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複雑な歴史

ミクダニア国内の旅を始めたアレイシャ達。

とりあえずは最初の小国を発ち一番近い小国のルドヴァシャに来ていた。

ミクダニアは複雑な歴史を持つ国だとエイルは言う。

そんなこの国で何を見るのだろうか。


「ねえ、この国って多民族国家だったりするの?」

「そうね、割合的には国民全体の四割程度は他国民よ」

「そうなんですか?」

「つまり多民族が興した国って事かしら」


エイル曰くこの国は複雑な歴史があるらしい。

その歴史上の関係から他国民もこの国の民として認めているのだそうだ。


「ふーん、少ないけど外国の人間も見る理由なのね」

「ええ、まあ昔から住んでるから実質的にはミクダニア国民扱いよね」

「そういう国もあるのですね、深いものです」

「でもワインが名産だったりするし、そういう知恵は入ってるのよね」


確かにそれは言える事だと思う。

多民族国家だからこその文化をこの国は持っている。


その一つが名産にワインがあるという事。

ワインは本来もっと西の国や南のグルシュ辺りが発祥と言われる。


それがこの国の名産という事は他国から伝わったものなのだろう。

そういった文化を取り入れ発展したのもミクダニアらしさなのか。


「なんにしてもこの国は複雑な歴史があるのよね、何かと」

「ミクダニアの歴史は多民族国家という形で表現されているかと」

「ヒルデの言うように多民族国家になるに至った経緯ね」

「でもその他民族が揉め事をそこまで起こさないで共存してるって凄いですよ」


セクネスもそれには驚きを隠せないようだ。

とはいえ六割はミクダニア人だし、他国の民族も細分化すると少なくなる。


他国の民族が四割と聞くと多く感じるかもしれない。

だが実際は少ない複数の他国の民族をまとめて四割である。


細かく計算すると一つの他民族はかなり割合は少なくなる。

全体の四割と聞くと多く感じるが細かく分けて全体の四割だと意外と少ないのだ。


「その他民族も隣国の人がほとんどで細分化すると一つの民族は意外と少ないのよ」

「つまり全体の四割だけど細かくしたら一つの民族は意外と少ない、と」

「ちなみにミクダニア人が約六割、エルベリア人が約二割を占めますよ」

「確かエルベリアは西の国でしたね」


ヒルデ曰く純粋なミクダニア人は約六割なのだという。

そして二割はエルベリア、あとはトネオ人などが少しらしい。


「つまりこの国はミクダニア人とエルベリア人が大半って事ね」

「そうね、まあ隣国と仲がいいっていうわけでもないけれど」

「それでも多民族の共存が実現してるだけでこの国は凄いと思うわよ」

「ええ、本来隣国とはいがみ合うものですし歴史的にもそれは言われますから」


ミクダニア自体隣国と親しくしているわけではない。

だが過去の歴史からミクダニアの味方をしてくれる隣国はあるそうだ。


それによりこの国はある程度の安定を保っているという。

外交上手なのだろうというところは感じ取れる話である。


「この国は元々勢力が分かれていてそれが統一された歴史があるのですよ」

「その勢力も他国の民族だったりだから、この国の歴史ってそういう事なのよ」

「統一国家って事でいいの?」

「国同士の統一ではないけど、表現的にはそうなるのかしら」


ミクダニアの歴史は紆余曲折があったとヒルデとエイルは言う。

今に至るまで様々な混乱や騒動を経ているのだ。


だからこそそれを乗り越えた結果が今の国なのだろう。

隣国の人間が二割を占める国というのは珍しい話だ。


それこそ他民族の血を受け入れた国なのだから。

そんなミクダニアにアレイシャ達は可能性を感じたのかもしれない。


「それよりお腹空いたわ」

「エイルさんはそれですか」

「まあいいんじゃない」

「次の小国に飛び立つ前にお腹に何か入れておきますか」


そうして適当な食堂に入りお腹を満たす事に。

この国の文化から他国の食事も味わえる。


主に隣国の料理だが、それはそれで新鮮だ。

バルディスタを発って長いが、旅はまだ序盤。


この先も様々な国を見てその国のなんたるかを知る事になるのである。

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