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魔界の植物

首都ダベラで植物の除去をするアレイシャ達。

レザースの力も借り目的地の屋敷は目の前に迫っていた。

レザースの話では魔界の植物らしいとの事。

どこから手に入れたかはともかく、それを除去するのである。


「もう少しなのに…」

「流石にこいつは相手が悪いですね」

「でも負けてはいられないのよね」

「そうね、これをなんとかしないと本体は叩けないし」


本体の前に立ち塞がる巨大植物。

それを取り除くべく、魔法を浴びせる。


「凍り付け!」

「死せる炎よ!」

「燃え上がれ!」

「雷よ!」


魔法によって燃やしたりは出来るものの、あっという間に再生される。

その生命力は脅威の一言でしかなかった。


「さて、どうされますか」

「弱点でもあれば別ですが」

「弱点…もしかしてあそこ?」

「あれって花の中心点よね」


花の中心点、確かに効きそうではある。

物は試しと、そこに魔法を叩き込んでみる。


「効いてるわ!」

「ならばあそこに全力をぶつけますよ」

「熱いのは嫌いではないですよ」

「ではやりましょう!」


そうして花の中心点に魔法をどんどん叩き込む。

それが見事に効いたのか、花は燃え尽きる。


「これで屋敷に行けるわね」

「もう目の前です、薬が尽きる前に行きますよ」

「了解よ」

「行きましょう」


そうしてついに屋敷に到着する。

そこには凄く大きく育った植物があった。


「これを除去すれば街の植物も一掃出来るはずです」

「にしても、これは流石に」

「簡単にはいかない相手ですね」

「それでもやるしかない、いくわよ!」


植物にありったけの魔法を叩き込む。

だがその再生力の前には無力にも等しいのか。


焼いても焼いてもその場で再生されてしまう。

核となる部分に魔法を浴びせるも、効果は薄く大して効き目がない。


それでも諦めずに魔法を浴びせ続ける。

レザースの魔法すら耐えるその強靭さにはもはや言葉もない。


「ん?今何か聞こえなかった?」

「は?こんなときに何言ってんのよ」

「声、生存者?」

「まさか…あの花の中では?」


レザースの話では魔界には異種族と言われる植物人というのがいるらしい。

それは植物と同様に種から生まれるという。


まさかこの植物に植物人が眠っている?

なんにしてもならば花を確認せねばならない。


だがあの高さをどうやって確認するか。

するとゼスフィがこのままではこっちが倒れるとして、やってみるという。


アレイシャ達もそれに頼るしかない。

限界は感じていたからだ。


「いくよ、死せる魔力、その生命を滅ぼせ」

「植物が…一気に枯れ果てていく…」

「これが死神の力…」

「あたし達が手も足も出なかったのに…」


その植物は一気に枯れ果てた。

そして崩れ落ちた花の中を確認するとそこには根を張る少女がいた。


「まさか本当に…」

「根を張っているという事は人間で言うところのへその緒という事でしょうか」

「切ってみますか?」

「危険はなさそうですが…」


なんにしても植物が枯れた以上養分は期待出来ない。

アレイシャがその根を叩き切る。


「生きてるの?」

「植物人だとしたらさっきの根から栄養を摂っていたのでしょう」

「にしても可愛いわね」

「目覚めそうにないわよ?」


その彼女をどうするか考える。

街の植物はすでに全て連鎖的に消え去っている。


とはいえ彼女を連れていくのも迷うものだ。

あまり大人数にするのは行動にも障害が出る。


だが放置するわけにもいかず、誰か任せられる人もいない。

そんな中アレイシャが閃く。


彼女を預ける当てがあると言い、彼女を連れ少し席を外す。

街の路地裏に移動し呪文を唱える。


「失礼するわよ」

「おや、久しぶりだね、何か用事かな」


アレイシャはハイフスに事情を説明する。


「なるほど、その植物人の彼女の世話をしてくれと」

「ええ、私達は大所帯には出来ないから」


ハイフスはそれを承諾する。

アレイシャはその植物人の少女を託し仲間たちの下へ戻る。


「眠っているが、興味深いね」


仲間達の下へ戻り少し心配されるも適当にはぐらかす。

そして目的を達したダベラの街は近く復旧するだろう。


次にすぐには行かず少しダベラに滞在する事とした。

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