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魔王様降臨


「さてと、腹はいっぱいになったな?それでルーは、俺に何か用か?」

おやつの時間は終わって、ルナ達の前には紅茶が並んでいる。しかし体勢は変わらずギルバートの膝の上で抱っこ状態。

「その前にギル様、下ろして下さい」

自分のお腹の前で組んでいる手を叩く。

「ああ?もう今更だろ?いいから要件を言えよ?何か欲しい物でもあるのか?」

ギルバートの態度にルナは心の中でため息を吐く。


(ギル様といい、ミラといい私の事いつも子供扱いして、確かに私は皆様より2歳年下ですけど、立派なレディなのに〜)


「欲しい物などありません。それよりも私ももう立派なレディなので、子供扱いは辞めて下さい」

 プイっと拗ねた様に頬を膨らませ、顔を背けたルナ。

「くくっ、立派なレディはこの程度の戯れに拗ねてなんて見せないぞ?」

「す、拗ねてなんてないです!もうやっぱり下ろして下さいまし!!」

揶揄うように笑っているギルバートに、カッと頬を真っ赤に染めたルナはジタバタと暴れ始める。

「くくっ、拗ねるな、拗ねるな。本当に可愛いなお前は」

 暴れ始めたルナを落とさない程度に拘束して、ギルバートは楽しそうに笑う。ルナは力の限り暴れているのに、ギルバートの腕が緩む事がない事にまた拗ねて見せる。それをギルバートがまた楽しそうに笑うという悪循環が出来上がってしっている。

「もう、放して〜・・・っ痛!」

 叫ぶと同時に、頭を鷲掴みされてギルバートの肩に押しつけられる。


 キンッ!キンッ!!


「・・・不敬罪で処分してやろうか?この野郎」

 金属が何か硬い物にぶつかった音がしたと同時にギルバートの聞いた事がない程の低く怖い声が聞こえてくる。

「・・・構いませんよ?貴方が溜め込んでいる書類の全てを放棄してもよろしければね?・・・それよりも」

「チッ!!」

 舌打ちと同時にルナの身体がフワリと浮かぶ。


(・・・えっ?)


 抱き上げらると同時にフワリと彼のコロンの香りがした。

「・・・カイン様?」

 抱き上げた方の名前を呼ぶと、カイン様ふんわりと微笑み、ルナを愛おしそうに見つめていた。

「お久しぶりですね。私の可愛い婚約者殿。いけませんよ?こんなケダモノの部屋にくるなんて、困った事はまず私に相談すると約束していたでしょ?」

 耳元に甘く優しい声が少し諫める様聞こえて来る。それだけでルナの顔は真っ赤になり恥ずかし過ぎてカインの肩に顔を埋める。


(やめて〜〜〜!!その声で耳元で話さないで下さい〜〜!!)


「おやおや、私の可愛い婚約者殿は甘えん坊さんですね、さっ、こんなケダモノの部屋ではなく私の部屋に行きましょう」

 ふふっと笑って、態とルナの耳元で話す。ルナが自分の声を好きな事を知っていながら。

「待て待て!!誰がケダモノだ!?ちゃっかりと自分の部屋に連れ込むな!」

 自然に執務室を出ようとしていたカインをギルバートは焦って止める。

 「チッ」

 小さく舌打ちが聞こえる。

 止まったカインにギルバートはため息の吐き、ソファーに座り直した。

「それから、ルナがもう限界だから放してやれよ」


(よく言って下さいました!ギル様!よくカイン様を止めてくれました!)


 ギルバートの言葉でルナは微かにカインから離れようと身じろぎをしたが、

(あれ?離れられない?それどころか力が・・・?)


 放すどころかカインのルナを抱き上る力が強くなっていき、最終的にルナの身体は身動きが全く取れなくたった。

「カイン様、放して下さい!」

 どんなに足をバタつかせても、腕を突っ張ってもカインの腕はびくともしない。それどころかギルバートみたいに楽しそうに笑っている。

(ギル様だけではなく、カイン様まで〜〜!人の事子供扱いして〜〜!)

 悔しくてじんわり涙が出てくる。

「カイン様は、そうやって私を苛めて楽しんで〜〜!いくら私が嫌いでも酷いです!!」

「「は?」」

 ルナが叫ぶとカインとギルバートは同時に呆気として、二人は珍しく呆然としていた。


 バンッ!!


 同時に執務室の扉が大きな音をたてて開いた。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

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