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ノーライフキング様は隣に  作者: ねこライク
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第一章 プロローグ


私は今、恋をしている・・・らしい。



なぜ疑問形になっているのかというと、自覚がないからである。

実は私は、恋愛に興味があまりない、今どきはレアな中学2年生である。


いつの間に私は恋をしてしまったのだろう?

実はこれ、結構長い話になる。


話はさかのぼって、私が中学1年生の頃。




私はあの頃、毎日のように走っていた。

なぜ走っているかって?


理由は簡単、私は中学1年生のごく普通の陸上部員なのだ。

こんな風に走りながら何かを考えられるのは、私が長距離専門だから。


今週は大会もあるし、今はとにかく走り込みをしている。



でもね、内心しんどい。



この前の初めての大会で上位10位に入っちゃったから、先輩や同級生からの期待が・・・。


まぁ、頑張るしかないけどね!


ふと視線を横にずらすと他の部活の人達も走ってる。


陸上部の長距離は、校舎周りを使うトレーニングを中心にしている。

だが、これは他の部も例外ではなく、体力づくりのために走ったりする部活も多いのである。



今はまだ、私たち1年生が部活に入って2ヶ月ほどしかたっていない。

だから、他の部活の1年生は基礎的な体力づくりもかねて走らされているんだろう。

走るのが苦手な人からしたら地獄だろうけど・・・。



だが楽しくやっているようで、話しながら走っている人達が多い。

勿論、ペースは私達のほうが断然はやい。



なので走っていると人を何人かぬきながら走る事になる。

でも、ごくごくたまに、競争を仕掛けてくる人もいる。



「お、陸上部だ!ぬいてやろうぜ!」



とか言いながら全力で来る。


いや、私長距離だからね、そんな全力ダッシュとかしたら後で地獄だからね。

内心でそう訴えるが、声には出さない。だってしんどいし。


正直言って、めんどくさいからやめてほしいが・・・。


でもまぁ、ある意味この人達と競って走った方が、ベストが出るのは事実なんだけど・・・。


私は何となくペースをあげて走った。





そして部活が終わり、先輩に挨拶をしてから私は校門の前に向かった。

ここで一緒に帰る親友を待っているのだ。


私の親友は剣道部に所属していて、毎日真面目に部活動に取り組んでいる。

2年生になったら副部長になってたりして・・・。

まだわからないけどね。


その時完全下校のチャイムが鳴った。

チャイムを聞いた途端に校門に向かって一斉に走り出す生徒達。


因みに、この中学では、完全下校のチャイムが鳴り終わった時に、学校の敷地内にいたら先生に怒られるのだ。怒られる理由はよくわからないけど・・・。


だからみんな頑張って走っている。

よく見てみると体操服姿で走ってくる親友の森本優香の姿が見えた。




「はぁ、間に合ったー。ごめんね、待たせちゃって。」


息を切らしているが、優香は平気そうだ。


「全然いいよ、気にしないで。最近部活どう?」


「ん~、なんか先輩1人来なくなっちゃった。よくわからないけど。」


「あー、幽霊部員ってやつ?」


「うん、多分そうだと思う。あ、でもね・・・・・・・。」


と、いつもと同じように最近あったことを話す。


優香と私は特に約束はいていないが、なんとなく家も近いし、一緒に帰っているだけ。

これだけ聞くと、昔からの幼馴染って感じがするけど、そうでもない。


優香は私が小学4年生、夏休みになる直前に転校してきた。

そして驚くことに、優香の家は私の家の5つ隣にあるマンションに住んでいる。


なので、私はその当時から、よく優香と登下校をしていた。


多分、親友的な感じだったと思う。

小学生の頃には、もう1人、仲の良い友達がいたのだが、今は別の中学校にいる。

たまに一緒にカラオケとか行くこともあるけどね。


因みに、私たちの中学校は私たちがついこの前通っていた小学校の真横にある。

だから通学路はあまり変わらず、数メートル距離が伸びただけ。

でも、この中学校は私達が通っていた小学校ともう1つの小学校が一緒になる。

クラスの半分ぐらいは違う小学校から来た人たちなのだ。


そして私は、20分程で家に帰った。




家に帰ると、飼い猫のケイとアメリがやってきた。

ニャーニャー鳴きながら私の足に頭をこすりつけてくる。

これがまた可愛い・・・。


私は靴を脱ぎ、自分の部屋で服を着替えた。

そのままリビングで1匹の猫を撫でる。


ゴロゴロ言いながら目を閉じる猫。

この子はユウ、ケイとアメリの子供。

生まれつき足があまり使えない。


でも、よく食べるしよく寝る。健康そのものだった。


ユウが寝た後、自分の水筒を台所で洗った。

そして自分の部屋で今日学校で出た宿題をやる。


宿題は3つ。数学と国語と社会。

案外簡単で30分かかったかな?

意外とすぐに終わったので、私の部屋のベッドで寝ているケイを撫でる。


その時、家の門が開いて、母が帰って来た。


「ただいま~、今からご飯作るね。」


母はそう言ってすぐにご飯を作り出した。

その時、学校が終わったらすぐ帰る主義の双子の兄、春樹が眠そうな顔で自分の部屋から出てきた。


実を言うと兄は部活をサボって家に帰ってきている。しかも無断欠席・・・。

兄は男子テニス部に入っているんだが、顧問の先生に私が文句を言われることがある。


兄のせいで私まで問題児のようだ。


でも、私は兄とは違って毎日ちゃんと部活に行っている。

多分1年生の中で、出席日数は私が1番だろう。


ほかのみんなはずっとしゃべってばっかりで、あまり練習していない。

私としては、ちゃんと練習してほしいけど・・・。

そして私は母が作ったご飯を食べ、お風呂に入って、ベッドに入った。




翌朝。

ジリリリリリリッ


目覚まし時計の音で私は目を覚ました。

そして今日はうちのクラスで小さなイベントがある。



皆さんご存じの!席替え!



私は服を着替え、歯を磨き、朝食としてサンドイッチをほおばった。

今日の席替えがどうなるのか、期待に胸を膨らませ、私は家を出た。



少し歩いて、ベンチに座る。

家のすぐ隣に、小さなベンチがあるんだけど、そこで今、優香を待っている。

私がベンチに座っていると、優香はすぐに来た。


「ごめんね、遅れちゃった。」


「全然だいじょーぶ!行こ!」


私達は、小学生の頃から同じ通学路を通って、学校へ行った。




学校へ行くとみんな今日の席替えのことを話していた。

席を変えるのは、今日の朝読書の時間を削って行う。

ただ、席替えだし、みんなでくじを引いて、席を変えるって思ってたんだけど・・・。


さすが中学校・・・。

どうやらすべての席は、先週決めた班長が決めるらしい。

それを早く言ってよ!っと心の中で叫びつつも、班長が決めた席を見て、みんな移動を始めた。



何ということでしょう!私の席は窓側の後ろから2番目!

さらに!右後ろには優香!最高かよ!


で、私の隣はというと、ん?あ、同じ小学校の男子じゃん!名前は確か・・・。


「綾斗?」


私の目の前に現れたのは、眼鏡をかけた知的な男子。

でも私は知っている。こいつはめっちゃ絵がうまい事を。

私はこれでも漫画のイラストとかならある程度は書けるが、こいつはそれ以上。


ある意味神と言っていい。

小学校の頃はよくどっちのほうが絵が上手いか的なことをよく対決していた。


「よぉ、小坂が隣?」


「そーみたい。でもこの班面白くなりそうじゃない?」


「あー、確かにな。お、新妻じゃん。」


綾斗は私の後ろに座っている新妻拓也と話し始めた。

この班の班長は新妻である。


この班は楽しくなりそう。

私はそんなことを考えながら、優香と話し始めた・・・。




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