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バルギニアの首都

バルギニアの首都を目指すアレイシャ達。

現在は首都への道であるパレボンに来ている。

ここから首都まではあと小国を数ヶ所挟んだ先だ。

そして言われた食品工場を襲えという任務についても気になっていた。


「首都までどれぐらいかしら」

「あと小国を数ヶ所挟んだ先よ」

「日付が変わるまでには行けますかね」

「どうかしら、飛行船で夜を明かせばギリギリ?」


なんにしてもそれぐらいの距離ではある。

日付が変わる前か変わったあとか。


「それなら余裕を持たせるために首都前の小国で休む?」

「うーん、まあ余裕は欲しいしね」

「そうね、ならそれでいいわよ」

「分かりました、ではその方向で進めておきます」


スケジュールの管理などはヒルデがやっている。

以前のトネオのときも任務に余裕を持たせるために調節してもらった。


そういう事は悟られないようにしつつもきちんと頼んでおく。

今回も任務がある以上そうしてもらうつもりだ。


「首都への滞在は三日から五日程度でよろしいですね?」

「そうね、それぐらいなら」

「特に問題はないと思うわよ」

「私も異論はありません」


そうして首都への滞在はその程度に決まる。

首都に行く前にここでいろいろと補給をしておく。


首都で補給してもいいが、念には念をである。

そうして街の中を散策する。


「この国は山が多いのは分かったわね」

「そうね、でもそういう国ってあるものよ」

「島国の国とかもありますからね」

「そうそう、だから何も不思議じゃないわ」


セクネスとアナスティアも世界についてはそれなりに勉強はしている。

だがそれでも知らない事は多い。


本に書いてある事が全て真実ではないし、嘘でもない。

学ぶとはそういう本の情報をどれだけ理解するか。


国によっては本に嘘を載せる国もある。

教科書に嘘を載せるというのは教育としてどうなのか。


出版物に書いてある事はきちんと精査しなければならない。

それが学ぶという事でもあるのだ。


「でもあたし達も勉強はしてるつもりよね」

「ええ、教会でそういう事も学びますからね」

「ふーん、教会ってきちんと教育してるんだ」

「少なくとも機関としての役割もあるものね」


そんなセクネスとアナスティアの知識。

それは学校で教わったもののため完全というわけでもない。


現地で見るものと本で見るものではやはり違うものである。

それが学ぶという事の本質なのかもしれない。


本を信じすぎると手痛い目に遭う。

現場第一主義でもそれは視野を狭めてしまう。


今の二人はそんな理想と現実の差を埋めていっているのだ。

それはアレイシャも同じであり、学ぶ事の楽しさを感じ取っている。


「結局学ぶっていうのは理想と現実の差を埋めていくものなのかしらね」

「かもしれません、教科書に書いてある事が全て真実ではありませんし」

「あたし達もこうして世界を見てそれを実感してるわよね」

「教育っていうのも大変なのねぇ」


エロイーズも知っててそれを言う。

エメラダ教のスパイでもある彼女がそれを知らないわけがないのだ。


「そういえばエロイーズもヒルデと同じで眼帯なのよね」

「何よ、見たいって言っても見せてなんかやらないわよ」

「眼帯の人ってやはり何かがあるからなんでしょうか」

「オシャレっていう可能性も否定は出来ないと思うけどね」


オシャレで付ける眼帯。

まあそういうものもあるにはある。


とはいえエメラダ教のスパイであるエロイーズがオシャレで付けているとも思えない。

この場合は目になにかがあるから隠すためにつけている、などがある。


例えば特殊な魔法の術式を目に施してある、などだ。

他には純粋に目が潰れているか、それは過去にそうなる何かがあったからか、など。


「まあ何かとあるのよ、目っていうのは力が集まりやすいからね」

「つまり魔力的なものが目にはよく集まると」

「勉強になるわね」

「魔法的な力、ね」


そうしているうちにヒルデ達が戻ってくる。

そのまま飛行船に戻り次の小国へ。


首都まであと三つぐらいらしい。

首都前で余裕を持たせるべく休む予定。


そうしてバルギニアの旅は続く。

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