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地球の墓標、宇宙の海  作者: 冬野夏
episode A -6
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115


まったく、いくら技術が進歩しようと、

こいつといった存在は、その存在分はちゃっかりと食うのだから、図太いというか図々しいというか…まあ仕方がないか。

そう、つまりだ

たぶん、きみがこのメッセージに気づいたころ、

僕はもう居ない。

けれど悲しんじゃあ駄目だし、悲観することもないよ。

そのころにはきっと前よりもずっと強いだろうから。

僕が伝えたかったことは、おおよそ伝わっただろうと思う。

なんたって僕は名無しの猫だからね。

そういう意味では新種の猫。

稀有な猫だよ。

僕と知り合いであったことを自慢していい。


「私は、時間旅行をする猫と知り合いよ!」


ってね。


にしてもここまで別れの際を語っておいて、それは実際とても時間的なことなんだからまさに皮肉だ。

時間は一方的なもの、とするのもまた便宜上のものだし。

これみたいにね。

たぶん、きみは当初、与太話なオカルト、と思ってたかもしれない。

けれどじゃあ、オカルトのオカルトはどうなる?

それこそ、裏返しの裏返しで、表になるんじゃないのかな?

そうした意味でわかってもらえれば、そしてそのあと、わからないで(・・・・・・)もらえれば(・・・・・)、これはきっといい例えだったんだと思う。



時間を超越するなんて僭越ながら行うことじゃないんだ。

だからこそ僕は多用したのさ。タイムトラベルなんて言葉をね。

未来に馳せろ、なんて請うわけじゃない。

けれどね、そうしてずっと未来を考えたときに、きみは果たして、そこに存在としてそれ自体を認識できているのか、つまりきみが「未来」とする概念に対する警句だ。

それはそこにあってそこにない。

現実が、今、といった時間が、知覚した際には過ぎ去り、過去へとなることで現実なる今は存在し得ない、とするのともちょっと違う。

きっときみはそのうち、理解するよ。

いいや、もう理解しているかもしれない。

だからこそだ。

ご武運を祈る、 good luck。

そうしたやつらをきみはきっと、従えるのを嫌うはずだ。

それでも僕は言わせてもらうよ。


「どうかお元気で」


じゃあ、いつかまたきっと会うだろう。

それまでは元気でね。

名前のない猫は…




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