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粛清の夜

トネオの首都であるランハラへと到着したアレイシャ達。

ここで今夜アレクシスという男を粛清する。

それはエメラダ教の裏の仕事であり裏の顔。

悟られる事なく昼は観光をして、その夜いよいよ動き始める。


「それじゃおやすみなさい」

「ええ、おやすみ」

「明日も観光ですよ、体は万全に」

「分かってるって」


そうして皆が床に就く。

眠ったのを確認してアレイシャとエロイーズは部屋を出る。


「…それでどうすんのよ」

「まさかよね」

「二人で夜に出かけるからには何かあるんですよね」

「黙っててあげるから説明なさい」


ゼスフィとエイルに見つかってしまった。

とりあえず黙っている事を信じて理由を話す。


「ふーん、エロイーズがねぇ」

「そういうわけだから…」

「いいかしら」

「では私も同行しましょう、エイル、そっちは任せていいですね?」


ゼスフィが同行すると言い出す。

どうやらエイルに黙秘権を与える代わりについてくるという事らしい。


「分かったわ、この事は仲間内には口外しないから」

「決まりですね、では私も同行します」

「仕方ないわね、好きになさいよ」

「それじゃエイル、約束よ」


そうして交渉成立。

エイルは他の仲間が起きていないか見張りに行き、アレイシャ達は仕事に向かう。


「さて、ここが軍の参謀拠点らしいけど」

「見張りは少ないわね、寧ろ違和感だわ」

「虎穴に入らずんば虎子を得ず、ですよ」


とりあえずは闇に紛れて見張りを気絶させる。

そのまま中に侵入し見張りを次々にノックアウトしていく。


「あっさりすぎる、なんなの」

「まさか誘ってる?」

「…この感じ…」


とりあえずアレクシスがいるという部屋に向かう。

だが違和感の正体はここで明かされる。


「ようこそ、私を粛清に来たレディ達」

「待ち伏せ!?」

「まさか最初から分かってた…」

「違います、あなた、何を体に入れていますか」


ゼスフィが見張りから感じていた違和感。

それはアレクシスからも顕著に感じ取れる。


その正体はこの場で明らかとなる。

何がその違和感なのか。


「ふふ、では始めますか」

「何よその腕…」

「あれは邪神の力…誰にそそのかされましたか」

「話はあと!やるわよ!」


そのまま戦いへと突入する。

アレクシスは人間離れした動きでアレイシャ達を翻弄する。


「甘いですよ、レディ達!」

「凄いパワー…スピードも尋常じゃない…」

「なら、喰らえ!」

「奈落へ引きずり込む魔手よ!」


ゼスフィの魔法でアレクシスをその場に拘束する。

そしてエロイーズの弾丸がその脳天に直撃する。


「やったか!」

「まだよ!」

「少しはやるようですね、侮っていました」

「やはり邪神の…答えなさい、誰からその力を受け取ったのですか」


ゼスフィの言う邪神の力。

それはアレクシスの異形の手と脅威の再生能力の事か。


「そうですね、天使様から頂いたのです」

「天使様ですって?とんだバカ天使ね」

「その天使の名を教えなさい、場合によっては無理矢理にでも…」

「そもそも邪神の力を与える天使ってなんなの?」


アレクシスの言う天使様。

この世界においてそれは神の御使いとされる神聖な存在。


当然エメラダ教においてはそれを神聖なものとして教える。

それが邪神の力を与えた?どういう事なのか。


「まあ私も力を使いすぎると体に障るのでね」

「降伏してくれるって言うの?」

「そんなつもりはないんでしょう」

「逃がすわけには…」


だがアレクシスはエロイーズ達に興味を示す。

そして再び相見えようと言う。


「明日の夜、廃教会で待っていますよ、そこで決着としましょう、それでは失敬」

「待て!」

「逃げられた…」

「一旦引き上げましょう、明日彼の誘いに乗ってなんとしても聞き出します」


そうしてその建物を気づかれないようにあとにする。

想定外の出来事に言葉は少なかった。


「わけが分かんないわよ」

「それは明日にでも」

「今日は宿に戻るわよ」


アレクシスの言う天使様。

それは何者なのだろうか。


邪神の力、つまり堕天使か?

ゼスフィもどこか引っかかる。


神聖なる存在である天使様の闇が薄っすらと見え隠れする。

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