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転成転生  作者: Lazymen
3/5

1話 硬質化


 ーあれから10年ー



 ー第一章 世界の終わりー



 (いきなり10年経って終わるんだな)



 (おや?)



 気付けば12歳の少年の中にいる。



 (視点変更したの?)



 おれはもうすっかり疲れてしまって気付くのが遅れた。



 世界は動き出したようだった。







 「ふぁーいい感じ」




 起床した男の子の名前はヘロ。



 エメノイとユダの間に産まれた奇跡の子だ。



 幼少期に同い年の子供を殺して鬼跡の子になった。



 殺した子供は地元で勇士の子だった。



 子供を裁くこともできず責任は親が負うことになり迫害は必至だったが、勇士の寛大な処置もあり追放で済んだ。



 路頭に迷う王族の姿を事情の知らない人々は好奇の目で見ていたが、やがて勇士の母親が叫びながら恨み言を叫びだすと人々の表情はみるみる忌まわしいものを見る目へと変わっていった。



 「気にしないことだ。当然のことなんだ。生かしてもらえるだけで感謝しなければいけないよ。」


 「・・そうですね。この子は鬼の子。でも見捨てるわけにはいかない。しっかり見守っていきましょう。」



 「うん」



 怨嗟の声が遠退き暫くすると木々の間から人影が出てきて道を塞ぐ。



 人影が動くとその場には血溜まりができた。





 「早く起きなさい。もう7時よ。」



 (はー超絶美人だな・・)



 「はい。お母様。」



 (おかあさま!いいとこの坊っちゃんだったのか)



 鏡の前で身だしなみを整える。



 (おー似てないけど超絶イケメンだな こうなると父親が気になるな)



 長いフロアに出て石畳に絨毯が敷かれた階段を降りると絢爛な様子が見える。



 (これは只者の住む家じゃないな)



 無意味なほど長いテーブルの先端には既に着席している男がいる。



 (目付き鋭いしイケメンではあるが似てないな)



 「おはようございますお父様。」



 「今夜の生誕祭は成人の儀も兼ねた特別なものだ。確と準備に励め。」



 「はい。しかと努めます。」



 (12で成人か 早すぎるな)



 「儀式で使われる剣には伝説がある。資格を試すものとしても格別なものだ。今までのヘロの行いを試される。決して偽ることなきように。」



 「かしこまりました」



 (伝説ねぇ おれの勇者伝説は一体どうなるんだ・・)



 「緊張しますわね。」



 「心配要らぬ。問題はない。そうであろう?」



 「不安はありますが最善を尽くします。」



 (お堅いな 苦労してるんだろうな)



 食事を済ませた父親は席を離れ、ヘロは母親の反対側へ座る。



 先程までの緊張感はなくなり母親はにこやかだ。



 「もう成人なのね・・。長かったわね。」



 「そんなことありません。学校も毎日楽しくてあっという間です。」



 「ふふ、成人になっていよいよ養成学校よ。」



 (ずいぶんと雰囲気が変わったな)



 「お母様、気が早いです。まずはどうか儀の成功を御祈りください。」



 「そうね。祈祷師は17時から準備にかかるからそれまでに準備なさい。」



 「承知しています。お手を煩わせたくありませんから。」



 「いい子。また子供欲しくなっちゃうわ。ふふ。」



 「兄弟が欲しかったです。」



 「あら、初耳だわ。そうね、きちんと考えておきましょうか。」




 (なんかぎこちないやりとりしてるな 10年で何があったんだまったく)



 朝食はあっさりしていて完食までさほど時間がかからない。



 見た目は華やかだが身が少ない。



 ヘロは食事を済ますと部屋に戻る。



 (言葉使いとは裏腹で意外に散らかしてるな)



 寝間着ポケットにある鍵で勉強机の鍵付き引き出しを開ける。



 中にある引き出しの上に手をあて何かを外す。



 隠しスペースのようだ。精巧に作られていて大人でも気付けなそうだ。



 そこから取り出した3枚の紙の1枚は相関図が描かれている。



 (相関図に書かれてるのは名前か)



 2枚目には紋章のようなものが描かれている。



 (んーさっぱりわからないな)



 最後の紙は随分くすんでいて日付に計画という文字が見える。



 (この数字の法則性はなんだ 年かな?それにしても)



 ヘロはその紙を再び畳んでは別の引き出しからライターを取り出す。



 蝋燭に火を付けその炎を借りて畳んだ紙を燃やした。



 別の蝋燭の受け皿に燃える紙を置き見つめているがその目は険しい。



 (これは 証拠隠滅行為のようだな・・)



 紋章が描かれた紙は残してハンガーに掛けられたきらびやかな衣装の内ポケットに収められた。



 「ふー」



 そう嘆息しては机の上の木箱を開ける。



 あるのは柄にも装飾された短剣。



 (儀式に使う剣か)

 


 手に取り机に置くと着替えだした。



 (おっとのぞきの趣味はないが男だし気にすることはないか)




 (ちょちょまちょまちょまてよ!)



 さらしの上にわずかに山がある。



 ヘロは女だった。

実体がなくてもきっとそうなるはず

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