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隣の国へ

トネオに非常事態宣言が出されてから数日。

アレイシャ達は国から言われた事などもあり準備を進めていた。

それは隣の国への出国を許可するというもの。

例の特別許可証の力である。


「それにしても大変な事になったわね」

「そうね、ロサニアへの爆撃なんて」

「このまま国を出ていいものなのかしら」

「行くしかないわよ」


そうして飛行船に向かう。

出国の許可はすでにもらっているためいつでも国境を越えていいという。


「ん?行く前に少し待ってて、アレイシャ」

「ええ、分かったわ」

「トイレかしら」

「なんにしてもあのエロイーズだけでなくアレイシャ様まで不審な動きをするとは」


向かった先は路地裏。

そこには命令を出したエロイーズの仲間がいた。


「無事に粛清を終えたようね」

「ええ、でもこんな事態になるってあんた知ってたの」

「それは確かに気になるのよね」


その女はあくまでも粛清するように伝えろとしか言われていないという。

どうやらただの連絡係のようだ。


「国の内情は国の人間に任せろ、それがエメラダ教の教えでしょ」

「それはそうなんだけど…粛清はそれに干渉するんじゃない」

「とはいえエメラダ教は宗教だから国家組織じゃないのよね」


それもそうだ。

エメラダ教は独立した宗教であり、国の管理下には属さない。


ずっと昔からそれが認められた大宗教なのである。

なので内政干渉にはならない。


だからこそスパイの養成などが可能にもなっている。

まさに独立組織の闇である。


「だからあなた達は任務を無事に終えた、それだけの事よ」

「…そういう事にしておくわ」

「次も仕事があれば私達に声をかけるのかしら」


女はそれもあるかもしれないとだけ言う。

そう告げた上でしばらくは自由にしていいが任務は突然とだけ告げ姿を消した。


アレイシャ達はどこか歯がゆさを感じつつ仲間の下へ戻る。

今回が特例なのか、今後もあり得るのか、と。


「待たせたわね」

「遅いですよ」

「少し何かとあってね」

「準備は出来てるわ、いつでもバルギニアに行けるわよ」


そういう事もありバルギニアに向けて出国する。

バルギニアの玄関口である国境から一番近いバルギスの小国へ向かう。


「こんな形でトネオとお別れなんてね」

「そうね、爆撃に使われたのも魔法爆弾でしょうし」

「火薬の精製は出来ますけど技術的にそれ以上のものは作れませんからね」

「魔法技術の応用よね、火の魔法を凝縮して鉄の筒に積めるっていう」


魔法爆弾、この世界では一般的な魔法技術の応用だ。

空軍が爆撃を行う際などに国の魔道士に大量に作らせるものでもある。


魔法を凝縮しそれを詰め込む事で破壊力を増す。

強い衝撃でそれが解き放たれるのである。


魔法爆弾は炎だけでなく氷などもあるため焼き払う以外にも使われる。

氷の魔法爆弾で爆撃をして辺り一帯を氷の海にするなども可能なのだ。


「もう少ししたらバルギスよ、そこの街で今日は休んでそれからね」

「観光なんて気分じゃないですけど、それも出来るんでしょうか」

「出来るのならしておくべきよ、こんなときだから気分転換もね」

「アナスティアの言う通りです、こんなときだからこそリフレッシュですよ」


ヒルデの言う事にも一理ある。

こんなときだからこそ気分転換が必要なのだと。


そうこうしているうちに玄関口のバルギスに到着する。

そこからバルギスの街へと移動する。


そのまま入国審査に移り例の特別許可証を見せる。

それによりこの国でも自由は許可された。


トネオ情勢もあり変な真似だけはしなければ好きにしていいとも言われる。

やはりバルギニアとしても敏感になっているのだろう。


「さて、それじゃ一旦自由にしましょ、宿は私が確保しておくから」

「すまないわね、エイル」

「では一旦自由にしてあとで今後の予定も立てますよ」

「分かりました、それでは後程各自宿で」


そうして一旦自由となる。

その日の夜に今後の予定についても相談した。


とりあえずは首都のスティアを目指す事で一致する。

そうしてそのまま床に就いた。


トネオの事もあり少し眠りが浅かったのは言うまでもない。

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