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首都復興

植物を除去した首都ダベラに滞在する事数日。

首都はすっかり元の賑わいを取り戻し、復興していた。

幸い損壊の被害は少なく、修復などもスムーズだ。

アレイシャ達は次の地へ向けての準備を進めている。


「レザースは行ってしまったのね」

「ええ、気づいたらいなくなっていました」

「言葉の一つでもかけていけばいいのに」

「まあ彼は指名手配犯だものね」


レザースは世界に指名手配される極悪犯罪者である。

とはいえアレイシャ達にはどうしても彼が悪者には見えなかった。


「結局レザースってなんで世界に指名手配される事になったのよ」

「私に訊かれても困りますね」

「でも死霊術って禁術なんじゃないの?」

「いえ、死霊術自体は禁術ではないわ、それを使って人を生き返らせたら別ね」


エイルが言うには死した命を生き返らせる事は禁忌とされているらしい。

それはどんな技術でも魔法でも共通の理念だという。


それに対しアレイシャは生きる屍である自分の事を考える。

魔王の下で研究をしている人達の中には禁忌の研究をしている人もいるのか。


自分を生き返らせた技術は禁忌の技術なのか。

だとしても今はそれに甘んじておく事にした。


「でも人を生き返らせるって具体的にどうなの?ゾンビは違うわよね?」

「ゾンビは所謂傀儡だから違うわね、自我を持つ状態での蘇生が禁忌なの」

「つまり明確に生前の記憶があったりしたらそれは禁忌になるのね」

「なんか難しいですね」


なんにしても死霊術そのものは禁忌ではないという。

とはいえ死霊術はとても高度な術だと教わっている。


それをいとも簡単に操るレザースの凄さを垣間見る。

やはり彼は何か理由があって今に至るのではないか、そう考える。


「ま、私は信じたわけじゃないけどあいつが悪い奴には見えないわ」

「凶悪な犯罪者にも見えませんしね」

「だとしたらなぜ世界に指名手配される事に?やはり死霊術に関係している?」

「うーん、恋人を生き返らせた、みたいな?」


アナスティアらしい解釈である。

そういうところは年相応の女性なのだろうか。


「ですが私には彼の背後に影を感じました、それは暗い影です」

「ゼスフィはそういうのを感じ取れるのね」

「でも結局のところは分からないままね」

「レザースって結局なんであんな事になってるのかしらね」


レザースの謎は尽きない。

だが今後も彼に会う事はあるだろう。


彼が自分の過去を話してくれるとも思えはしないが。

ゼスフィが感じたレザースの暗い影。


それは彼の背負う何かなのか。

人は業を背負う生き物、彼もそんな業を背負っているのか。


「それはそうと次の目的地はどこにします?」

「ここから西だと南西がトネオ、北西がバルグーになるわね」

「どっちから行くの?私はいつでもいけるわよ」

「そうね、ならトネオに行くわ」


そうして次の目的地はトネオに決まる。

トネオは比較的温暖な気候の国。


独自の食文化などもあり、政治的不安は少しあるらしい。

とはいえそれでもトネオに行く事で決まる。


トネオは北西のバルグーとは湖を隔てているらしい。

そして北の国から何かとちょっかいも出されているとか。


巻き込まれない事を祈りつつ飛行船の燃料を買いにいく。

店などはすっかり復興しているので今なら揃うだろう。


「それじゃ私は先に燃料買い溜めしておくわね」

「我々は食料でも少し買っておきますか」

「外で食べてたらお金かかるしね」

「では行くとしましょう」


そうしてエイルは燃料の買い溜めに行く。

アレイシャ達は保存食などを買っておく事にした。


その後は買い物を終え飛行船で合流する。

次の目的地は南西の国トネオ。


この国の暑い気候は抜けられそうだ。

少しは涼しくなる事を願う。


「さて、それじゃ発進するわよ」

「ええ、頼むわね」

「トネオにいざ参る!」

「調子に乗らないように」


そうして飛行船はトネオに向け飛び立つ。

この国で思わぬものをもらってしまった事に感謝である。


飛行船と操縦士エイル。

資源で当てた大金の凄さも垣間見たこの国を発つ。


トネオの国へ向け飛行船は空を進む。

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