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山の役割

バルギニア国内を旅するアレイシャ達。

現在は小国の一つマギルに来ている。

今回の小国は再びの山。

だがこの国において山は重要な役割でもある。


「また山なのね」

「ええ、とはいえこの国における山とは重要なファクターですよ」

「敵の軍隊なんかが攻め込みにくくなるのよね」

「なるほど、山という地形が進軍を…」


山が敵軍の進軍を遅らせる。

それはこの国が比較的安全な理由でもある。


「実際この国って攻め込まれたっていう話は少ないのよね」

「ええ、それも全て山が多い土地柄だからこそです」

「なるほどね、勉強になるわ」

「国の事までは深く学んでいませんからね」


国の内情などについてはそこまで深く学ばない。

それは教育における事情でもある。


基本的に外国についてはその歴史や建国に至るまでなど。

そういったものを基本的に学ぶのだ。


だが国の内情などについてはそこまで教えてくれない。

勉強の限界でもあるのか。


「とはいえそこまで教えるような学校自体稀ですよね」

「そうね、軍事学校とかならともかく」

「内情までは基本的には教えない、ね」

「変化していくものだからこそ、ね」


そんな社会の勉強についての現状。

とはいえそれが本来なのだろうとも思う。


アレイシャ達もそんな社会の勉強を受けているからこそだ。

それでも実際にその目で見ると国の内情なども見えてくる。


見えないものを見る。

それは旅をするように言った皇帝の真意なのか。


「でも皇帝は世界を旅してその世界を知れって言ってたわね」

「バルディスタの皇帝も何か考えでもあるのよ」

「そう思いたいですよね」

「でなきゃこんな許可証なんかくれないしね」


特別な許可証を発行してくれたバルディスタ皇帝。

それはアレイシャに何かを感じていたからなのか。


真意は不明だが、そんな行為に何かあるのかとも思う。

今はそれに感謝しつつ今後も旅は続けていく。


「でも本当に世界を見てると知らない事も多いわ」

「まだ少ししか見てませんけどね」

「それでも、よね」

「はい、アレイシャの言う通りです」


それはゼスフィも同じなのだろう。

知らないものを知るというのはそれだけ楽しいもの。


それと同時に怖いものでもある。

知る事は楽しさと怖さを同時に持っているのだ。


「にしてもエイルって意外と物知りよね」

「まあ軍人として世界は見てるつもりよ」

「元軍人だけにですか」

「それなら納得かもしれないわね」


エイルの知識は軍人時代に培ったものらしい。

軍人として様々な国へ行きそれを学ぶ。


それは軍人としては必要な事という。

いつどこの国に出されても生きていけるように、らしい。


「そんな事もしてたのね、バルディスタはそういうのはなかったもの」

「ええ、他国については学びますが現地に直接行って学ぶとは」

「私の国の軍隊が特殊なのかしらね」

「世界は広いという事ですよ」


ヒルデも妙に変な事に詳しいのは引っかかる。

とはいえその知識には助けられているのも事実だ。


「この国の山の役割は防壁、そういう事ですよね」

「そうよ、山みたいな地形は自然の防壁になるの」

「自然の防壁…天然要塞みたいな感じなのね」

「でも山が防壁って言われると自然の要塞とは感じますよね」


自然の要塞、それは山が防壁となり敵の進軍を妨げる。

そんな光景からも納得の表現である。


「まさに自然が生んだ要塞、他にも森などもそれになりますか」

「そうね、森とか山ってその存在が自然の壁になるのよ」

「勉強になりますね」

「地の利を活かした戦いでなのよね、そこは」


ヒルデとエイルの軍事関係の知識。

それは不思議な感じもする知識。


エイルはともかくヒルデがそれをどこで学んだのか。

やはりその眼帯の下に隠されたものが関係しているのか。


「さて、今日はこの国で夜を明かしますか」

「次の小国へは明日ね」

「宿の確保ですね、とりあえず」

「旅もいいけど退屈なときもあるものねぇ」


そうして今夜はこの国で一夜を明かす。

明日は再び隣の小国へと向かう。


首都へはもう少し掛かりそうだ。

この国の首都で待つものは。


バルギニアを抜けるまではまだかかりそうである。

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