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幼馴染(殿下)に相談?


「珍しいな、お前が一人でここに来るだなんてな」

決して豪華ではない執務室で、グーリンド王国王太子のギルバート殿下は少し意地悪そうに笑っている。


少し人見知りのルナだけど、不思議とこの方の笑い顔は怖くはなかった。


「殿下の貴重なお時間を頂いて申し訳ございません」

ルナは少し拙いカーテシーをして、畏まった話し方をすると、目の前のギルバートは不愉快そうに眉を顰めた。

「辞めろ、ここには俺の側近しかいないそんな話し方をするな」

昔からギルバートはルナやミラが貴族らしい振る舞いをすると機嫌が悪くなり、すぐに辞めるように言う。

「分かりましたわ、殿下」

機嫌が悪くなってしまっては大変と思い、すぐに口調を改めたが、ギルバートの機嫌がまだ戻らない。

「殿下?ルー、お仕置きが希望か?」

お仕置きと聞いて、ルナの身体がビクッと震えた。まるで、小動物の様な反応にギルバートはニヤリと笑った。


(あっ、これは意地悪を考えている顔だ)


「ギルバート様!ギル様!!これでいいでしょう!?」

ルナは慌てて、ギルバートの愛称を叫ぶ様に呼んだが、すでに遅かった。

ルナの身体がフワリと浮き、そのままギルバートの膝の上に降ろされ、ガッシリとお腹の前に手を組まれて、ルナが逃げられないようにする。

「っ!!」

驚きのあまり身じろぎしたが、小柄なルナの力などギルバートにとっては無抵抗に等しい。

「くくっ、たまにはいいだろ?膝抱っこ、今日はミラもカインもいないんだ」

「・・・側近の方々がいます」

いくら幼馴染の2人がいないと言っても、2人っきりではない。恥ずかしい事には変わらない。

「気にするな、ほら、このタルト好きだったろ?口を開けろ」

ルナの前に差し出されたのは、ルナの大好き桃のタルト。思わずいつもの癖で無意識に口を開けてしまう。

ギルバートは楽しそうにルナの口の中にミニタルトを放り込んだ。

んっんっと小さな口で咀嚼している姿はまさに小動物の様で、ギルバートだけではなく執務室の中にいた側近達も癒されていた。

「あぁ〜、癒されるは〜、やっぱり俺の部屋で飼っちゃ駄目か?」

不穏な言葉を言うギルバート。だがせっせと餌付けをされて口の中がお菓子でいっぱいのルナは飲み込むのが精一杯で聞こえてなかった。

「・・・殿下、刺されますよ」

「分かってる、俺だって命は惜しいさ」

誰にと言わなくても、ギルバートと側近の会話は成り立っ

た。


ここまで読んで頂いてありがとうございました。

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