表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サード ガーデン  作者: さんまぐ
第七章・命限られた少年と半神半人の女神。
97/492

第97話 テッドとガミガミ爺さん。

町の出入り口に行くとアーイ以外の皆がテッド達を待っていた。

アーイは3匹の首狩り蟷螂と戦っている。


「あぁぁぁっ!テッド来た!ご飯は?」

「ここだ。ネイが作ってくれた」

テッドはネイが作ったご飯を渡すとチィトは嬉しそうに食べる。


「うぅぅぅぅ…ネイのご飯美味しい」

「泣くほど旨いのか?」

テッドが聞くとチィトは目を三角にしながら「テッドはご飯食べて皆と仲良くしてたけど私はずっとご飯を待っていながら世界を守っていたんだからね!!」

テッドは気付かなかったが優先順位が違っていないかと皆思っていた。


「すまない」

「まあいいよ。なんか神如き力ってお腹減るんだよねー」

ご飯を食べ進めると機嫌の治ったチィトが明るく話してくる。


「あれー?そう言えば王様はお腹空かないの?」

「僕はチトセとは違うからね」


「ムカっ!ネイのサンドウィッチが後2個あったから1個あげても良かったけどあげない」

チィトは余裕の表情だし、周りも普通にゆったりとしている。

マリオンはカムカをみつけると「カムカ!逢いたかったよ!寂しかったよ!!」と飛び付いてキスをしていた。


テッドは子供の前でキスをする姿に驚いたがそれが普通なのかと思ってツネノリを見たがツネノリは首を横に振る。


それに気づいたチィトが「多様性、人それぞれだよ」と教えてくれた。

「なるほど、そう言うものなのか…ところでチィト、この状況は何だ?」

「状況?」


「何故アーイは1人で戦っている?」

テッドは疑問をチィトにぶつける。


「ああ、それ?アーイさんはじゃんけんで勝ったから戦ってるの。

数が少なくてあっという間だったから最後は敵の奪い合いだったんだよ。

テッドはじゃんけん知ってる?」

「ああ、何故か知っている」


そんな話をしているとガミガミ爺さんが声を上げる。

「小僧、所で俺は何をすればいいんだ?」

「ガミガミ爺さんは今から覗き変態趣味の神を殴ってくるんだよ」



「なに!?」と言って驚くガミガミ爺さんと周りの皆。

「大丈夫、僕が送り付けるし帰りも僕がやるから、「もう、いつでもお前なんて倒せるんだぞ」ってアピールだからよろしくね。

あ、テッド。君がガミガミ爺さんの護衛してよ」


「わかった」と言ったテッドがガミガミ爺さんの前に行く。


「おう、行けるか?」

「よろしく頼む。ガミガミ爺さん」


「なっ!?おめぇが何で俺をガミガミ呼びすんだよ!」

「何?名前ではないのか?魔王がガミガミ爺さんと呼んでいたから…」


「あー、テッド!この人はドフさんだよ」

チィトが駆けてきてテッドに説明をする。


「そうたったのか、すまなかったドフ。確かに変わった名前だと思ったのだが俺は記憶が無いから何がおかしいのかわかりかねるのだ」

「わかりゃあいいけどよぉ、ったく。行けんのか?」


「少し待ってほしい。チィト」

「ん?」


「力を流してくれ」

「あー、それ?王様!やってみようよ!」


「ああ、行くぞテッド!」

魔王がそう言うとテッドに暖かい力が入ってくる。

それは確かに神の力だった。


「力が来た。どうやった?」

「それ?私のより王様の方が、親和性が高いならって王様と話してね」

「だからチトセの力を僕に逃して僕の力をテッドに流したんだよ」


「だが手は?」

「手?別に一度繋いじゃえば問題ないよ。

まあチトセには出来ないかもしれないけど僕にはできるからね」

魔王は嬉しそうに言う。


「ムカ!私にも出来ますぅ!女神としての雰囲気で手を当ててただーけーでーすー」

チィトが目を三角にして天に向かって言う。



「まあいいや。テッド、ガミガミ爺さん行けるよね?行け!」


その声でテッド達は一瞬で超神の所に出た。

目の前では事態に震えながらアーティファクト・キャンセラーを大事に抱える超神の後ろ姿がある。


「やっちゃってよガミガミ爺さん」

魔王の声でガミガミ爺さんは「んじゃ行くかね…」と言いながらテクテクと進んで行く。

テッドはガミガミ爺さんがここに呼ばれるほどの実力があるのか気になっていた。



「オラァ!このゴミカスが!!」

魔物の咆哮と間違えそうな怒号を上げてガミガミ爺さんは超神の頭を持っていた槌で思い切り殴りつける。


ゴッと言う鈍い音の後、超神の「ピギャっ!?」と言う声が聞こえる。


「テメェ!懲りずにクソくだらない事をしやがったなクソガキが!」


ゴッ


「何が超神だ!?何が複製の力だ!

テメェ!ゼロガーデンを複製してその中の俺たちをよくも殺してくれたな!!」


ゴッ


「何が隠匿の力だ!コソコソしやがってクソウゼェ!!」


ゴッ


「何が創造の力だ!テメェ如きがアーティファクト・キャンセラーを作って調子に乗ってんだコラ!」


ゴッ


「後なぁ…よくもウチの千歳を泣かせたな!俺の大切な孫を泣かすなんて何億年も早えんだよ!ゴミカス!!前にも言ったがよぉ、千歳の流した涙の1万倍の血を流しやがれ!」


ゴッ


「それとこのテッドだ!テメェのクソくだらねえ逆恨みで命を弄ぶな!何様だ!!」


ゴッ


「オラァ!何とか言えよコラ!」


ゴッ


「言えコラ!」


ゴッ


「コラ!」


ゴッ


「返事しろよコラ!」


ゴッ


「コラ!」


ゴッ


「ぐ……何でいきなり…?」

ようやく口を開けた超神が血の流れる頭を押さえながらこちらを睨んでくる。


「あ!?おめぇの行動は無駄なんだよ!

本気でかかってこい!いつでも殺せんだぞクソが!」



「ありがとうガミガミ爺さん…戻すよ」

その声でテッドとガミガミ爺さんは元いた場所に戻される。


「へへっ、ただいま」

「帰った」


「ドフお爺さん、また怒ってくれてありがとね」

チィトがガミガミ爺さんに感謝を伝える。


「へっ、照れるぜ。千歳はわざわざ見てたのか?」

「ううん、見れるけど見てないよ。ここまで声がハッキリ聞こえたから怒ってくれたのがわかるしね」

そう言うと照れたガミガミ爺さんが「あー、ちょっとだけスッキリしたぜ。千歳はどうだ?足りたか?もっとやってほしかったら言え?」と言って後方に下がる。


「よーし、次だ。僕がここからアイツのアーティファクト・キャンセラーを破壊する。

そうしたらアイツが動くから皆よろしくね。

神如き力!光の剣よ!」


その声の1秒後に超神の居た場所から「キィン」と言う音と爆発が起きる。


「え?もう壊したの?」

いきなりの事でマリオンが驚く。

マリオンだけではない、ここに居る全員が驚いている。


「うん、初めからやれたんだけど「アーティファクトを使われたから勝てなかった」とか「アーティファクト・キャンセラーさえ使えれば勝てた」とか負け惜しみを言わせたくないからさ、真正面から叩き潰したくて、皆にもお願いしたんだよね」


「うわ、非常識は今日も健在だね」

「マリオン酷くない?」


全員、マリオンが正しい、キヨロスは非常識だと言っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ