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夢を見た。
夢の中では姉が居り、こう言った。
「父が生き返ったよ」
私は夢中で家に帰り、しかし父の姿はなかった。
姉は嘘をついた。
そう気づいたとき、私は夢の中にいることに気がついた。
目覚めた後もこの夢をよく覚えていた。
姉が嘘をついた夢として。
しかし私はそこで気づいた。
夢の中では、嘘をつけるのだろうかと。
私は自分の夢の中で、父を生き返らせることができた。
夢の中なのだから。
私は夢の中にもかかわらず父を生き返らせなかった。
姉は嘘をついた。
しかし姉に嘘をつかせたのは姉ではなく私だった。
嘘つきは私だった。




