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サード ガーデン  作者: さんまぐ
おまけガーデン②~ツネノリ視点のサードガーデン。
175/492

第175話 俺は慣れたと思うのだが…。

千歳の知らない2月17日の話が出た。

超神が仮にゼロガーデンに何かをやれたとするとその日が濃厚になる。


「東さんの不在、ジョマの不在、王様の不在、私の不在…奴が狙うには絶好の機会だ。

でも何で記録も何もないんだろう?」

そう言った千歳はキヨロスさんにみんなの事を任せると神の世界に赴いて地球の神様に話を聞くと言い出した。

それに対して自分も行くと言うキヨロスさんを制止すると千歳は俺の方を見る。


「ツネノリ、お父さんがセカンドに行くまでメリシアさんとセカンドにいて。何かあったらすぐに知らせて。お父さん来たらルルお母さんが心配だから戻ってね」


「わかった」

俺はそう答える事しか出来ない。

出来ることなら共に行動をしてすぐ横で助けてやりたい。

だが不可能であるのなら千歳が思う存分力を振るえるように最大限やれる事をやるだけだ。


キヨロスさんが力を使うと千歳の周囲が光り輝いてから姿を消した。

その間に母さんが外に居る父さんに連絡をしている。



「さてと、ルル。ツネツギには連絡ついた?」

「送ったばかりだ、待て…、来たぞ。

もう夜だが千明と共に1時間半で開発室に行くと言う。

ツネノリ、それまでタツキアで待たして貰え。

メリシア、お父上に許可を…」

メリシアは母さんが言い切る前に「問題ありません」と返す。


「わかったよ母さん夜中になるけど日付が変われば腕輪の使用回数が回復するから…」

「いいよ、ツネノリ。回数限定のアーティファクトは使わずにセカンドとの移動には「異界の門」を使うんだ。

帰りは門を抜けたら僕を呼ぶんだ。

僕はこれから24時間体制で備える。

仮に僕が対応不能でもシモーリか子供達を交代制で常駐させるから僕に連絡は入る。そうしたらすぐにルルのところに送る」


「ありがとうございます」


キヨロスさんはもう一度周りを見る。

「皆、非常事態だ。

神の世界から千歳が戻ったらもう一度集める。

そこで更に色々とわかるはずだ。

4年前、皆が覚悟を決めて千歳が危惧した神との戦いだ。

いつ戦闘になってもいいように備えてくれ」


その声に皆が「わかってる」「任せなよ」「いつでも呼んでくれ」と言う。


俺達は皆が帰るのを見送った後でメリシアと神殿の屋上に行く。


屋上にはジョマが設置したアーティファクト「異界の門」がある。

それを使えばファーストとセカンドに次元移動が可能になる。

制約もあるが今は問題ない。


「メリシア、遂に神との戦いだ。

付き合ってくれるな?」

「当然です」

目をつむり頷きながら俺に向かって言う。


「頼りにしている」

「それでいいわ。戦いから遠ざけられて置いていかれる方が嫌よ。さあ千歳様を神にしないためにも出来ることから始めましょう」


俺達は「異界の門」に手をかざす。

「「【アーティファクト】」」


その声で門が光って俺達はセンターシティのスタッフカウンターに転送される。


「あれ?ツネノリ様、メリシア様?」

普段は訪れない日の俺達を見てスタッフが目を丸くする。


「セカンドとファーストの全スタッフ達に通達と俺達の移動を頼む」

俺の声からただならぬ雰囲気を察したスタッフがすぐに対応をしてくれる。


「元勇者、神代行が約6時間後にセカンドにくる。

その際にもう一度通達が出ると思うが外敵が現れた。

相手は神を名乗る存在で今はサードに攻撃を仕掛けてきているがいつセカンドやファーストを攻撃してくるかわからない。

どんな些細なことでもいい。何か異常があればすぐに知らせてくれ」


「わかりました」


「すまないがよろしく頼む。

次は移動だ、タツキアまで頼む」

「はい。全て滞りなく済ませておきます」


メリシアの実家に身を寄せさせて貰う。

手持ち無沙汰になった俺が手伝いを申し出るとメリシアの父さんから「バカヤロウ。休んでろ!寝てないんだろ?」と怒られてしまった。


「はいはい。昨日から寝ていないんですから、お風呂に入って寝なさい。

スタッフカウンターから連絡があれば起こしますし、ツネツギ様が来たら起こしますから」

メリシアの母さんにそう言われて逆らえなかった俺は言われるままに風呂に入る。

風呂から出るとメリシアの部屋に布団が敷かれていた。

流石に4年、セカンドの時間では12年もメリシアと共にいる訳でメリシアの部屋に敷かれた布団を見ても狼狽えなくなった。


「もう、まだ緊張しているの?」

部屋の前ではいろうと思っている俺に向かってメリシアが呆れた口調で言う。


「なに?俺は慣れたと思うのだが…」

「慣れた人は部屋の前で立ち止まって深呼吸なんてしません」

そう言うとメリシアが俺の手を取って部屋に連れて行く。


「ほら、千歳様の為にもさっさと寝ますよ」

言われるままに布団に入ると考えることは沢山あったはずなのに身体は疲れていたからかあっという間に眠ってしまっていた。



目を覚ますと6時間が過ぎていた。

予定では5時間で父さんが来ることになっていたので1時間のオーバーだ。


「起きたな」

起きたタイミングで父さんから連絡が入る。


「父さん、1時間余計に寝ていたよ。ごめん」

「いや、今は休める間に休め。

ルルの事はキヨロスに任せてある」


「父さんは?」

「俺は千明と共にセンターシティに居る。

万一、開発室に待機していたり、ゼロで備えているときに移動不能にされると笑えんからな」


「この後はどうしようか?」

「お前達はゼロに戻るんだ。流石に任せっきりと言うわけにもいかないからな。キヨロスが地球の神様と連絡を取ってくれて、千歳が今は神の世界で休息を取っているらしい。現状はあまりよくないそうだ。そこら辺の説明は又聞きよりもキヨロスから聞いたほうがいい」


俺達は指示にしたがってスタッフカウンター経由でゼロガーデンに帰ると何も言わずに家の前に瞬間移動された。

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