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カクヨム10万PV突破記念SS ちとせの誕生日(高3、政信視点)

 なかなか衝撃的だった俺の誕生日から約1ヶ月が過ぎ、今日は12月24日。

 世間ではクリスマスイブということでたいへん盛り上がっているが。

 実は今日は愛しきちとせの18歳の誕生日。

 この間の俺の誕生日でお互いに結婚可能年齢となり、早速婚姻届を出して入籍した俺たちだが、「ちとせ」という最高のプレゼントをもらったし、何よりせっかくの誕生日だし何か贈ってあげたい。

 しかも、お互いに推薦で受かった身としては去年と違ってしっかりと考えてあげたい。


 とはいえ、そう簡単には思いつかないわけで。

 あれこれ悩ませているうちに今日が来たというわけだ。

 このまま用意しないというのは許されざる行為だし、とそこまで考えたところでふと思い出す。

 そう言えば以前(といっても数日前)、遊園地に行ったときに二人でツーショットを撮ったのだが(そのあと係員さんが撮ってくれた)、その時の写真を飾る場所がなかったのだ。

 もっというと、それ以前のデートの写真などもたくさんある割にはアルバムとかがない。

 ならばこれを使わないという手はあるまい、と急いで必要なものを買いに行く俺だった。




 その日の夜。

 夕食を食べ終え、リビングでくつろいでいるときにちとせに声をかける。


「なあ、ちとせ」

「どうしたの、政信?」


 すぅ、と一つ深い呼吸をし。


「はい、お誕生日おめでとう、ちとせ」


 そのセリフとともに包装された箱を渡す俺。

 それを見たちとせの目が一瞬見開かれ、そして頬が緩み始め顔が赤くなっていく。

 あっという間に茹でダコのように真っ赤に顔を染めながら、丁寧に包み紙を剥がすちとせ。

 そしてその中から出てきたものに驚く。


「写真立てとアルバム?しかも写真立てはこないだのツーショット入り!」

「そう。ここに二人の思い出を入れていこうと思って」

「ありがとう、政信。こんなにうれしいことはないよ……ってあれ?」


 アルバムからひらひらと舞い落ちた一枚の紙切れ。

 それは10枚綴りのとあるチケットだった。


「えーっと、『なんでも券』?『1枚につき1回使えます』……、これってもしかしてなんでも言うこと聞いてくれるってやつ?」

「そのとおり。なんなら今からでも使えるよ」


 その返答に顔を輝かせるちとせ。


「じゃあ、これ使うね。もう結婚したし、早く赤ちゃん欲しいな。だからこづk――」

「それはダメに決まってんでしょ!」

「ええー?何でも聞いてくれるって言ったじゃん」

「学生なんだからまだだめです。もう少し考えたら?」

「じゃあせめて食べさせて。今日は寝かさないから」


 こうしてサンタさんが全身真っ赤になっちゃうような甘い一夜を過ごしたのだった。

 結構疲れたけど、ちとせが喜んでくれたから大丈夫。


 今日のクリスマスも甘くなりそうだ。



fin.


 ちょっと遅れましたがカクヨム版10万記念です。

 この作品内における結婚可能年齢は、最近の民法改正の前の状態です(つまり、女子16歳、男子18歳から)。


 ちとせちゃんの「こづk」のところはネタ要素的なところもあります。

 そこだけをカットすると「小机」(注:JR横浜線の駅。「こづくえ」と読む)に見えるのは鉄オタの性なんでしょうかね……?


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