表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球の墓標、宇宙の海  作者: 冬野夏
41/111

41


壁際に目を向けると、何かが動いていた。

 

寝子だった。


寝子は白馬のような麒麟にまたがり、切れない(はさみ)を手に持って、

頭部に生える塔のような一角に向けてカチャカチャと動かし続けていた。



ふと背中に視線を感じて振り返る。

すると、前方に、人魂のようなものがぼんやり浮かんでいた。

それは粘土のように形を変化させていき、ウソレの顔を象った。




そこには”彼 女” の(・・・)〈亡 霊〉( ・・ )が そ こ (・ ・ ・ )に 居 て(・ ・ ・)


”彼 女” の(・ ・ ・) 〈死〉( ・ ) が こ こ に ( ・ ・ ・ ・ )な か っ た(・ ・ ・ ・)




思わず息を呑んだ。



「無事でよかったね」

三毛色の寝子は気づけば、足元に来ていて、流暢に喋る。

顔を仰ぐと吹き抜けは延々と続いているようであって行き止まりは見えず、

どこまでも続いているようであった。


寝子が風を起こすように上へ飛び退き、

姿を消した。

その後ろには、もう何も残っていなかった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ