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岩山に隠された遺跡

飛行船を使い少しずつ首都のダベラを目指すアレイシャ達。

そんな中道中にあるナラバスの小国に立ち寄っていた。

その国は小国ながらこの国では珍しい鉱物資源が採れる国だ。

そこで思わぬものを見る事になる。


「ナラバスに着いたわよ」

「どうもね」

「それでは少し見て回るとしますか」

「行ってきます」


そうして街の散策を開始する。

すると何やら噂話が聞こえてきたためそれに耳を傾ける。


「なんか近くの岩山に新しい洞窟が見つかったっぽいわね」

「新しい洞窟、なにかあるのかしら」

「聞いた限りでは誰でも立ち入り自由のようです」

「少し興味があるわね、行ってみない?」


アナスティアはこういう野次馬精神だけは一流である。

とはいえアレイシャも少し興味があるため、あえて乗っかる事にした。


そうしてエイルに事情を説明しアレイシャ達はその岩山の洞窟へ向かう。

はずだったのだが、エイルもついてきてしまった。


「来て平気なのかしら」

「鍵はかけてあるから簡単には奪えないわよ」

「やれやれですね」

「でも、それもいいですよね」


そうしているうちにその洞窟と思われる場所に到着する。


「見た感じ普通の洞窟ね」

「この感じ…ここには何かがあります」

「何か?何かしら」

「嫌な予感はしますけど、行きます?」


当然行く事になるわけで。

そんなわけなので洞窟の中へと進んでいく。


「もう行き止まりじゃない」

「…ここです」

「岩がクレープ状になっていますね」

「見た目は壁だけど、隠し通路、行ってみましょう」


そこから中へと進む。

するとその中には明らかに人の手で作られたと思われる建造物があった。


「へぇ~、凄いわね」

「あんたお気楽ねぇ、この規模の遺跡なんて普通に大発見よ」

「それで何かがあるのでしょうか」

「この感じ…神の力を感じます、奥からですね」


ゼスフィが感じたという神の力。

ここには神でもいるのだろうか?


規模はそれなりだが意外と広くはないようなので、奥に進んでみる事に。


「壁画ですね、時計のようなものが描かれています」

「時計…多分時の神だと思います」

「時の神だと神話などに残るのはクロノスでしょうか」

「ここはクロノスに関係する遺跡なの?」


とりあえずは考えつつ奥へと進んでいく。

壁にあるレリーフなども時計のようなものばかりだ。


「時の神クロノス、いえ、正しくは精霊と言うべきですね」

「精霊ってあの空想の存在とされるあれですよね」

「クロノスは神様じゃなくて精霊なの?」

「多分食い違いじゃない?精霊が知らないうちに神様になったみたいな」


歴史においてそういう事は珍しくないので、エイルの言い分に納得してしまう。

なんにしてもその力を感じるのは奥からだ


奥に進んでいくと大きな時計の絵が描かれた部屋に出る。

そしてその時計の絵の下に何かあるのを発見する。


「何かしらこれ、懐中時計?」

「下手に触らない方が…」

「力を感じるのはこの時計からですね」

「お宝ってこの懐中時計?」


だがそのときだった。


「時の神、いえ、正しくは精霊と言うべきですね」

「精霊ってあの空想の存在とされるあれですよね」

「ん?待って、時計が手元にある…なのに…」

「何かあったの?」


どうやらついさっきの時間に戻っている。

時計の力なのか、自分の時計を確認すると五分前のようだ。


「そう、この時計の力は五分前に戻れるという事ね」

「よく分かりませんけど、奥に進みます?」


お宝は回収したので引き返す事に。

五分前に戻れる懐中時計、一日に制限はありそうだが、使い道もありそうだ。


時計はそのまま拝借する事にした。

そうして洞窟を出てナラバスの街に戻る。


「恐らくクロノスの力が宿った時計です、乱用は駄目ですよ」

「ええ、分かったわ」

「とりあえず今日はここで宿を取りますか」

「そうね、ダベラまであと小国で五つ、気楽に行きましょ」


そうして宿を確保し一夜を明かす事に。

飛行船で寝泊まりしてもいいが、少しの贅沢である。


首都ダベラからはさらに西へと飛ぶ予定だ。


この国で見るものは新鮮であり、知らないものばかりなのだから。

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