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第4話 ふたりっきりの放課後 その3

<Side ちとせ>


 スマホをいじっていた私は、突如として右肩にかかってきた負荷に驚いた。

 ふと右を見ると、そこには。


「くぅ〜」


 なんとも可愛らしい女子のようないびきを掻いて寝る政信の頭が私の肩にもたれかかっていた。

 案内を見れば、まだ誉田を過ぎた頃。

 とりあえず頬をつんつんしてみたけど、全く起きる気配がない。

 たぶん昨日までかかった争いに疲れが相当溜まっていたんだろう。

 とはいえ、あまりにも寝顔が可愛いので写真を撮ることにする。


「ぐへへぇ」


 どうしよ、思わず声が出ちゃった。

 撮れた写真は、政信の寝顔がドアップで写っている。

 確認した私は、我慢できなかった。

 好きな人の可愛い寝顔がいつでも見れる!

 しかも寝顔なんて言ったらそう他人が見れるものでもないし。

 

 しばらく見てると、大網を過ぎ、すっかり人が減った。

 私達は運良く空いたボックスシートに座っていたから、ここからは何をしても他の人に見られる心配はない。

 私は彼が寝てるのを良いことに、膝枕を始めるのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 とっても心地よい感触に、ずっとこのままが良いと思ってしまう。

 まるで天国にいるような感触、だが同時にそろそろ起きないといけないという直感。

 

「ん?何だコレ?」


 仕方なくうっすらと目を開けた先に見えたものに違和感を覚え、目を思い切り開く。

 そして開いた瞬間それを理解し、同時に今の体勢を理解する。


「うえぇぇ!」


 電車内なのを思い出し、必死に声を抑えつつも思わず声が出る。

 すると、目を開いたのに気づいたちとせが覗き込み。


「おはよ、政信。結構疲れてたんじゃない?」

「ああ、かもしれないな。とりあえず起き上がらせてくれ」

「はいよ」


 起き上がって最初に俺はちとせに向かって頭を下げる。


「いつの間にか膝の上で寝ちゃっててごめん」


 そう。

 俺はあろうことかちとせに膝枕させてしまっていたのだ。

 目を開けたときに見えたのは、ちとせの着痩せしたとは言え夏服のために大きい胸だったのである。

 これは流石にやりすぎだと、すぐに謝ることにしたのだ。


「いいのよ。もともとは私にもたれかかってたんだし」

「それじゃなおのこと申し訳ないな」

「いいの。それより、今日は家帰ったらさっさと風呂入って寝よ?じゃないと体持たないよ」

「ああ、わかってる。だいぶ体がキツイからな、今日はゆっくり休むよ」


 と、そこまで言ったところで急に。


「急停車します。ご注意ください」


 という放送とともにキィィィというブレーキを掛ける音と非常警笛が響き。

 ちょっとしてガコンと大きな衝撃が走りその後しばらくして電車が止まった。


「どうしたんだろ?何かあったのかな?」

「踏切にでも人が入ったかね?でも後ろまでぶつかる音が聞こえたから結構やばいかもな」


 などと話していると。


「急停車失礼いたしました。ただいま、この列車において車との接触事故が発生いたしました。このため、乗務員の誘導で一旦乗務員室から線路に降りていただき、近くの上総一ノ宮駅まで歩いていただきます。本日はお客様にご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません」


 普通に考えればかなりの大惨事が発生したようだ。

 しかし、線路を合法的に歩けるというまたとないチャンス。


「線路歩けるって。もう二度と無いかもね」

「そうだな、不謹慎だがちょっと楽しむか」


 二人揃って楽しむことにした。

 私が乗ったときは踏切事故は発生していません。

 人身事故はあります(その時は駅を通過中でした)。

 

 追加設定:政信は鉄道好き、ちとせと政信はアニメが実は好き(ただしオタクではない)


 追伸


 じつはこの夏休み、団体で群馬県のとある鉄道会社さんの車庫見学をさせていただきました。

 さすがに、個人では行けませんが、鉄道旅行なら行けるということで、政信たちには全国各地に鉄道旅行に行ってもらおうと思っています(作者が鉄道好きなので)。

 そのうち書き始めるつもりです。投稿を開始したら小説内と近況ノートでお知らせします。

 

 そこで、皆様には政信たちに乗って欲しい路線を紹介していただきたく思います。

 行程を組んでいただけるとなおいいです。

 その際は、


 ・上総一ノ宮駅発着であること

 

 を守っていただきたいと思います。

 公開の仕方としては、行程ごとに別のシリーズとして投稿します(どうにかして関連作品としてまとめてみます)。


 新作については、1作品を10月下旬より、もう1作品は11月下旬頃から投稿開始します。



 東権海

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