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サード ガーデン  作者: さんまぐ
おまけガーデン⑧~彼女の変化。
315/492

第315話 くそぅ…。何をやってもそっちに話が行くじゃないか!?

その後はお疲れ様会でご飯を食べる。

「ほれ」

「石?」

「鉄板?」


「あ!これって」

「そうだ。千歳は歴史を追ったなら知っておろう?

メリシアよツネノリ達の為に米を頼む」

「はい」


ルルお母さんが出したのは無機物を有機物に変える黄色い水だった。

早速お父さんが石に向かって「お前は牛肉だ!」と言ってから水に漬けるとあっという間に石は肉に変わる。


「うおっ!?」

「初めて見たけど驚いたな」


「おお、そうか。向こうのツネノリはメリアの誕生に関わっておらんから初見か。

確かにボウヌイの蘇生にしてもツネノリはツネツギとセカンドで勇者をしていてノータッチだったな」

ルルお母さんが不思議そうに笑う。


「ビリンさん、この技術でメリアさんもメリシアさんも、あー、元々はマリオンさんも人間になれたんだよ」

「へぇ…俺には驚きだな」


「ツネノリ、切ってくれよ」

お父さんは楽しげにお酒を飲みながらツネノリに肉を切るように言う。


「うん。千歳、千歳包丁出してくれよ。この肉はきっと焼肉みたいに切った方が美味いと思うから家の包丁だと自信が無いんだ」

「おっけー」


私は光の包丁を作るとツネノリに渡す。


「ほれ、肉は続々と出来上がるぞ?

先に8人分の肉を用意してしまおう」

「それなら俺も切る。千歳、俺にも出してくれ」

「うん。ツネノリ対ツネノリだね」


私が余計な事を言ったからだが2人のツネノリは真剣な顔で黙々と肉を切るようになってしまった。


「2人とも、冗談だからね?」

「いや、俺はムキになってない。コピーガーデンの俺がムキになっている」

「俺だってムキになっていない」

一瞬お互いを見るとまた肉に向かう。

これを見てどうしてムキになっていないと言えるのだろう?


「千歳様、同じですよね」

「本当真面目で負けず嫌い」

メリシアさんとメリアさんが笑う。


「本当だよね。そう言えばメリアさんは髪の毛伸ばさないの?」

「今はまだその気にはなれません。

父や母に会わせて貰えるようになって少し気は楽になりましたがここで気を抜いてはツネノリ様の妻として甘えが出そうで」


「メリアさんも真面目じゃね?」

「本当、ツネノリはメリアさんにベタ惚れなんだから多少甘くても平気なのに」

まあ、それでも自分に厳しいから髪の毛は伸ばさないのだろう。

個人的には見分けが付いてありがたいのは言わない。



「…悪くないな」

「まったくだ」


「ツネジロウさん?」

「ルルお母さん?」


「いや、俺達も随分と歳を取ったもんだと思った。

ツネノリにはメリシアとメリア。

千歳の横には…まあ…この先は誰かはわからんがこうして誰かが立つ。

それを眺めたら何かホッと落ち着いたんだ」


「もう、そんな歳じゃないでしょ?

ツネノリ達もお肉切り終わったから食べようよ」


「お米はもうすぐ炊けますよ」

私達は先にお肉から食べ始める事にする。


「あ、その前にアレだ。

メリシアさん、乾杯の挨拶してよ」


「はい。今回はメリアの為にワガママを聞いていただきありがとうございました。

色々ありましたが無事にお客様にはご満足いただけました。

ありがとうございます。

それでは、乾杯」


「お疲れ様ー」

「お疲れ様」


「ありがとうございました」

「良かったなメリア」


「お疲れ様でした」

「胸を張れ!」


一斉に鉄板にお肉を置く。

お肉はとてもいい音を出しながら焼けていく。


「鉄板は昔カムカに「愛のフライパン」の能力も載せればいいのにと言われたから新たに作ったのだ」


そのおかげもあってお肉はとても美味しくて皆満足している。


「美味え!凄え!」

「「「「あ」」」」

ビリンさんが我が家での禁句を口にしてしまう。


「凄い!?そうだろう!そうだよな!」

「え?」

禁句の凄いを言ってしまったビリンさんはルルお母さんの鉄板と水がどれだけ凄いかを語られてしまう。


「ルルさん!お肉、お肉なくなります!」

「構わん!肉ならまた作る。それよりもこの鉄板の凄いところはな!肉が丁度美味しくなった所で加熱が余熱に変わるのだ!」


私達は慣れたものでビリンさんとルルお母さんをスルーしてお肉を食べる。

2人のツネノリは美味い美味いとお米とお肉を交互に食べる。


「お前は白身魚だぞ!」

お父さんは1人で白身魚を作って鉄板に乗せる。


うん、誰も助ける気はないのだ。



「チトセ!」

「まあお肉は焼いておいてあげるから頑張りなよ」


「えぇぇぇっ」

「おい!聞いておるのか?黄色い水もメリシアの後に実は改良を加えてあってだな!」

ルルお母さんはイキイキとしながらビリンさんを捕まえる。



「お父さん、止めてあげなよ」

「別にいいだろ?

義理の母のあしらい方くらい覚えないでどうすんだよ?」


「義理の母!?」

「お前も慣れてもらった方が楽だろう?」


「そんなんじゃないもん!」

何と言うことだろう?変な方向に話が行ってしまっていたのに気付いた私は慌ててビリンさんとルルお母さんを離す。


「あ!まだ私が話していたのに!」

「もうおしまいだよー」


「なんだ千歳?ヤキモチか?」

「ルルお母さん!?」


くそぅ…。何をやってもそっちに話が行くじゃないか!?

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