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新たなる旅立ち

戦争終結から三週間が経過した。

バルディスタはコレアムを解体し、近いうちにその名は地図から消える。

国はまだ荒れていながらも復興に向けて少しずつ動き始める。

そしてアレイシャ達は開放された国境を越え新たな旅に出る。


「それにしてもあんた達ついてきてよかったの?」

「構いません、親友が行くというのなら私達も共に参りますよ」

「そうそう、それにあたし達がいなくても教会は安心よ」

「感謝するわ、私も素敵な友人に恵まれたわね」


セクネスとアナスティアは教会に許可をもらい旅に同行する。

ヒルデとエロイーズも当然ついてくる、ゼスフィは保護する事にした。


「それで西ですよね、コレアムの土地を抜けるのは無理ですから北西ですね」

「北西、だとしたら荒野になるわね、環境的に過酷よ」

「確か北西はアラベルの国でしたか、あそこは資源で発達した国ですよ」

「なんにしても今いるところが北西の国境、覚悟は出来ています」


ゼスフィも覚悟は出来ているようだ。

皇帝からもらった特例許可証を使い国境を抜ける。


「いい風ね」

「でも乾いた風ねぇ、流石は荒野だわ」

「ここから一番近くにある小国はアンバイですね、そんな時間は使わないと思います」

「ならまずはそこを目指しましょ、楽しくなりそうね」


そうして荒野を進み始める。

乾いた風に吹かれその荒野を進んでいると、何やら馬車に出会う。


「あの、立ち往生ですか」

「ん?ああ、少しくぼみにハマってな、動けん」

「ならヒルデ、頼むわ」

「かしこまりました」


ヒルデが馬車を持ち上げくぼみから車輪を出す。

その姿に馬車の人は少し驚いていた。


「凄いのね、あなた」

「腕力には多少の自信があるだけです」

「あの、様子を見る限りキャラバンか何かですか?」

「そうだよ、このアラベルの国の中を回って行商をしてるんだ」


どうやらこの馬車達は行商人達によるキャラバン隊のようだ。

話を聞くと行き先はアンバイとの事で、お礼に乗っていかないかと言われる。


荒野を歩いて抜けるのも楽ではないため、お言葉に甘える事に。

一つの馬車に乗せてもらい改めて出発する。


「そういやそこのシスターはエメラダ教の人か?」

「そうだけど」

「この国ではあまり歓迎されないから服は着替えた方がいいわよ」

「それはどういう意味?」


アラベルを始めとするこの地方では昔からの宗教のサファア教が主流らしい。

そのため他の宗教の教徒はあまり歓迎されないという。


「ならこいつをやるよ、これなら見た目でバレる事もないよ」

「あら、どうも」

「アンバイまではもう少しよ、飛ばすわよ」

「国にも事情はあるのね」


そうして馬車を飛ばしてアンバイに到着する。

小国アンバイ、そこまで大きくはないが国土の広さからそれなりに広い国だ。


「それじゃ俺達は仕事で少し滞在する予定だ、何かあったら遠慮はいらんぞ」

「ええ、ありがとう」


そうしてキャラバン隊は仕事に向かっていった。

一方のアレイシャ達もアンバイの街を見て回る事に。


ちなみにこの世界では小国の場合、一番大きな街の名がそのまま国の名になる。

島などでもない限りはその小国で一番大きな街が小国のシンボルとなるのだ。


「それにしても似合ってるわよ」

「そうね、通気性もいいし荒野というか砂漠に適した服よ」

「この国ではスパイスを用いた肉料理が美味しいそうです」

「お肉…」


ゼスフィがお腹を空かせている。

とりあえず適当な屋台で肉の串焼きを買い小腹を満たす事に。


「美味しいわね」

「そうね、とてもスパイスが効いてて」

「肉…美味しいです」

「ゼスフィは意外と肉食なのね」


アレイシャも一応食べるが、味を感じる事はない。

これも生きた屍となった事の弊害なのだろう。


とりあえずは今日はここで宿を取り明日改めて次の小国を目指す。


「ねえ、面白そうなの見つけたわよ」

「荒野の獣狩り、賞金も出ますか」

「なら挑戦してみない?」

「あら、燃えるわ」


そうして流れのまま獣狩りの大会に参加する事に。

賞金も出るのならやってみる価値はある。


そして翌日はハンティング大会に挑戦するのである。

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