第268話 念願叶ったね。
「お父さん?呼んでくるよ?」
「ああ、準備は万端だ。千明?」
「はい。どうぞ」
私はその言葉を聞いてからゼロガーデンに行く。
「皆、準備いい?」
「ああ、だが初だから緊張するな。やはり準備と経験が無いと」
「ルルお母さん、平気だよぉ。もう私が何年も行き来しているから大丈夫だって」
準備と経験がないと心配でならないルルお母さんが不安げな顔をする。
「メリシアは緊張するか?」
「いえ、初めてなので楽しみです。
ツネノリ様はもう何回も行っているんですよね?」
「今回で4回目だよ。千歳がこっちにくるから行く事が少ないんだ」
「千歳、俺も行くのか?ご近所様に見つかったら…」
「それこそ双子の常次郎で通してよ。ほら!皆行くよ」
私はそう言ってうちの玄関に皆を連れて行く。
「はい、いらっしゃいませ」
「おお、ウチだ」
「これが日本の家か。凄いな」
「久しぶりに来たがやはりここは凄いな」
「お邪魔しますね千歳様」
「来たか」
「いらっしゃい」
そう言ってお父さんとお母さんが出迎える。
「おお、ツネツギ。来たぞ。世話になる」
「おう、ようやくルルがウチにきたな」
お父さんが嬉しそうルルお母さんを見てニコニコしている。
「ただいま…、なのか?」
「はい。お帰りなさい。ツネジロウさん」
お母さんもこの家で金色お父さんに会えて嬉しそうだ。
「靴を脱ぐのはタツキアに似てますね」
「そうだな」
皆そんな事を言いながらリビングに行く。
うちのリビングは大きいのでここでノレルお母さん達を出してもなんの問題もない。
まあ問題と言えばお父さんは日本での人付き合いが好きじゃないので滅多に人を呼ばない事だ。
あ…もしかして…
「お父さん、もしかしてこの日の為に大きなリビングの家を建てたの?」
「ああ、いずれ東に頼むつもりだったんだ。
高校生になった千歳にルルやツネノリの話をして、その時にガーデンの存在を知って貰えて信じてくれた後で、皆に会いたいと言ってくれたら呼ぶつもりで大きなリビングの家にした」
「そうなんだ。念願叶ったね」
「ああ。想像と違って千歳が半神半人になったけどな」
私も思わずニコニコとしてしまう。
こんなに上機嫌のお父さんは久しぶりかもしれない。
「ほらほら、それは後にして、とりあえず座りましょう?」
私は皆を座らせるとルルお母さんからノレルお母さん達を出す。
「ありがとう千歳。ニホンにこられたなんて夢みたい」
「本当だよ千歳ちゃん!ありがとう」
「うぉぉぉっ!母ちゃん感動だよ」
「一気にうるさくなった…。ノレノレ、この家のもんは壊れ易いから気を付けてくれよな。
後、近所迷惑だから静かにな。
イーストの城下町みたいに横は家だからな」
「あ、平気平気。大丈夫だよノレノレお母さん。今この家は神如き力で守ってるから壊れにくいし声も大きく漏れないから安心してね」
防音破損対策くらいやってある。
そうでもしなきゃ皆をこっちに呼ぶことなんて出来ない。
「何!?お前そんな事してんのかよ?」
「うん。せっかく日本に来てもらったのに我慢させるなんて悪いよ」
「だが私達を4人に分けて更にそんな力まで使うなんて」
「神化したりしたらどうするの?」
「大丈夫だよ。サードの管理より全然力使ってないもん。何日もだとツラいけど1日なら平気だよ」
「本当か?」
「ツネノリまで疑う」
「それは千歳様がすぐに無理をするからです」
「うぅ…、信用ないなぁ。もう、大丈夫なの。いいから食べようよー」
「ほら、お父さん。お金出してくれたんだから挨拶してよ」
「何?…あー、この度は無事に千歳も帰ってきて常則とメリシアの結婚についても進展した事で倹約家の俺が全額を…全額……くっ…なんだあの請求額は…、全額支払って宴を開いたので飲んで食べてしてくれ!」
こうして宴が始まった。
「最初はこれよ」と言ってお母さんが持ってきたのはさつま揚げの詰め合わせ。
「お酒のおつまみにどうぞ」と言って皆で1人2枚ずつ行き渡ると食べ比べてみる。
お父さんが「今日の為に酒を買った!俺とツネジロウには高級焼酎!ツネノリとメリシアと千明には高級日本酒!ノレルとルノレはウイスキーとワイン!ノレノレと千歳は産地直送の搾りたてリンゴジュースとみかんジュース、それとぶどうジュース!
ツネジロウに知らせない為に昨日ログアウトしてからお急ぎ便で買ったりお店寄ったりしたぞ!」
「おお、気張ったなツネツギ。飲むぞ!」
「父さん、これお米のお酒だよね!ありがとう!」
「お父様、ありがとうございます」
「常継さん。ありがとうございます。ツネノリ、メリシア。飲みましょう?」
「ツネツギ、私の好みを覚えていてくれたのね。ありがとう」
「すごーい、ツネツギの凄い奢りのお酒だ!」
「あれ?ノレノレお母さんはお酒飲まないの?」
「母ちゃんはあまり酔わないから今日は千歳とジュースのほうが良いんだよ」
「ツネツギ?私の分が無いではないか!」
「その言葉を待ってたぜルル!お前の分はコレだ!コーヒーリキュール、紅茶リキュール、カルーアミルクだ!」
「何だこれは?」
「スイーツみたいな激甘の酒だ。まだ飲ませた事が無い酒だ」
「何?スイーツだと?でかしたぞツネツギ!!」
ルルお母さんはニコニコと甘いお酒を飲んで喜ぶ。




