隣国へ入国
バルギニアを出発しミクダニアの国境に向かうアレイシャ達。
そこでも皇帝からもらった通行許可証が役に立つ。
よほど特別なものなのかフリーパス状態である。
そしてアレイシャ達はミクダニアへと入国する。
「さて、バルギニアともお別れね」
「ですね、このあとはミクダニアです」
「そろそろ出発していいの?」
「構わないわよ、国境越えたら一番近い小国に移動して」
そうしてバルギニアの首都を飛び立つ。
そのままミクダニアとの国境へ移動、国境警備に通行証を提示する。
「あっさり通れたわね」
「あの通行証効果てきめんねぇ」
「仮にもバルディスタ皇帝が特別に発行したものですからね」
「それだけ特別な力があるって事なのね」
とりあえずはあっさりとミクダニアへと入国出来た。
そのまま一番近い小国へと移動する。
その小国はサタルニツィ、国境から南に行ったところにある小国だ。
その小国で一旦今後の予定を立てる事となる。
「さて、とりあえずは首都を目指す形でよろしいですか?」
「構わないわよ、ただし直通じゃなく寄り道しつつね」
「了解よ、地図からしたらこんな感じのルートになるわね」
「首都がここですからこんな感じのルートですかね」
そうして首都への道のりを確認する。
その一方で寄り道もきちんと確認する。
そして一旦今日はここに滞在し明日から本格的に動く事とする。
一旦自由行動として各自自由になった。
「それにしてもミクダニアって結構輸入とかやってんのね」
「そうね、この国独自の食べ物もあるけど輸入品も多いわ」
「この国は基本的に第三次産業が主流なのよね」
「つまりそれが主力の産業ですか」
ミクダニアは輸入も輸出もしているという。
特に食品は輸出入のどちらもやっているという。
そのため隣国の食べ物は大体は手に入る。
当然バルギニアの食べ物もである。
「まあそれなら食べ物に困る事はなさそうですね」
「ただこの国独自の食文化には触れにくそうね」
「そういうお店を見つけたら入ってみましょうか」
「エイルはほどほどにするのよ」
そんな中街を歩いていると綺麗な繊維を見つける。
どうやら繊維もこの国の産業の要のようだ。
「いい繊維ね」
「これはなかなか上質な、それなのに思ったよりも安いですね」
「産業の要だものね、国内に限ればある程度は安く出来るわよ」
「そういうものなんですね」
第三次産業が主力のミクダニア。
街を見ていると他にもワインなどをよく見かける。
「へぇ~、ワインもこの国の産業の主力なのね」
「ふむ、これは外国で買うと関税がつくので少しお高くなるものですよ」
「ヒルデって本当に多方面に知識持ってるわよね」
「ですがワインですか、お酒もたまには飲みたいものですね」
セクネスは意外と酒はイケるクチらしい。
だがセクネス曰くアナスティアは酒豪なのだという。
以前酒を飲む機会があったそうで、アナスティアは強い酒を何本も空けたとか。
周りが酔い潰れる中でアナスティアだけが最後まで残っていたらしい。
「ほう、それは興味深いでは私と飲み比べをしますか?」
「あら、いいわね、ヒルデ相手ならたくさん飲めそう」
「ヒルデさんってお酒強いんですか?」
「家で見た限りだと東の国のお酒で神殺しっていうお酒を三本ぐらい空けてたわ」
東の国のお酒の神殺し。
東の国とは恐らく以前聞いた島国なのだろうとは思う。
名前からして凄く強そうなお酒だ。
それを三本空ける辺りヒルデも相当お酒に強いのだろう。
シスターとメイドの酒飲み対決という珍しいものが見られそうだ。
乗り気の二人は店に事前に伝え飲み比べ勝負をすると言い出した。
「あー、こいつら今夜は酒瓶何本空にするのかしら」
「アナスティアもヒルデさんもお酒には強い…んですよね」
「まあそれは私とセクネスがよく知ってるんじゃない?」
「今夜は荒れそうだわ、私はご飯食べるけど」
そうしてその日の夜は店での酒飲み勝負が行われた。
客達は二人の飲みっぷりに目を点にしていたという。
こうしてミクダニアの旅が始まった、旅はまだ始まったばかりである。