報】政信、死亡の危機 その3

 ダンス部と吹部の子たちが決意を新たにした頃。


 保健室に運ばれた政信はすぐさま救急車を手配され、同時に両親への連絡が行われた。


 ただ、政信の両親は海外におり、すぐには帰ってこれないのを知っていたちとせはすぐさま自分の親に電話することにした。




『もしもし?』


「もしもし。お母さん、今から病院行ける?」


『どうしたの、ちとせ?怪我でもしたの?』


「政信が倒れた。もうすぐ救急車が来て病院に運ばれる。私は付き添いで一緒に行くつもり」


『そう。じゃあすぐに向かうわ。病院が分かったらメールちょうだい』


「分かった。救急車来るからまた後で」




 ちとせが電話を切るとほぼ同時頃に救急車が到着し、政信は救急隊員によって積み込まれた。


 その後ろからそそくさとちとせ、武弥、彩希の3人が乗り込むとすぐにドアを閉め出発する。




 しばらく黙っていた3人だが、ちとせが口を開くのを皮切りに反省会へと突入する。




「思えば今日、政信おかしかったし朝も今思えばちょっとフラフラしてたんだよね」


「政信が今日おかしいのは俺も気づいてはいたぞ。だってあいつはあんなに急に怒鳴ったりはしないしそもそもこんな短時間で休憩なんか入れない」


「そうだったのよ。だから気付いたときに止めてればこんなことにはならなかったはず。私が朝強引にでもいいから休ませればよかったのに」


「ちとせ、ちょっと落ち着きなよ。政信くんがちとせの泣いてる所見て喜ぶのは嬉し泣きのときだけだよ」


「確かにそうね。でも私がいけないの。一緒に住んでて前から政信に疲労の蓄積があるって分かってたのに止めなかったのは私だもの」


「誰が悪いというのはさておき、今一番話さなきゃいけないのは今後このような事態を避けるためにはどうするかってことじゃないか?」


「それはたしかにそうだね、タケくん。ただ、私達で止めてあげないとって思うけど、多分止められるのはちとせちゃんだけだと思うんだよね」


「それは俺も言おうとしてた。ちとせの言うことだけは不思議と聞いてるからな」


「そうなの?」


「そうなんだよ。俺たちがなんか言ってもやれあーだこーだと反論をぶつけてくるんだけど、ちとせちゃんのときはそれがないんだよね。千春と付き合ってころからそう。まああのときは千春のこともそうだったけど」


「へぇ〜、じゃあ今後は誰か気付き次第私と政信にそれとなく言う、もし聞かなければ私から直接言うって感じならなんとかなるかな?」


「それしか方法がないんじゃないかな。ね、タケくん」


「同感だ。それ以外にいい方法は見つからん」




 こうして今後の政信の疲労蓄積を防ぐ方法が決まったところで病院に到着。


 が、ここで突然機械がブザーを鳴らし始める。


 すぐさまモニターをひと目見た救急隊員が、降ろそうとしてスタンバイしていた看護師達を振り返りながら叫ぶ。




「患者容態急変!心拍数、血中酸素濃度ともに低下!」


「すぐにICUへ!呼吸器用意!」




 その言葉を正確に理解したちとせが顔を青ざめる。




「ちとせちゃん、どういうこと?」


「呼吸と心臓が停止しかけているってこと。かなり重体で還ってこれないかもしれないってことなの」




 それで理解した武弥と彩希も血の気が引く。


 さらにICUに吸い込まれる寸前に、




「心肺停止!」




 という切羽詰まった声が聞こえたと思うと扉が閉ざされ、手術中のランプが点灯した。


 ちとせは震える手でなんとか『稲毛総合病院に入院。現在ICUで治療中、心肺停止状態』とだけ打ち込むと、母親に送信。


 そのまま崩れるようにしてソファに座り込んでしまった。



 稲毛総合病院は勝手に作りました。


 実在したとしても関連は全くありません。

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