近所のじいさんが光る竹を切ったら、美少女が出てきたって言っていたから嫁が欲しい俺も執念で光る竹を探し出して喜び勇んで切り倒したら中から思っていたのと違う変なのが出てきた。
「なんじゃ、これは?蛇のように長く、ナメクジのようなぬめりがあり、おまけに赤黒い濁った色をしておるぞ」
『うむ、どのような目的があるのかは知らぬが何故、邪神と呼ばれる妾の封印を解いた。人間よ』
「うお、喋った!よし、ではまず一物に巻いてみよう」
『そうか妾を一物に巻く、それが妾の封印を解いた貴様の目的か…ってそりゃどういう目的じゃ!』
「いや、すごくぬめぬめ、ぐにゃぐにゃしているから一旦、一物に巻いてみようかなと」
『待て頭のおかしいことを言いながら着物の帯を解くではない!一旦巻け!』
「よしならば巻かせてもらおう」
『そっちの巻くではない!着物の帯を巻け!その汚物を一旦しまえ!』
「あぁ、帯のほうか」
『ふぅ、汚物をしまったか。会話はできるようで、まだ助かった。ところでまずは言わせて貰おう。お主頭おかしいじゃろ?』
「?」
『ぽかんとした顔するやつがあるか!どう考えてもお主は頭可笑しいじゃろうが!』
「どの辺りが?」
『え、本当にわかっておらんのか?胸に手を当てて自分の行動を振り返ってみろ!』
「えーと、昨日近所の爺さんから昔、光る竹を切ったら美少女が出てきたという話を聞いて、嫁が欲しいわしはその話を聞いた後一晩中、今まで無我夢中で光る竹を探しておった。そしたら赤黒い光が見えての。その竹を切り倒したらお主が出てきたというわけじゃ」
『予想以上におかしい奴で、言いたかったことと違うおかしなこと言い出しおった。とりあえず、これ竹じゃなくてどう見ても祠じゃろ!色とりどりのお札で彩られて触っちゃいけない雰囲気出しておるじゃろ!』
「本当じゃ!割ったのは祠じゃったか!美少女とまぐわうことだけを考えて必死じゃったから全く気づかなかったわい」
『そうか、お主は下半身だけで動き回り、完全に妾が邪神とか知らず力任せに封印を解いたと…』
「よくわからんがそういうことらしいの。じゃぁ、封印を解いたお礼にそろそろ一物に巻かせてもらってよいかの?」
『だからそこ!妾が最初に頭おかしいっていったのそこのところじゃ!』
「?」
『だから不思議そうな顔するな!おかしいじゃろ!妾最初に邪神って自分で言ったよね!どこの世界に邪神を一物に巻くバカがおる!って自信満々に自分を指差すなバカが!言っておくけど妾本当に邪神じゃからね!絶対そんなことしたら祟られるからの!覚悟しておけよ!』
「祟られるってどんな風にじゃ?」
『た、例えばミミズに小便をひっかけると、その…、一物が腫れるというじゃろ。あれの数倍は酷い事に…』
「数倍じゃと…。望むところじゃ!」
『お主は何を望んでおるのじゃ!えっともう腫れるとかそういう段階ではない。そうもげる!もげるぞ!』
「ん?さっきから言っておることが二転三転しておらぬか?自分を一物に巻かれたくないから嘘を言っているのではないか?」
『むぐ、竹と祠を間違えて切った下半身脳のくせに妙に鋭い、いや下半身のことだからこそ鋭いのか!待て帯を取ろうとするな!本当にもげるぞ!少なくとも絶対に祟り的なやつは下半身に呪いとして降りかかるぞ!』
「そうか!しかしやるかやらぬかで言えばわしはやるほうだ!」
『躊躇なく言い切った!この男本当に頭が可笑しい!…まずいぞ、封印を解かれたばかりの妾は力が弱りきっておる。このままでは一物に無理やり巻かれてしまう。それだけならまだしも妾の本当の姿が美少女であると知られればどのような酷い事をされたものかわかったものではない。妾のこの姿にすら性的な劣情を抱く異常者じゃ。疑う余地はない。早くこの場から離れなくては』
「おっと何かぶつぶつ言いながらどこに行くつもりじゃ!」
『まずい!いや!怖い!しまった、生命の危機に瀕して身体が勝手に元の美少女に戻りそうになっているのじゃ!駄目じゃ!』
ボン!
「なんじゃこの煙は!って持っていた赤黒いひも状の生き物が人型に!」
『終わったのじゃ。きっとこれから妾は酷い事を…。誰か助けてなのじゃ!』
「…えっと卑猥なこと言ってすいませんでした。同心呼ぶのと近所に言いふらすのだけは堪忍してください。それじゃ、わしは光る竹探さなきゃいけないんでこれで…」
『…おい、ちょっと待つのじゃ。なんじゃその冷めっぷりは!』
「どうしたことじゃ!手を捕まれただけなのにまったく動けぬ!」
『説明しろ。先ほどまで紐相手にいきり立っておったくせに妾が真の姿を見せた途端、その冷めっぷりどいうことじゃ。頭の可笑しい色狂いの分際で稀代の美少女たる妾が醜女だとでもいうつもりか?』
「いや、醜女も醜女で好きなのじゃが醜女どころかあんた完全に童女じゃろ?いくら村で性欲の権化といわれるわしでも童女を襲うような人道に反する趣味は流石にない。わかったら手を離してくれんか?それにしてもこの子供何故こんなに力強いんじゃ!」
『誰が子供じゃ!妾が貴様のような人間風情の何十倍長生きしておると思うとるか!妾のような大人の女を捕まえていうにことかいて子供じゃと!子供!絶対に許さん!絶対に許さんのじゃ!』
「痛ぇ!わかった!それ以上強く握られると腕が折れるからもう堪忍してくれ!お主は大人の女じゃと思う!思うからこれで堪忍してくれ!」
『そうか認めるな!妾を天下一の美少女だと認めるな!』
「それには異論が…、痛ぇ!認める!認める!」
『ふう、であろう。では今から妾を襲え』
「?」
『何を呆けた顔をしておる』
「お主、頭おかしいじゃろ?って痛ぇ!」
『聞き間違いかの?お主のような頭の湧いた男がこの天下の美少女たる妾に今何と言うた?』
「痛ぇ!痛ぇがここは譲れねぇぞ!頭可笑しいじゃろ!襲ってくれと言ってくる童女なんて絶対おかしいじゃろ!」
『五月蝿い!いいから今すぐ妾を襲え!』
「痛ぇけどそれだけは嫌じゃ!絶対それわしが何を言っても事案になる案件じゃもの!どんな事情があろうとも村にばれたら住めなくなる案件じゃもの!」
『えぇい!襲わぬのならこれから村に下りて性欲の塊のような男に山の中で酷い事をされたと言いふらすぞ!』
「どちらにしろ詰みじゃと…。わしはただ竹の中に入っている美人の嫁さんが欲しかっただけなのに、色情魔の童女に人生を終わらされるじゃなんて…」
『誰が色情魔じゃ!この色情魔が!妾は貴様のように下半身でものを考えているわけではないわ!ただ、先ほどお主に襲われそうになったとき思い出したのじゃ。あ、こういう時、可愛い乙女である妾を大抵顔の良い偶々現場に出くわした美青年が助けに来てくれる場面じゃと思ったのよ』
「は?」
『思ったのよ』
「駄目じゃこの夢見がちな童女が何を言っておるのか全然わからん。って痛ぇ!」
『誰が夢見がちな童女じゃ!この世界では知らんが妾の元にいた天界では出会った切っ掛けがそういったものであることがあるのじゃ!実際妾の親友であったとある女が結婚した奴には不釣合いな相手と出会ったときも下界に下りて魔物に襲われた時に助けてもらったとかぬかしておった』
「親友であったってそいつはまさか?」
『そう、察しの通り納得のいかなかった妾がその結婚式で感情のままに行動してしまったばかりに絶縁を言い渡されここに封印されていたというわけじゃ』
「察せてなかった。わしが思った悲しい話と違う方向に悲しい話じゃった」
『はん、別に主のような変態色情魔に妾の気持ちをわかってもらわんでも結構じゃ!じゃが、無事に村に帰りたくば、妾を襲え!これは絶対じゃ!わかったな!』
「痛ぇ!言っていることは全くわからんが、お主が祟り神というのはとにかくわかった!大体わしはお主相手に一物が立つような趣味は一切持ち合わせておらんぞ?」
『そこまで本格的なのは求めとらんわ!とりあえず妾を襲う手前までやれ!本番開始、三、二、一!キャー、助けてェェェェ!!!』
「ぐへへ、どうしたんだい可愛いお嬢ちゃんが一人こんな山奥でよ?」
『いや、誰か助けて!』
「つれねぇこと言うなよ。こっちにきな。手を引いて村まで案内してやるぜ」
『って妾は迷子か何かか!』
「痛ぇ!」
『やり直し!特別に妾への接触を抱きしめるまでは許すからしっかり襲え!三、二、一!キャー、助けてェェェェ!!!』
「ぐへへ、どうしたんだい可愛いお嬢ちゃんが一人こんな山奥でよ?」
『いや、誰か助けて!』
「つれねぇこと言うなよ。こっちにきな。歩けないなら抱っこして村まで案内してやるぜ。ぐっへっへ」
『ってだから妾は迷子じゃないといっておろうが!いい奴か!お主は下半身脳じゃが、根はいい奴なのか!悪人のふりの一つも出来んのか!』
「すまん、わしは正直すぎる所があるらしくての。演技というものがまるで出来ぬらしい。そうじゃ一回あの赤黒いぬるぬるした紐状に戻ってくれぬか!さすれば本当の演技が出来るかもしれぬ!」
『赤黒いぬるぬるした紐を助けに来てくれる美青年なんておらぬわ!しかし一つ閃いた。おい、しゃがんで妾の目を見よ!』
「なんじゃ?」
『暗示じゃ、妾は簡単な暗示が使える。よいか、妾はお前の好みの美少女そして襲ってくれと言っておる、妾はお前の好みの美少女そして襲ってくれと言っておる、妾はお前の好みの美少女そして襲ってくれと言っておる、妾はお前の好みの美少女そして襲ってくれと言っておる、妾はお前の好みの美少女』
「うぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!結婚してくれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
『いや、誰か助けて!』
「わしの子を産めぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
『え、何?さっきまでより数段力が強いのじゃ!これが性欲の力か!押し倒される!止まれ!止まるのじゃ!』
「はぁぁぁぁぁぁらぁぁぁぁぁぁめぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
『重い!誰か本当に助けて!こら、やめ、や、貴様どこに手を入れておるか!』
「ぐへ…へ?おかしいさっきから揉みたいものが揉めん?なぜじゃ?このごわごわは洗濯板?」
『どこを触って洗濯板と!じゃが、空想と現実の違いで意識が乱れた!今なら強い刺激を与えれば元に戻る、ちぇすとぉぉ!!』
「ぶへら!」
ゴロン!ゴロン!
「ハッ!なぜわしは泥だらけで仰向けに倒れているんじゃ!わしは一体何を、思い出せん…確か洗濯していた夢を見ていたような気が…」
『すまぬな。ここまで暗示にかかりやすい者がおると思わなんだ。あとお主が結婚出来ぬ理由もよくわかった』
「むーん、あ、思い出した!」
『思い出さずとも良いわ!』
「洗濯で思い出したがそのじいさんの連れ合いのばあさん。昔川で洗濯中に桃を拾ったら中から美少年が出てきたと言うとった!ということは今思い返せば美少女が出てくる可能性もあるのではないか?ちょっと川に行ってくる!」
『あぁ、思い出したってそういう…、って美少年!待つのじゃ!妾も連れて行け!そして美少年だった場合、こちらに寄越すのじゃ!』
この後、二人は奇跡的に大きな桃を発見したものの、大きな桃本体に欲情した男が結局取り逃がし失敗に終わったそうな。
めでたし、めでたしじゃないけどこの後、なんやかんやで二人一緒にいることになるので寂しくはない半分くらいめでたしエンド!