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富豪の探しもの

アラベルの首都ダベラを目指して旅を続けるアレイシャ達。

現在は小国のドラフに来ている。

この国では小国の主は大抵は富豪かその富豪の身内である。

要するに富豪達によって統治されるのがこのアラベルという国なのである。


「ドラフに着いたわよ」

「ここも相変わらず乾いてるわね」

「まあ荒野と砂漠の国ですからね」

「それでは留守は頼みますね」


そうして飛行船はエイルに任せ街の散策に出かける。

ドラフはそれなりの規模がある小国だ。


「うーん、首都に近づいてるからなのか少しは豊かなのね」

「そうね、露店なんかも多いし」

「ケバブ美味しいわ、やっぱりお肉よね」

「アナスティアさんは本当によく食べますね、なんか分かった気がします」


そんな中街の掲示板にあるものを見つける。

それは富豪が探し求めるものを持ってきた者に望むものを与えるというもの。


詳しい話が聞きたいものは街の北にある屋敷に直接来るようにと。

旅をしているのならそれも面白そうだと思い、その屋敷へ行ってみる事に。


屋敷に行き警備の者に事情を話すと中へと入れてくれた。

その屋敷はお約束とも言える広さと大きさだった。


そして富豪の部屋に通される。

そこにいたのはこの国の富豪としては見慣れた格好の男性だ。


「君達は私の望むものを探してくれるというのかな」

「ええ、旅をしているものでして立ち寄った先で見かけるかもしれませんし」

「それに望むものを与えるっていうのも気になってたしね」

「本当に望むものを与えてくれるのですか?」


その質問に富豪はお金で手に入るものならなんだろうと与えてくれると言う。

そういうところはお金の力だなと思っていた。


とりあえずその欲しいというものを尋ねてみる。

すると一つのリストを見せてくれた。


「えっと、少女の魔法人形、竜の盾、暗黒の剣、呪術師の魔玉…」

「それと魔女の仮面に獣人の指輪、魔狼の毛皮のコートに無銘の刀…」

「ずいぶんありますね、これらは全て実在するのですか?」

「ああ、この世界のどこかにあると言われる」


それらはどれも入手困難なものだとゼスフィは言う。

それでもせっかくなので探してみる事にした。


富豪は手に入れたら直接持ってくる事が条件だと言う。

一つにつき望むもの一つと交換してくれるそうだ。


つまり一つ持ち込めば望むもの一つを交換として与えてくれる。

富豪らしい条件だと思っていた。


「とりあえず見つけたらでいいからね、そのリストは写して持っていくといい」

「分かりました、では書き写しておきます」

「飛行船を持っているのなら機会はあるかもしれませんね」

「そうね、行先でそれを探してみましょ」


そうしてリストを書き写し富豪と約束をした後屋敷を出る。

エロイーズは無理難題だと思いつつも、それもいいかと思っていた。


アレイシャも今は特に何事もなく事が進んでいる事に安堵していた。

だが世界は広い、どこで何に巻き込まれるか分からないので、対応出来るようにはする。


「それにしても世の中には珍しい人もいるものね」

「コレクターというものですよ、価値のないものでも集める事が楽しいのです」

「分かります、自分もコレクションはあるんですよ」

「そういえばセクネスってペンのコレクションがあるのよね」


セクネスはペンのコレクションをしているらしい。

旅に出る際にそれを持ってきたのだという。


荷物の中にはセクネスがコレクションしたペンの入った箱が入っていた。

中には一般的なペンから少し珍しいペンまである。


教会の騎士になって金銭的に少し余裕が出来た事でコレクションしたという。

あの真面目なセクネスがコレクションをしているというのも意外な話だ。


「そういえばこの国に来てからもペンを買ってたわよね、セクネス」

「はい、流石に高いのは買えませんけど」

「ふーん、なんか面白いのね」

「それじゃ次に向かうわよ」


そうして飛行船に戻り次へ向けて飛び立つ。

富豪の欲しがるものは手に入るのか。


旅の道中で見つけたら考えてみようと思う。


貴重な品だけにハードルは高そうだが、いいものは見れそうな気がするのである。

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