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サード ガーデン  作者: さんまぐ
第九章・神になった少年と半神半人に戻った女神。
148/492

第148話 テッドの帰還。

テッドはイィトから神殿の奥に用意してある神の領域への行き方なんかを教えて貰う。

イィトから「明日以降はここに来てコピーガーデンについて学ぶんだよ」と言われるとテッドも言われるままに全てを受け入れていく。


「じゃあ次ね」

ジィマがそう言うとテッドには見覚えのある場所に移動した。


「ここは…サルディニスか?」

「そうだよ。サルディニスの時間は千歳が黒いキヨロスを連れて飛んで行き、キヨロス達をゼロガーデンに戻した所で止めておいたんだ」

そうなると決戦が終わった後すぐと言う事になる。



「さあ、皆の所へ行こう」

テッド達4人は教会に向かう。

教会に向かいながらテッドが一つのことをイィトに聞いてみた。


「俺達が倒した魔物達の死体はどうなった?」

「それは千明が頑張ってくれていたよ」


「千明?」

「千歳様のお母様よ。千歳様の負担を少しでも軽くしたいと言ってサードの管理を少しだけしてくれていたのよ。

溢れないように上手いこと死体は捌いてくれていました」


そんな話をしながらテッドは教会の前に来ていた。


「どうしたんだい?開けないのない?」

「いや…」


「会いたくないの?」

「いや、会いたい」


「ふむ、それでは怖いのか?」

「…ああ、2度も死んだと思ってリリオが泣いているのではないかと思ってな。

そして生きていた事がわかった時にもっと怒られそうで怖い」


「大丈夫じゃないかな?」

「きっと喜ばれるわよ」

そう言ってイィトとジィマは扉を開けてしまった。

教会の中では泣きじゃくるリリオとそれを慰めるオプト。

そして混乱を収めるために奔走するネイが居た。


「イィト…様?ジィマ…様?」

扉の側にいた僧侶がイィトとジィマに気付くとどよめきが起こる。


「皆、ありがとう」

「この大変な時にキチンと皆を守ってくれていた事、問題を乗り越えて感謝しかないわ」

その言葉で僧たちは膝をついて「勿体ないお言葉です」「ありがとうございます」と感謝を口にする。


「イィト様!ジィマ様!」と2人の名前を呼んでネイが前に出てくる。

「今までチィト様が超神と戦ってくれていましたが、皆の傷を癒すと何処かへ飛び立たれてしまいました」


「ありがとうネイ。大丈夫よ。チィトの事も全部対処済みよ」

「ジィマ様、良かったです」

ホッとした顔のネイはようやく2人の後ろでばつの悪そうな顔をしているテッドに気が付く。


「…テッドさん?」

「ああ、ただいま」

テッドは頬を書きながらネイに挨拶をする。



「テッド…?」

泣きじゃくっていたリリオがテッドの名前と声に反応をしている。


「リリオさん!テッドさんですよ!イィト様とジィマ様がテッドさんを助けてくださったんですよ!!」

オプトの声で泣きながら前を見ると確かにテッドがそこに居る。


「テ…ッド…」

「リリオ、ただいま」


更に泣きじゃくったリリオは「テッドォォ!!」と叫ぶとテッドに駆け寄って抱き着く。


「バカ、バカ、バカ!何死んでるのよ!!」

「いや、生きていた。イィトとジィマが助けてくれた」


「でも死んじゃったと思ったの!」

「そうか…」


「そうよ!!」

そのままテッドの胸で泣きながら顔をうずめるリリオ。


「良かったなリリオ。無事にテッドが帰ってきたぞ」

戦神が嬉しそうにリリオに語り掛ける。


「…テッド?このおじさん誰?」

「戦神だ」


「えぇぇぇぇぇ?戦神?あの犬の?」

「そうだな、テッドにも驚かれたが私が戦神だぞリリオ」


「ふぁぁぁ…、犬のが可愛かった」

「そう言うな…」

戦神が呆れながら笑う。



「テッドさん」

「オプト、ただいま」


「はい!お帰りなさい!僕はテッドさんが無事だと信じていました!」

「ありがとう。リリオの事も慰めてくれていて助かった」


「いえ、でも超神が去ってテッドさんも帰ってきたから全部終わったんですよね?」

「そうだな」


「じゃあ、僕達と一緒に暮らせるんですよね?」

オプトがキラキラと目を輝かせてテッドを見る。


「父さん、母さん」

「ああ、構わないよ」

「ええ、リリオやオプトがいいと言えば構わないわ」


「テッド?」

「テッドさん?なんでイィト様達をお父さんお母さんと…?」


「イィトとジィマは俺の神の世界での父母になってくれた」

その言葉で沸き起こるどよめき。


主にネイの声が大きかった。

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