表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/230

首都の噂

アラベルの首都を目指すアレイシャ達。

今は首都から二つのところにある小国ベスケに来ている。

この国も今のところは平和なようだ。

だがそんな平和な国で首都の思わぬ噂を聞く事となる。


「ベスケに着いたわよ」

「ありがとね」

「それじゃ少し散策してくるから」

「留守は任せましたよ」


そうしてベスケの散策を開始する。

少し歩いているとキャラバン隊が何やらざわついていた。


「首都の様子は?」

「駄目だな、機能すらしてない」

「なんであんな事になったんだ?」

「なんか富豪が珍しいからって買った植物が原因らしいぞ」


何やらあったようだ。

首都を目指す身としてはその話は聞いておいた方がいい。


そんなわけでアレイシャ達はそのキャラバン隊に声をかける。

そして聞けた話は首都の惨状だった。


「あの、首都で何かあったの?」

「あんた達は首都に行きたいのか?今行ったら危ないぞ」

「何があったのですか?」

「旅の途中だし、一応聞いておきたいの」


キャラバン隊の話では首都は植物に覆われてしまっているらしい。

大元の植物を焼き払いでもしないとあれはどうにもならないという。


首都全体を覆う強靭な蔦や謎の花。

他にも様々な植物が首都全体に張り巡らされてしまったらしい。


「一週間前に首都の主の富豪が珍しい植物を買ったとかでな」

「それから瞬く間にそうなった、ですか」

「そうらしい、街から命からがら逃げてきたキャラバン隊とかも多いぞ」

「どうしましょう、それでも行くの?」


だが行かないという選択肢はない。

面倒なので自分達でそれを除去してしまおうとアレイシャは言う。


エロイーズは呆れつつも、それに笑って賛同する。

他のメンバーも特に異論はないらしい。


「おいおい、あんた達本気なのか」

「ええ、どうせ首都に行くならついでにね」

「やってやろうじゃないって話よ」

「勇気のあるお嬢さん達だなぁ」


とはいえこのままではキャラバン隊としても商売上がったりである。

なのでアレイシャ達に託してみる事となる。


その後もアレイシャ達は首都の現状について聞いておく。

その上で首都に入り、植物を除去する事に。


話を聞き終えた後改めて情報を整理する。

首都は謎の巨大植物に侵食されている。


そして恐らく親となる植物を焼き払えば他も一緒に焼ける。

その植物があるのは主の屋敷のある場所。


問題はそこにどうやって辿り着くかである。

空からダイブするのは危険だろう。


なので地上から走っていくしかないと思われる。

一日で終わる保証もなく長期戦も覚悟が必要だ。


「親元が栄養の供給源ならそれを焼けば解決ね」

「そこに辿り着くまでが大変そう」

「幸い刃物使いは多いし、アナスティアは雷が得意だから」

「雷の魔法でそのまま延焼させてしまおうという事ね」


雷は大きな熱量も含んでいる。

それで一ヶ所に火を起こせればそのまま延焼させられる。


ヒルデはそう考えているらしい。

雷の力で火を放つというのも意外なやり方だ。


だが世界では落雷から火災に発展するケースもあるという。

街を焼かない程度に雷で植物を焼くという難題だ。


それでもアナスティアはやってみせると言ってくれる。

その頼もしさにアレイシャも少し嬉しそうだった。


「それじゃ決まりね、時間的に首都の隣に行ってる余裕はあるわ」

「ならそこで準備を整えましょう、いいですね」

「あたしに異論はないわ」

「私もです」


そうして話はまとまった。

今日中に首都の隣の小国に移動する。


そこで準備を整え、本番に備えて休む。

そして首都での植物除去作戦である。


そのまま飛行船に戻り、エイルに事情を説明する。

それに対しエイルも手伝ってくれる事に。


戦力は一人でも多い方がいい。

元軍人のエイルなら頼もしい戦力になるだろう。


「それじゃ今日中に隣の小国へ飛ぶわよ」

「ええ、頼みます」

「大変な事になったわね」

「でも面白いわ、うふふ」


どこか楽しそうなアレイシャ。

エロイーズも文句を言いつつも手は貸してくれる。


だが本来の仕事を忘れているわけではない。


エロイーズがスパイだという事は今も話していないのだから…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ