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国の対応

トネオ国内を旅するアレイシャ達。

現在は小国の一つリィンベルに来ている。

その都市の中には相変わらず軍人が見回りをしている。

この国はそれに対してどう対応しているのだろうか。


「相変わらず軍人が多いわね」

「そうね、でもそうしないと国としてもあれなのよ」

「対応ってやつね」

「まあ攻め込まれでもしたら終わりですしね」


そんなこの国も以前から見ている通りだ。

北のロサニア空軍が頻繁にちょっかいを出すが故の措置である。


「なんにしても国を守る以上仕方のない事ですよ」

「軍人嫌いは確かにいそうだけどね」

「まあ軍隊って国によってイメージは違うもの」

「ええ、嫌われる国も好かれる国もあります」


それでも軍隊は国を守る上では必要なもの。

その認識をエイルやヒルデは持っている。


軍隊を持たないのなら国民が武装するしかない。

そうでもしなければ攻め込まれて滅ぼされるだけだ。


だから軍隊は必要だし、持たないのなら国民が武装する。

相手に手を出したら怖いと思わせる事が抑止力になるのだ。


「結局軍隊を捨てるなら国民がガチガチに武装するしかないんですよ」

「戦争を起こさないっていうのは相手に手を出したら怖いと思わせる事よね」

「なるほどね、相手を威嚇する事が戦争を防ぐ手段にもなるって事なのね」

「軍隊でも武装でも相手を怖がせらせる事が抑止力ですか」


平和を維持するとは結局そういう事だ。

このトネオも軍人を常駐させる事で国民を守っている。


国王としてもそういう対応を取らねば攻め込まれると分かっているのだろう。

それが国の対応であり民を守るという事になるのだ。


「まあ軍隊を放棄しろって叫ぶなら国民に武器ぐらい配布しないとね」

「この国は軍隊があるのでそれをしていないだけの話です」

「私としては平和って大変なのねって思うわ」

「平和って結局は武力の上にあるものなのよね、勉強になるわ」


元軍人のエイルはそれの意味を理解している。

平和とは武力や武装があるから守れるのだと。


ヒルデも身を守る力がなければ蹂躙されるだけだと言う。

それは弱い者にも見を守れるようになれという事なのかもしれない。


「でもヒルデって変にそういう知識があるわよね」

「そうね、私もヒルデの過去については詳しく知らないし」

「まあ少しはそういう事を勉強する環境にいたというだけですよ」

「ふーん、謎は深まるわね」


なんにしてもこの国はそうやって今を守っている。

国を守るとはつまりそういう事なのだ。


「それはそうと今日はスクランブル聞かないわね」

「たまにはそういう日もありますよ」

「だといいんだけど」

「それよりお腹空いたわ、何か食べましょ」


エイルは相変わらずである。

外食をすればその店を確実に泣かせる大食い。


だがそれでもあえて外食を選ぶ辺り鬼である。

そんなわけで適当な店に入り外食で済ませる。


店に入ったあとはエイルが片っ端からメニューを注文。

アレイシャ達はそれを眺めつつ料理を堪能する。


その規格外の食欲に店は相変わらず悲鳴である。

そしてきっちりそれを完食しお題を払い店を出る。


エイル一人で外食費が凄くかさむので財布に響く。

それでもお金はなんとか工面しているのである。


「にしてもエイル、あんたどこにそんな消えてんのよ」

「昔からよく食べるとは言われるのよね」

「エイルさんって実は底なしの胃袋なんですかね」

「私も食べる方ですけどあれだけは無理ですね」


ヒルデも驚くその食欲。

エイルはもはや外食における店主泣かせである。


「でもご飯って外で食べるの美味しいのよね」

「確かに家庭的な味とは比べても美味しいですけど」

「家のキッチンじゃお店の味って再現出来ないものね」

「そこは設備の違いですね、そういう事です」


店の料理と家の料理の違いは設備の違いだとヒルデは言う。

確かにそれは的を射ているのかも知れない。


とりあえず腹を満たした一行は次の小国へ向けて飛び立つ。

首都までもう少し、先日の国王の噂も気になる。


アレイシャ達は何も起こらないと願うのみだ。


不安要素を含みつつ首都へ順調に飛んでいくのである。

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