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選手入場ッッッ!!




 錚々たるメンツ。


 エントリーナンバー01! 英雄グラシス!


 討伐隊の中の一番の常識人。しかしその行動は常に非常識。

 生まれ育った母国のリラル王国から英雄の称号を授かっていたが、頭お花畑故に裏切り者に成り下がり、その人生はジェットコースターのように激しく乱高下している元凄腕冒険者兼現開拓村村長。


 有能なはずなのに常に面倒事を持ち込んできて私を困らせがちな人。今、最前列。


 その彼の周りには、かつて自分を殺そうとした母国の同僚達が索敵している。残念ながら空気はお世辞にも良好とは言えません。

 ここで会ったが百年目、どさくさに紛れて元同僚にぐさりとやられないように、頑張って。


「その紹介はやめろ。誰に向かって言ってるんだ? ……つーか、相当俺を恨んでないか?」


 ソンナコトナイワヨ。




 エントリーナンバー02! リラル王国の王子、クラリア!


 完璧という言葉は彼のためにあると言っても過言ではない。

 背は高く、顔は端正に整っていて、頭の回転も早すぎて正解を突き破って通り過ぎてしまうくらいの切れ者。何という優良物件。


 一国の王子という地位にいながら民のことを第一に考えている。部下からの人望も厚く、そこが正直私若干苦手です。


 何故か討伐隊のメンバーにいるが、その実力は未知数。王子なのに戦えるの!? 未だに片鱗を見せていないので今後に期待。


 なにげにグラシスさんの元上司。

 思わぬ場所での鉢合わせ! これが運命なのか? さぁ果たして自国を裏切った英雄と共闘できるのか? 見ものですわ。


「貴女にそう言っていただけるのは嬉しいですね。……彼のことは問題ありません。部下にも手を出さないよう言ってあります。今は魔神のことが重要ですから」


 つまり魔神討伐後はわからない、と。



 

 エントリーナンバー03! 獣人王子フェロア!


 背丈、体格は共に人間より一回り大きく、がっしりとした筋肉を纏っている。だけれど見た目はもふもふ! 

 鋭い爪と牙は飾りかと疑いたくなるほど、性格が良い獣。


 討伐隊に参加しているが、すぐ隣は今も戦争状態中の隣国王子。仇敵同士一触即発! 

 両方とも部下達を引き連れての参戦。さぁどうなるか。乱戦始まったら要注意です。


 ぶっちゃけいいヤツ過ぎてこれ以上言うことがあまりない。


「同族のために、ここで食い止めねば」


 一言コメントも頂いたので、次。



 

 エントリーナンバー04! 世界最大規模の神殿に聖女と認められている、ホンモノのバケモノ。ライシェ!


 癒やしの女神エリスミーラのみならず、雷神ヴァリードゥの加護も授かっている。

 両方の加護は共に聖女と呼ばれるのにふさわしい高レベル。その実力は折り紙付き。

 正直これはこれで人間でありながら人外。

 こんなのと同僚なんて、きっと何かの間違い。


 討伐隊の中で唯一コイツの戦闘スタイルを知っている身としては、できればコイツと一切関わり合いにはなりたくないのが本音。 

 こんなのと同僚なんて、きっと何かの間違い。


 長い金色の髪と、百人に聞けば百人が美人と認める美貌と、スラリとした抜群のスタイル。まさに恵まれ、神々の寵愛を一身に受けた人間。

 殺した異端の数は数え切れず、泣かした男は星の数ほど。返り血が似合う女性ナンバーワン。

 こんなのと同僚なんて、きっと何かの間違い。


「リヴィエちゃんと一緒に魔神討伐~ふんふん~」


 何故か私のことが大好きな模様。

 同時にリヴィエ有能説を広めた犯人。おかげで現在、クラリアとその部下達に私は神殿の最終秘密兵器と盛大に勘違いされている。

 そして鼻歌交じりにちょっと魔神ボコってくるノリはどうかと思う。人外は貴女様だけ、私を入れるな。


 

 

 エントリーナンバー05! 古臭いトカゲ。


 人間の姿は仮初の幻、真の姿は空を駆け抜ける龍。

 実力は神々にも匹敵する。正直コイツ一人でいいじゃない感すらある。私を巻き込んだ元凶であり、性悪オラオラ系である。


 押し売り下僕選手権において同位で優勝をしており、更に私と一度殺し合った睦まじい仲。

 人外すぎるというか人外なので、コメントしづらい。


「てめえ、古臭いとか言うな!」


 次行きますね。



 

 エントリーナンバー06! マンドラゴラの女王、リティ!


 私に忠実すぎるゼロ歳児。

 見た目は大人のお姉さん、頭脳は大賢者級。だが生後数ヶ月。


 配下のマンドラゴラを動員すれば国の一つや二つ、容易く落とせてしまう。……いつの間にそこまで進化した?


 幸い、今回の戦いにマンドラゴラ達は参加していない。というより、できない。

 流石に堂々とあの子達を出したら、刺殺官の疑いの目はあっという間に向けてくる。


 更に言えば、あの子達がいない。それが意味することは――もともとマンドラゴラ頼りの戦いがメインな私は丸腰に近い。

 だから現状リティとトカゲに守ってもらうしかない。


 ……問題はトカゲはともかく、リティも知らない間かなり強くなっていた。

 出発前新技をいくつか見せてもらったけど、ドン引きするくらい強い。


 その中で最も強力なのは寄生の種。

 敵に植え付けたら一瞬で成長し、相手を支配する。

 動物だろうが植物だろうが無機物だろうが、植え付けられた種から生えた根と幹、葉っぱは疑似神経、骨格、筋肉を模し、ゴーレムに近い即席マンドラゴラ兵を作り上げる。


 流石にこれは私もできない。

 単純に寄生する特性を持つ植物ならば探せばいくらでも見つかるだろう。けれどこの技はもはやバルティアの加護の範囲を超えている。


 

 

 最後、私とその他大勢。

 その他大勢。主にクラリアとフェロア両王子の部下。


 えぇ、まあ、人間王子と獣人王子の部下は言うまでもなく、精鋭です。

 でも私は戦力にならない、数合わせ。

 

 以上。




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