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厳しいチェック

アラベルの国を抜けその南西にある国トネオに入国したアレイシャ達。

その国は比較的温暖ながらも情勢はやや不安定だ。

とはいえ戦争が起こるような気配はなく、民も平和に暮らす。

そんなトネオの国の玄関口にアレイシャ達は立つ。


「ここが玄関口のアムリィンね」

「そうね、ここに来るまでに荒野の他の国も越えたでしょ」

「そしてそれを越え、トネオですか」

「どんな国なのかしらね」


その国は今までの荒野とは違い自然もある程度はある。

とはいえ治安はお世辞にもいいとは言えないようだ。


「そういえば入国審査で結構厳しくチェックされたわよね」

「この国は北の国にちょっかい出されてるのよ、それで何かとね」

「北の国だと空軍とかかしら」

「まさか北の国は空軍を持てるぐらいのお金持ちだと」


この世界の空軍は一般的には飛空艇の軍隊である。

アレイシャ達が使うような飛行船は軍隊では輸送をメインに使われる。


軍隊の兵器としては攻撃力と機動力を備えた飛空艇が一般的だ。

逆に輸送などにおいては守りが優秀な飛行船が使われる。


「難儀なものね」

「とはいえバルディスタ皇帝にもらった許可証見せたらだんまりね」

「流石にあの特別なものですからね、下手な人に邪険には扱えないようで」

「単なる観光客じゃないって認識されてるわよ」


なんにしても皇帝直々に発行したその許可証の効果は絶大なようだ。

この国の国境の入国審査でもその係員が焦って入国を認めたぐらいには。


「それで、見た感じ軍人がちらほら見えるんだけど」

「この国は北の国にちょっかい出されてる関係で情勢はやや不安定なのよ」

「それでなのね」

「本来ならもっとああなかんじなのかしら」


とりあえず少し街を見て回る。

特別許可証の力もあり自由は保証されているようだ。


「なんか特別許可証の力って凄いのね」

「あなた達国のトップ直々にそんなものを発行してもらえるなんて凄いのね」

「まあ何かとあったのよ」

「それで、ね」


軍人達にも通達が行っているのか特に睨まれる事もない。

ただの観光客ではないという事は伝わっているようだ。


「それで目標はどうするの」

「そうね、ならとりあえずは首都のハンケルを目指す形でいいかしら」

「この国の首都ね、ならそれでいいわ」

「エイルさんにそっちは任せます」


そうして一旦の目的は首都のハンケルに決まる。

その道中にも様々な小国があるわけだが。


なんにしても特別許可証の事もあり、機密施設などを除けば自由だ。

観光などは自由に出来るし軍人に睨まれる事もない。


「とりあえず腹ごしらえしましょ」

「なら適当な食堂にでも入りましょうか」

「賛成、お腹空いちゃったわ」

「端の方とはいえこの国の料理も食べられそうですね」


そうして適当な食堂に入り食事を満喫する。

この国の料理はとても美味しかったらしく、エイルはそれはもう凄く食べた。


店の人が泣きそうな顔をしていたのをアレイシャ達は印象深く覚えている。

とはいえ当のエイルには悪気はないのはご愛嬌である。


「美味しかったわね」

「トネオ料理は世界三大料理の一つって言われるものね、美味しいわけよ」

「というかパンが無料で食べ放題というのは驚きましたね」

「エイルはそれに調子に乗ってました」


パンが無料で食べ放題という事もあって、エイルは相当食べたそうだ。

店側もエイル一人に赤字を出されそうになっていたという。


「この国って肉は鳥と羊がメインなのね、宗教的な関係かしら」

「そうね、豚肉は宗教上の理由でまず食べないし牛は飼育に向かないかららしいわよ」

「エイルって何かと詳しいのね」

「飛行船の操縦士ですし外国の事情にも詳しいのは必然かと」


なんにしても食事を満喫したので次の小国へ向かう。

エイルは操縦士であると同時にナビゲーターでもある。


この先も外食する事になると店が涙目になるのか。

エイルの底なしの食欲に店が燃える。


それでしっかりデザートまで平らげるのだから恐ろしい胃袋である。

エイルはそれでも腹八分目と豪語するのだから。


そうして外食での不安を覚えつつ次の小国へ向けて飛ぶのである。

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