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サード ガーデン  作者: さんまぐ
第五章・命を継いだ少年。
52/492

第52話 テッドが死ぬ前の一秒で出会った者。

目覚めるとそこは真っ暗な空間だった。

テッドは死を直観し、ここが死後の国なのだと思った。


「起きた?」


テッドが慌てて起きると目の前には自身を貫いた男がいた。


「お前は!」

「動くな、動くと死ぬよ」


男はそう言うとテッドの周りに金色に光る12本の剣が展開された。


その動きはとても精密なものでテッドにはどうする事も出来ず動きを止めることしか出来ない。


「とりあえず僕は敵じゃない。そして君を殺した者でもない」

だがそう言われてもテッドは「そうですか」と納得はできない。


目の前の男は確かに先ほど自分に攻撃をした男のはずだ…


だが確かに言われてみれば違いはある。

まずは顔だ。

敵対をした方の男は若かったがこの男には少ないがシワがある。

そして装備だ。

敵対をした方の男は黒い鎧に黒い靴、黒い盾に黒い剣。

しかもその全ては紫色に光っていた。

しかしこの男の鎧と靴は銀色で剣は金色で盾は装備していない。



「だがまだあの僕が誰なのかはわからない。

今僕に言われたのは君を保護して匿える場所を用意した事。

後1秒もあれば尽きてしまう君の命を繋ぎ止めることなんだ。

だから少しここで待つんだ」

男は矢継ぎ早にそう言って黙ってしまう。


「俺はテッド…」

「知ってるよ。チトセから聞いた」


「チトセ?女神チィトか?」

「ああ、今チトセは神の世界に居て君の出自に関して調べて、体を休めているそうだ」


「チィトは無事か?」

「ああ、僕が力を逃したからね」


また男は黙ってしまう。

「…名前、聞いてもいいか?」

「ああ、紹介がまだだったね。僕はキヨロス。

君の言う始まりの地、ゼロガーデンの人間だ」


…ゼロガーデン…始まりの地。

そう言えば黒い方の男に戦神はツワモノと呼んでいたのをテッドは思い出す。


「ツワモノ…」

「ああ、戦神が僕の事をそう呼ぶよね」


「じゃあ、あなたが魔王」

「魔王…って…、それジョマが書いた神話だよね?チトセも面白がって意見していたよ。

そう、僕はその魔王と呼ばれている」


テッドは混乱していた。

2人とも戦神が呼んだツワモノ。

だが1人は黒い姿で襲ってきて、1人はこうしてテッドを助けたのかもしれないからだ。


「まあ、死んだと思ったのに生きていたし殺しに来た男に似た僕が目の前に居れば訳はわからないよね。

もう直ぐ君をあの死の間際から助け出すように命じた人が来るから待っててよ。

それに胸に大穴空いてるからいくらここでも動くと死ぬよ」


そう言われてテッドは胸を見て驚いた。

剣に貫かれた胸は穴が開いていた。


「ここは?」

「説明が面倒だなぁ…ゼロガーデン、始まりの地にある0と1の間。

まあ君は時の止まった場所と思えばいいよ」


時の止まった場所、だから自分は生きているのかとテッドは直感した。


「まあ細かい話はこれから来る人に聞けばいいよ。ほら来たよ」


そう言うと目の前に男が現れる。


「遅かったね」

「私にもやる事があるのだ。

だからお前に頼んだのだ」


「テッドは目覚めたよ」

「わかっている。

テッドよ。私は地球の神。

お前にわかりやすく言うのならチィトに頼まれてイィトやジィマを守る者だ」


目の前に現れた地球の神はそう言ってテッドを見た。

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