幼馴染(令嬢)に相談
「と言うわけで、私を助けて下さいませ、ミラ!!もう貴方しか頼れる方がいないのよ!」
ここはルナの幼馴染兼親友のミラ・フォルトンの屋敷。
ミラは王国の4大貴族の一角のフォルトン公爵家のご令嬢で本来ならルナが声を掛けるのに戸惑って仕舞う程の高貴な身分のご令嬢。
(まぁ、カイン様も同じ4大貴族の一角なのですけどね。そう考えると、殿下も含めて私の幼馴染は凄い方ばかりね)
ルナはミラの屋敷で人払いをして貰った瞬間、ミラに縋り付いた。
若干?取り乱しているルナと違って、社交界の華と言われる程美女のミラは落ち着いて紅茶を飲んでいる。
「・・・無理ね」
紅茶を飲んで、ふーと一息吐いたミラは静かに言った。
「何故ですの?ミラならカイン様を止められるのではなくて?同じ4大貴族だし」
ミラの否定にルナの顔色が白くなっていく。ルナの顔色を見てミラはクスリと笑って、ルナの口にクッキーを押し付ける。
「そんな顔しないで、ルー、可愛いお顔が台無しよ」
「だって、ミラが無理って・・・」
(4大貴族のミラまでも無理って言える程魔王様は強敵って事?)
考えるだけでも恐ろしい。
震えて泣き出しそうなルナ。ミラは軽く首を振ってルナの言葉を否定する。
「4大貴族という話ではないのよ。あの腹黒鬼畜男が、ルーに対してここまで強行手段を行ったって事は、もう準備が出来上がってしまったと思うのよ」
「でも・・・だから、ミラに・・・」
震えているルナをミラは抱きしめて、頭を撫でてあげる。平均よりも小柄なルナはミラの腕の中に入ってしまう。
「あの腹黒鬼畜男の障害は、ルーの家族と私。叔父様達はもうすでに懐柔済み。多分私に対しても何かしらの手を打ってる筈よ。ここで私が出たとしてもいい結果にはならないと思うのよ」
ルナよりもミラの方が頭がいいし、冷静に物事を考える事が出来る。
ルナはこの親友に多大な信頼を持っていて、彼女が駄目と言った事に、今までで間違いはなかった。
(ミラまでも駄目なの?私にはもう・・・不安だけとあの方が味方をしてくれるかしら?)
ルナは最後の幼馴染で、唯一彼が逆らえない方の顔を思い出した。
「ルー・・・駄目よ。その人は貴方の味方にはならないのよ」
ミラの忠告には、茫然自失のルナには聞こえなかった。
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